ホソジュンのウマなりトーク
第163回 次の仕事へのマインドづくり~仕事終わりは良い加減のお酒で~
秋競馬が始まりましたが、毎年のことながら、夏を過ぎてから年末までは、あっという間のスピードで時が過ぎ去るイメージ。
しかも今年の前半戦を振りかえると、コロナによる規制が解除されたこともあり、JRAの競馬場のみならず、地方の競馬場、またボートレース場にもお邪魔する機会が多く、1週間で日数以上の県に足を運んだ週も。そんなこともあり、周囲からは、「移動疲れとかないの?」「よく、それだけの移動で1度もコロナにならなかったよね…」「ほんと、元気だよね」と、言われるのですが、確かに自分でも驚くほど健康。しかも今年においての仕事終わりは、必ず、その土地土地で飲酒。知らない土地での1人呑みにも慣れ、金沢・姫路・千歳・徳山においては女酒場放浪記状態でした。
この背景には、尊敬する井崎脩五郎先生の、「仕事終わりは呑む」のマインドを受け継いでいるようにも思うのですが、いい意味で、仕事からの解放を意味する儀式のよう。しかも話の内容は、100%くだらないもので、ほぼダジャレか猥談。とにかく呑んで笑って、時折、居眠りも交えて、また呑む。その際、先生が1番嫌うのは、仕事の話。「仕事が終わった後に、仕事の話をするな」と。
若い頃は、私も含め、きっと多くの方が真面目であることが正義で、仕事終わりの飲酒には、正直、後ろめたさや甘えのようなものを感じていた方も少なくはないのではないでしょうか…。
でも、先生を見ていると、物事を長く行う上で大切なことは、どんな状況であれ、自分自身の感情を常に一定に保ち、周囲に迷惑をかけないで終えること。「いい加減」は「良い加減」であり、お酒を呑んでくだらない話で笑う、その「適当さ」が「適度な度合い」。
自分自身の機嫌は自分でしか取ることができず、それが自分にとってもまわりにとっても心身共に健やかに過ごせる要因のように感じます。
そう言えば、数々のGⅠ馬を育てられた厩務員さんが、「レース後、馬運車に乗せる時間の制限はあるのだけど、とにかく馬がストレスを抱えたまま、馬運車に乗せたくない。だから気分が良さそうでスカッとしている時は、ほどよく適度にして、逆にイライラしていると思った時は、少し長めに厩舎まわりを回ったり、違う景色を見せて、フッと気持ちが抜けるように心掛けている」と、上り運動において、馬の精神状態を見ながら強弱をつけられていました。
やはり人間も馬も感情を持った生き物であり、その感情を仕事終わりにどうおさめるか?が、次の仕事に向けても大切になるのかもしれませんね。
もちろん対処法は、お酒に限らずですが(笑)。
それでは皆さん、また来月お目にかかりましょう。
ホソジュンでしたぁ。