南関フリーウェイ
第78回 カジノフォンテン かしわ記念(JpnI)優勝!
2021.05.26
Tweet
5月5日、船橋競馬場で、第33回かしわ記念(JpnI)が行われました。今年も昨年に続いての無観客開催。船橋競馬場では大規模リニューアル工事が進み、パドック周辺や馬場入場の風景なども大きく変わりました。
無観客開催ということで、プレスルームとして開放されたのは、普段はファンエリアとなっているアタリーナ。警備員や除菌をしてくれる従事員の方が常駐し、コロナ対策もバッチリです。もちろん椅子やテーブルの間隔を空けて、「密」を避けての体制でした。
レースはすでにご存知の通り、カジノフォンテン(船橋 山下貴之厩舎)がハナ差で優勝し、地方所属馬にとって、2011年のフリオーソ以来10年ぶりとなる、待望のかしわ記念制覇となりました。
あの日、10年前のかしわ記念は、東日本大震災による影響で3月と4月の2つの開催が中止となった後の地元開催。湧き上がる大歓声の下で、歓喜のウイニングランをしたフリオーソと戸崎圭太騎手の姿は、昨日のことのように鮮やかな記憶です。あれからもう10年なのか、そうか10年間ずっと中央勢が勝っていたんだな、と時の流れを振り返る中、10年という長さが、競馬の勝ち負けで最小値となる「ハナ差」で終わったこともドラマを感じさせました。
ゴールの瞬間、喜びの表情を見せなかった張田昂騎手。撮っている場所によっては僅差の勝負では勝ち馬が分かりづらいことも多いため、カメラマンの間でも「今の(勝ったのは)どっちですかね?」という声もチラホラ。戻って来た張田騎手が、徐々に笑顔を見せ、ガッツポーズで喜びを爆発させると、シャッター音が一斉に鳴り響きました。歓声がない分も、勝者を祝福するかのように。
「いつもなら、あの差だったら(勝ったと)わかるけれど、最後の直線は馬を信じてがむしゃらになっていたのでよく覚えてないです」と語った張田騎手。その言葉からも、ゴール直後に笑顔がなかった理由が分かります。
「今日は皆さんの前で競馬ができたら良いなと思っていたのですが、このようなコロナ禍の中で競馬をやらせてもらっているだけで、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。この馬とこれからも上を目指していくので応援よろしくお願いします。そしてもうひとつ・・・」。そこまで言った後、ひと呼吸置いて、こみ上げる熱い気持ちを堪えるかのように語った次の言葉も印象的でした。
「ここまで来られたのは、いろんなファンの皆さんや、陣営の力があってこそなんですが・・・一皮も二皮もむかせてもらえたのは、厩務員さんのお陰だと思っています。これからも応援よろしくお願します」。
張田騎手が思いを込めてそう語ったカジノフォンテンの担当は、フリオーソも手掛けた波多野敬二厩務員。川崎記念を勝った後に話を伺った際には、フリオーソとの思い出話にも花が咲きました。
例えば、レースの前、装鞍所から勝負は始まっている、パドックでも堂々と歩いて馬が自信を持てるように、相手に対して気後れしないようにしているなど。そして、騎手が騎乗する際にはパドックの中心に馬を移動させる、など。それはカジノフォンテンのレースでも意識しているそう。馬は生きものなのでその時々の対応にも変化が生じると思いますが、そういったことにも目を向けてみると、より深い競馬の世界が見えてくるように思いました。
さて、かしわ記念のレース後、わずかな時間で続々と発信されるニュース。関係者インタビュー終了後のプレスルームには、独特の高揚感が満ちていたように思います。10年ぶりの地方馬の、そして地元船橋の馬の勝利。この先、どんな名勝負を観られるのだろうという期待の高まり。そんな空気の中で各プレスの皆さんが黙々と作業している様子からも、レースが放った熱が伝わってきました。
