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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第48回 来年への楽しみが膨らむ 2歳重賞たけなわ

 暑い暑いと言っていたのはつい昨日のことのようですが、2歳重賞の話題も賑やかになる季節。ふと気が付けば、今年も残り1カ月となりました。

 11月14日に行われた大井の2歳重賞・ハイセイコー記念(SII ダート1600)を制したのは藤田輝信厩舎(大井)のラプラス(父カジノドライブ)でした。現在南関東リーディング第2位の矢野貴之騎手(大井)を背に、先団の後ろでレースを進めると、直線で先頭に立ち快勝。重賞初制覇となりました。

 今回のハイセイコー記念は、JRAからの転入初戦という馬も含めて、最多で8戦目、最少でデビュー2戦目という馬たちが出走しました。レース後の検量室前で「ゲートで隣の馬にびっくりしてしまって・・・。それがレース中ずっと尾を引いてしまった」「ゲートでワっとなって、上手く出られませんでした」などのコメントが多く聞かれるのも2歳戦ならではといった印象です。繊細な2歳馬たち。ほんの一瞬のわずかなことでレースが左右されてしまうため、関係者の表情も悲喜こもごもといった雰囲気に。それでも一様に、経験を糧にした成長も見込めるという前向きさも感じられました。

 ちなみにこのレースの昨年の覇者は、今年の東京ダービー馬ハセノパイロ(船橋 佐藤賢二厩舎)。過去の優勝馬には、2008年の羽田盃(SI)を制したナイキハイグレード(船橋 川島正行厩舎)や2015年の羽田盃(SI)の優勝馬ストゥディウム(船橋 矢野義幸厩舎)といった、後々クラシック路線を賑わせた馬たちの名前も並んでいます。数多くの重賞を制し、NARグランプリ2016で年度代表馬にも選出されるなど、幾多のファンを魅了したソルテ(大井 寺田新太郎厩舎)は、2012年のこのレースの覇者。偉大な先輩ハイセイコーの名を冠したレースから、活躍馬が出るというのも競馬のロマンと言えるでしょう。

 日付が前後しますが、11月7日に行われた平和賞(SIII 船橋 ダート1600)で優勝したのは、岩本洋厩舎(川崎)の2歳牡馬ヒカリオーソ。瀧川寿希也騎手を背に外から積極的にハナを奪うとそのまま逃げ切って先頭ゴール。一頭になると遊ぶ面もあったそうですが、最後は瀧川騎手の懸命なムチに応えて3/4馬身差で勝利をおさめました。

nf201811pic.jpg ヒカリオーソの父はフリオーソ。言わずと知れた「地方競馬の雄」ですが、デビューから2戦2勝で臨んだ2006年の平和賞では、キンノライチョウ(岡林光浩厩舎)にハナ差届かず2着という結果に。あれだけ多くの重賞を制した父が勝てなかったこのレースを、産駒のヒカリオーソが制したというのもドラマチックでした。

 また、ヒカリオーソの母ヒカリヴィグラス、祖母マイムーンともに元南関東所属馬。そして、その血統を辿っていくと、地方・笠松からJRAに果敢に挑戦したライデンリーダーへと繋がるという味わい深さも併せ持っていて、レースぶりや血統など、あらゆる角度からも注目したい1頭です。また、今年の平和賞は平成22年にマークした売得金レコードを更新したことが主催者から発表されました。

 その船橋競馬場では、11月のハートビートナイターから内馬場にイルミネーションが点灯し、レースシーンも一層華やかになりました。競馬場の大家さんが600万球の宝石イルミネーションの"ジェルミネーション"で知られる、よみうりランドというだけあってとてもステキな雰囲気に。パドック周辺でもキラメキが増して、インスタ映えする場所も多々。もちろん馬たちが不安にならないように配慮もされつつ、場内に新たな明るさと色彩が加わって、楽しい雰囲気がアップしました。

 さて、すでにご存知の方も大勢いらっしゃると思いますが、JRAからサウンドトゥルーが船橋の佐藤裕太厩舎に転入済み。始動は12月29日の東京大賞典(GI)を予定しているとのことで、新天地での走りに大注目の2018年のフィナーレとなりそう。また、同時にNARグランプリ2018の受賞馬は一体どの馬が・・・と話題になるのもこの季節です。今年を振り返りながら、残り1カ月の競馬をしっかり見届けていきたいと思います。