ホソジュンのウマなりトーク
1975年愛知県生まれ
JRA初の女性騎手として96年デビュー。
00年には女性騎手初の海外勝利(シンガポール)。
引退後は,ホースコラボレーターとして,フジテレビ「みんなのKEIBA」,U局「土曜ワイド中継」,グリーンチャンネル「トレセンTIME」に出演中。
レース直前の推奨馬の的確さは群を抜いている。
週中は栗東,週末は東京を拠点として活躍する。
最新記事一覧
-
第36回 不動心・安藤勝己騎手の引退~理想とする精神の領域~ 2013.03.15
競馬界にとって2月3月のこの時期は、勇退・引退、そして新たなスタートを切る人々の合否の発表もなされ、別れと出逢い、終止符とスタートと、相反するものが入り混じる特別なシーズン。 そんな中、最も大きな話題と言えば安藤勝己騎手の引退でしょう。地方から中央への門戸を開き、G1勝利22勝、JRA通算勝利数は1111。 偉大な記録はもちろんのこと、物事に動じない達観した精神力や、大舞台で魅せた人馬一体の手綱捌きは、今もなお多くの...
-
第35回 「プライド」って? ~プライドの無い男・浜中騎手とは...~ 2013.02.18
「プライド」という言葉、皆さんはどんな時に使われますか? テレビや小説、もしくは知人との会話でよく耳にするのが、「僕にだってプライドがありますから」とか、「プライドを持って仕事をしていますから」「私のプライドが許さない」「もっとプライドを持てよ」などなど。 これまでのイメージからすると、人間はプライドを持った方がいい、持たないといけない、と教え込まれていた気がします。 しかし実際に辞書で言葉の意味を調べてみると...
-
第34回 みんなで喜び合えたら~顔が見える馬たち、だからこそ~ 2013.01.11
新年、明けましておめでとうございます。皆さんは年末・年始をいかがお過ごしでしたでしょうか? このシーズンは、忘年会にクリスマス、有馬記念におおみそか、そして新年会と、何かにつけて呑む機会が多いですよね~。お酒は、人との垣根を取り除いてくれる魔法の飲み物。 それゆえ知らず知らずのうちに無礼の数々を周囲に働いてしまい、翌日、反省の波が押し寄せることも多々あるのですが、でも逆にお酒の力を借りてこそ、腹を割ってできる本...
-
第33回 「心と心、共に感情を持った生き物同士」~天皇賞の勝利で感じたこと~ 2012.12.19
「動物対動物=心と心」 天皇賞のレース後、エイシンフラッシュを担当されている久保助手の口から発せられたのが、この言葉でした。ダービーを制覇して、勝利から遠ざかっていたエイシンフラッシュ。その背景には、折り合い面の課題がいつもネックとなってしまい、スムーズさを欠く内容に...。そんな愛馬と初コンビを組むことになったデムーロ騎手。彼のとった行動の1つが、馬上だけでなく厩舎にも足を運び、洗い場に繋がれているエイシンフラ...
-
第32回 中身もおばちゃん化してきたのかなぁ...私 2012.11.19
先日、久しぶりに知人に再会しました。かれこれ10年ぐらいになるでしょうか...。とにかく競馬が好きで、レースのこと、血統のことなどなど、馬に関する全てに詳しかったお方。当然、すぐさま競馬の話題になるだろうと思いきや、最近は競馬をしていないとのこと。話を聞けば、金銭的な面や他の趣味ができたということではなく、「ただ単純に、昔みたいな面白みが今の競馬にはないから」と。 掘り下げて聞けば、「以前は個性的な騎手がたくさん存在...
-
第31回 「愛」あってこその人と馬 2012.10.16
今年の秋競馬、前哨戦を振り返ると、春の実績馬たちが順当な勝ち上がりを見せているレースも多く見受けられ、G1戦線が非常に楽しみとなってきました。中でも史上4頭目の牝馬3冠達成がかかるジェンティルドンナが、本番に向けて、不安材料を取り除く形でのレース内容を見せての圧勝振り。偉業に向け、さらに視界良好といった感じとなりました。 3冠牝馬と言えば、つい先日アパパネの引退が発表されました。やはり寂しい気もする一方で、数々...
-
第30回 問題後の対処が肝心 2012.09.14
37歳、自分の年齢を書いてみると、もう大人なんだなぁ~と思うのですが、どこかでその感覚がなく、まだ子供時代の延長線上にいる気分。 ふとなんでだろうと考え、周囲を見渡すと、やはりこの境界線の一つには、自分自身が親となっているか否か?このあたりも私にとって大きく影響しているのかなぁ~と感じます。 もちろん全てではないのですが、少なくとも、子供を育てることで、親の自覚が芽生え、社会性へと発展し、大人としての自覚が、より...
-
第29回 人と馬との歴史の中で~築かれた信頼関係と自由の権利~ 2012.08.17
唐突な話ではあるのですが、私は、よく周囲の人から、「君は自由な人だよね」「自由人だよね」「いいよね、自由で」と言われます。 自由...? 正直、自分自身を客観的に見ることがなかったせいか、もしくは他人と自分を比較して物事を判断する習慣がないのか、その意図することがよく分からないでいました。 しかし今年の夏、2週間にわたるアイルランドの旅で、自由の意味と、自分自身が自由と周囲に判断されるその要因の両方を感じるものとな...
-
第28回 アニマルコミュニケーター~理解してくれるパートナーの存在~ 2012.07.19
日本ではあまり馴染みのない、アニマルコミュニケーターという職業。その名の通り、動物と会話をする人のことなのですが、先日、ある方からアニマルコミュニケーターに関する本をお借りしました。内容は、アメリカを舞台に、犬や猫、馬など、数々の動物たちとの会話を元に、飼い主たちが困っている問題や悩み、疑問に思っていることを解決していくというもの。 その中に競走馬も登場するのですが、不思議なことに、その話、日本でも聞くよなぁ~...
-
第27回 寡黙だからこそ、強い意志があるのかも... 2012.06.15
先月号を書き終えたのが、ちょうど春の天皇賞前。あれから約1ヵ月の間に行われた数々のG1レースでは、様々なことがありましたね。 まずはなんと言っても、春の天皇賞でのオルフェーヴルの大敗。やはりこれまでとは違い、調教再審査を行わなければならない中での調整過程は、人間が感じている以上に、馬にとっては過酷なものだったのかも...。 師もそのあたりを心配し、胃薬を与えながらの調整をしてきたものの、お腹をこわすこともあった様子...