カジノフォンテンは6月30日の帝王賞(JpnI)を予定しているとのこと。同じ大井で、クビ差での悔しい2着となった昨年末の東京大賞典(GI)から半年。どんな熱戦が繰り広げられるのか、今からワクワクが止まりません。
無観客開催ということで、プレスルームとして開放されたのは、普段はファンエリアとなっているアタリーナ。警備員や除菌をしてくれる従事員の方が常駐し、コロナ対策もバッチリです。もちろん椅子やテーブルの間隔を空けて、「密」を避けての体制でした。
レースはすでにご存知の通り、カジノフォンテン(船橋 山下貴之厩舎)がハナ差で優勝し、地方所属馬にとって、2011年のフリオーソ以来10年ぶりとなる、待望のかしわ記念制覇となりました。
あの日、10年前のかしわ記念は、東日本大震災による影響で3月と4月の2つの開催が中止となった後の地元開催。湧き上がる大歓声の下で、歓喜のウイニングランをしたフリオーソと戸崎圭太騎手の姿は、昨日のことのように鮮やかな記憶です。あれからもう10年なのか、そうか10年間ずっと中央勢が勝っていたんだな、と時の流れを振り返る中、10年という長さが、競馬の勝ち負けで最小値となる「ハナ差」で終わったこともドラマを感じさせました。
ゴールの瞬間、喜びの表情を見せなかった張田昂騎手。撮っている場所によっては僅差の勝負では勝ち馬が分かりづらいことも多いため、カメラマンの間でも「今の(勝ったのは)どっちですかね?」という声もチラホラ。戻って来た張田騎手が、徐々に笑顔を見せ、ガッツポーズで喜びを爆発させると、シャッター音が一斉に鳴り響きました。歓声がない分も、勝者を祝福するかのように。
「いつもなら、あの差だったら(勝ったと)わかるけれど、最後の直線は馬を信じてがむしゃらになっていたのでよく覚えてないです」と語った張田騎手。その言葉からも、ゴール直後に笑顔がなかった理由が分かります。
「今日は皆さんの前で競馬ができたら良いなと思っていたのですが、このようなコロナ禍の中で競馬をやらせてもらっているだけで、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。この馬とこれからも上を目指していくので応援よろしくお願いします。そしてもうひとつ・・・」。そこまで言った後、ひと呼吸置いて、こみ上げる熱い気持ちを堪えるかのように語った次の言葉も印象的でした。
「ここまで来られたのは、いろんなファンの皆さんや、陣営の力があってこそなんですが・・・一皮も二皮もむかせてもらえたのは、厩務員さんのお陰だと思っています。これからも応援よろしくお願します」。
張田騎手が思いを込めてそう語ったカジノフォンテンの担当は、フリオーソも手掛けた波多野敬二厩務員。川崎記念を勝った後に話を伺った際には、フリオーソとの思い出話にも花が咲きました。
例えば、レースの前、装鞍所から勝負は始まっている、パドックでも堂々と歩いて馬が自信を持てるように、相手に対して気後れしないようにしているなど。そして、騎手が騎乗する際にはパドックの中心に馬を移動させる、など。それはカジノフォンテンのレースでも意識しているそう。馬は生きものなのでその時々の対応にも変化が生じると思いますが、そういったことにも目を向けてみると、より深い競馬の世界が見えてくるように思いました。
さて、かしわ記念のレース後、わずかな時間で続々と発信されるニュース。関係者インタビュー終了後のプレスルームには、独特の高揚感が満ちていたように思います。10年ぶりの地方馬の、そして地元船橋の馬の勝利。この先、どんな名勝負を観られるのだろうという期待の高まり。そんな空気の中で各プレスの皆さんが黙々と作業している様子からも、レースが放った熱が伝わってきました。
カジノフォンテンは6月30日の帝王賞(JpnI)を予定しているとのこと。同じ大井で、クビ差での悔しい2着となった昨年末の東京大賞典(GI)から半年。どんな熱戦が繰り広げられるのか、今からワクワクが止まりません。