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第41回 生産・育成牧場、地方競馬ではただ今人材募集中!

2018.05.01
 思いがけず同行取材の機会を頂いた3月のBOKUJOB見学会。牧場勤務に関心がある中高生とその保護者の皆さんと共に、BRF鉾田トレーニングセンター、KSトレーニングセンター、松風馬事センターと、茨城県にある育成場3カ所を巡る日帰りツアーは、牧場で働く方々の情熱を感じる有意義な時間となりました。
 当日の様子は、BOKUJOB見学会のレポートや、競馬女子部でも書かせていただいていますが、度々身に染みて感じたのは「どこも人手不足」だということ。牧場だけではなく、地方競馬各競馬場でも厩務員不足が深刻化していて、例えば、船橋競馬場の場合には、雇用の窓口になっている千葉県調教師会の公式サイトやブログで、複数の厩舎のスタッフ募集を継続的に呼びかけている状態です。

 募集内容は厩舎ごとに異なり、初心者歓迎という場合もありますが、急募となると即戦力が求められ、需要と供給のバランスがなかなか難しいところ。厩務員さんの中には、牧場経験者も多いことから、牧場での人手不足は、おのずと競馬場で働く人材不足にも繋がっているように思います。

 そこで、ふと思ったのは、仕事の大まかな流れをより多くの人々に知ってもらうのも必要ではないか、ということ。厩舎は、公正確保という点でも一般の見学ができない場所であり、厩務員の仕事は、知られているようで、知られていない職種のひとつかも知れません。仕事内容が少しでもわかれば、求人の扉をノックするきっかけが生まれるのでは。そんな期待を込めて、ここからは、南関東競馬の某厩舎での仕事の流れを紹介することにしましょう。

 第41回 生産・育成牧場、地方競馬ではただ今人材募集中!の画像 まずは1日の始まりです。厩舎生活と言えば、早起き。午前1時~午前1時半頃に作業を始め、午前2時から調教スタート。手入れ時間も入れて、1頭当たり約2時間かかるとのこと。ひとりの厩務員はだいたい3頭担当しています。午前8時に朝の作業がひと段落。この間の厩舎作業は、馬房の掃除、寝藁上げ(干す、取り替えるなど)、飼い葉、健康チェックなどなど。作業内容は、天候や季節でも変わって来るそうです。

 午前8時過ぎから休憩時間になり、昼からの作業は午後2時頃からスタート。この時間帯に厩舎地区を歩いていると、出勤して来る厩務員さん達と出会う確率がとても高いです。午後の作業は、馬の体調のチェックや飼い葉作り、馬によっては引き運動をすることもあるそう。獣医さんの診察を受けたり、装蹄師さんが蹄鉄の打ち替えに来たりということもあります。

 馬の世話の他には、厩舎周りの整備(草取り、地面の凸凹をならす等)、馬を拭くタオルの洗濯や道具の手入れ、馬房設備のメンテナンスなど、取材時に見かけた作業内容だけでもさまざまです。そして、もちろん、レースに出走するための作業(馬装や、馬運車での移動など)も大切な業務です。

 私自身、競馬初心者の方と話す時、厩舎をひとつの学校と考えて、馬は「生徒」、調教師は「学校経営者で校長先生」、獣医は「保健の先生」という例えを使うことがあります。一番馬の身近にいる厩務員は「教育する担任の先生であり、生活の世話をする大切な存在」といったところでしょうか。

 地方競馬の厩舎で働いている人々は、「実家がサラブレッドを扱う牧場を経営している」、「親族が調教教師や騎手などの家系」、「育成牧場から厩務員に転職した」など馬業界で育った方々の他、全く異業種の会社員から厩務員になったという方も結構見かけます。特殊な仕事とも思われがちですが、BOKUJOB見学会で、各場で大切なこととして共通して言われていた「挨拶をきちんとする」「仕事と真面目に向き合う」は、そのまま厩舎でも通じることでしょう。

 生きもの相手の仕事ゆえの苦労もあると思いますが、見ている側の心さえも震えるような、飛び切りの笑顔が輝くシーンをここまで何度も見て来ました。それだけ魅力のある仕事だとも思います。一般企業と同様に、厩舎ごとに募集条件や雇用条件は違っていますので、関心のある方は、該当の地方競馬の窓口まで問い合わせてみてくださいね。
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