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プロフィール
村本浩平スポーツライター

1972北海道生まれ。
 札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧

  • 第134回 『ブエノスアイレス午後1時 PARTⅡ』 2020.02.19

     ユニクロで買ったエアリズムの上に、白い長袖シャツ、そして薄手のジャケットを羽織る。天気予報によると、日中は30度近くまで気温が上がるらしいが、夜になると一気に冷え込むらしい。外に出るとカラッとした熱気が身体を包み込んだが、夜になればジャケット一枚では寒いと思えるのかもしれない。 日本のほぼ真裏に当たるアルゼンチンに着いてから2日目。ロケ初日の午前中には、「エビータ」の愛称がつけられているエバ・ペロンがバルコニーで...

  • 第133回 『ブエノスアイレス午後1時』 2020.01.21

     顔の表面が油でテカりすぎてくると、フェイスシートでも拭き取れなくなる。トランクの中に入れてあった洗顔フォームでなければ、この幾層にもこびりついた顔の油を落とすことはできないだろう。 羽田国際空港を発ってから約31時間。日本のほぼ真裏、時差で言うとマイナス12時間というアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスのエセイサ国際空港に降り立つことができたのは、現地時間の10月24日の午後1時となる。 逆転しているのは時間だけでは無...

  • 第132回 『3Kからの脱却』 2019.12.17

     先日、知り合いの育成スタッフと話をしていてハッとさせられた。「昔で言うところの半ドン、つまり半休って、お昼の仕事を過ぎてからじゃないですか。でも、6時始業の牧場は10時過ぎで仕事を上がってもいいことになるんですよね」 その気になれば、24時間労働の自由業だけに全く気付かなかったことであったが、厚生労働省が定める労働時間は1日に8時間であり、しかも1週間に40時間を超える労働をさせてはいけないという。 これが全て当ては...

  • 第131回 『馬の鬣』 2019.11.20

    こんな卑劣なことをする奴は、競馬ファンだと名乗って欲しくない。 事の発端は、ヴェルサイユファーム㈱で功労馬として繋養されていた、タイキシャトル(USA)とローズキングダムの鬣が、何者かによって切り取られたことだった。その後も㈲日西牧場ではビワハヤヒデが、AERUでもウイニングチケットが同様の被害に遭っていたことが判明した。 ヴェルサイユファーム㈱とAERUでは、この後に当面の見学中止を発表。㈲日西牧場では年齢面も考慮...

  • 第130回 『予想ではなく、「応援する馬」』 2019.10.17

     今年のJRA北海道シリーズでも、取材の合間を縫って、ビギナーズセミナーの講師、そして札幌開催では「マスターズ・アイ」のお手伝いもさせていただいた。 「ビギナー」と「マスター」で言葉の意味は正反対でも、競馬ファンに向けてのファンサービスであるのは間違いない。 その「ビギナーズセミナー」だが、函館開催、札幌開催ともに例年以上の競馬初心者の方にお越しいただいた。これは競馬場内でイベントスタッフ、そして放送でも呼びかけ...

  • 第129回 『馬力本願プロジェクト PARTⅢ』 2019.09.18

     新ひだか町で「馬力本願プロジェクト」の推進業務にあたる、地域おこし協力隊の活動を行っている糸井郁美さん。その糸井さんが「新ひだかうまキッズ探検隊」というプロジェクトと平行する形で取り組んだ活動が、地域の子供たちが主役となる馬にちなんだ祭りを企画する「さくらうま」だった。 「一年を通しての活動が決まっているうまキッズとは違い、さくらうまは出入り自由な組織にしました。新ひだか町ではゴールデンウィーク期間中にしずない...

  • 第128回 『馬力本願プロジェクト PARTⅡ』 2019.08.16

     新ひだか町で「馬力本願プロジェクト」の推進業務にあたる、地域おこし協力隊の活動を行っている糸井郁美さん。糸井さんは札幌競馬場の乗馬センターで、馬と接する楽しさに気付かされただけでなく、大好きだった乗馬が亡くなるという喪失感も乗り越えながら、馬と人とを繋いでいく仕事を志していく。 乗馬を通した知人と交流を深める中で、日高にも幾度となく足を運んでいた糸井さんだったが、その時に見つけたのが、新ひだか町で募集していた、...

  • 第127回 『馬力本願プロジェクト』 2019.07.18

     パソコンでFacebookを開いたところ、Messageを通してPDFのファイルが届いていた。 送り主は新ひだか町の地域おこし協力隊で、「馬力本願プロジェクト」を運営している糸井郁美さん。そのPDFには「ひだかうまキッズ探検隊」の年間スケジュールが書かれていたのだが、企画内容を見て驚かされた。 第1回は「馬産地の歴史を見に行こう」とのことで、北海道大学静内研究牧場での講義。第2回の「馬を見て・ふれて・知ろう」では、新ひだか町の...

  • 第126回 『ホース・スピークPARTⅡ』 2019.06.19

     前回のコラムで書いていた通りに、今年の2歳馬取材からは「耳立て」ではなく、「耳向け」との気持ちを持ちながら、馬の斜め前へと立ってきた。 では「耳立て」と「耳向け」との違いだが、個人的な感想としては、人が恣意的に馬の顔や耳を向けさせるのが「耳立て」。馬との意思疎通を図りながら、馬が自ら顔や耳の位置を決めてくれるのが「耳向け」だと思う。 これを読んで、そんな理想論があるなら立ち写真に苦労しないよ!と思われている方も...

  • 第125回 『ホース・スピーク』 2019.05.20

     前回、前々回と1月17日から21日まで、横浜赤レンガ倉庫1号館とワールドポーターズで開催された、ホースメッセについて取り上げてきた。 その節は「あぶない刑事」ネタを書き過ぎたと、近藤捜査課長に叱責されるタカとユージのように反省するばかり(まだ引きずっております)。今回もホースメッセを導入としてこのコラムを書き始めた理由とは、そこで発売されていた「ホース・スピーク」という、馬とのコミュニケーション方法が書かれた出版物...

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