南関フリーウェイ
第79回 東京ダービー当日。フリーランスが過ごした時間のひとこま
2021.06.25
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6月9日、大井競馬場で第67東京ダービー(SI)が行われました。優勝したのは船橋・林正人厩舎のアランバローズ。1番人気に応え、昨年末に行われた全日本2歳優駿(JpnI)の覇者としてのプライドを感じさせる、堂々の逃げ切り勝ちとなりました。
無観客での開催が続いている南関東競馬ですが、この日だけは「東京23区在住の20歳以上」という条件の下、200人限定の「有観客」での開催となりました。場内に到着したのは9Rのパドックが始まった頃。イルミネーションが鮮やかに光っているのを見て、あれ?無観客の時は点いていたかな、どうだったかな、なんて思っていたりもしましたが、出走馬たちが周回しはじめると、場内の空気が一気にパドックに集中し、独特の緊張感が漂ったあたり、やはりダービーは特別なのだと実感しました。
今回も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規制が設けられる中での取材となりました。通常なら撮れるはずの、例えばレース後に騎手が馬に添える労いの手や、優しい視線など、経験から予測して狙える「ちょっといい感じのシーン」が撮れないのは、なかなかカナシイものがあります。でも、競馬が開催され、取材させていただけるだけもありがたい!今はただただ、それに尽きるという思いです。
制限がある中、優勝馬の肩掛けのレース名、馬や厩務員さん、騎手の表情など、「これだ」と思えるものが揃ったショットも撮ることができました。撮影場所の前が通路になっているため、良い感じ!と思った瞬間に、通行人が・・・ということもしばしば。けれど、殺伐とすることはなく、仲間内では「あちゃー!!!被った(苦笑)」とか「うわぁ!あと1秒ずれていれば・・・」などと言いつつ、それなりに楽しみながら撮っていたりもします。プンスカギスギスな気持で撮った写真は、きっとそういう写真になってしまうと思うのです。何よりも、楽しみながら撮れるのは、優勝関係者から放たれる喜びのオーラが、「今、とても幸せな場面を見ている」という気持ちにさせてくれるからかも知れません。
ところで、取材先で人と会うと、コロナ禍以前よりも「会えて嬉しい気持ち」や「同士感」が増したような気がします。挨拶ひとつもとても大切で、それはもちろんコロナ禍以前からもそうなのですが、今はちょっとした話にも心があたたかくなるというか・・・。少し離れた所から、「お疲れさま!」と声を掛けてもらえたり、手を振ってもらえたりすると、とても嬉しくなってしまいます。
そこで思い出したのが、ロックダウンを経験した国に関するテレビ番組で「今まで挨拶を交わすだけだったお客さんとも親しみを感じる間柄になった」と話していた日用品店の方の言葉。失くしたものも多いけれど、お互いの存在を慮る機会にもなったのかも知れません。コロナが収束しても、そういったあたたかさは忘れずにいたいと思います。
今年の東京ダービーの優勝馬・アランバローズを管理する林正人調教師は、昨年のエメリミットからの連覇。2012年のインサイドザパークと合せて、東京ダービー3勝目となりました。レース後のインタビューで「興奮していて最後の直線の記憶がないんです」と語っていた林調教師。これまで多くの重賞を制して来た師でさえそんな気持ちになるレース。それが'ダービー'なのでしょう。
そういえば、取材に向かう前に嬉しい出来事がありました。無料バスが休止しているため、大井競馬場へは東京モノレールを利用していますが、東京ダービー当日の乗車はちょうど日没時間と重なり、ビル群の向こうに、丸く燃える真っ赤な夕陽を観ることができました。反対側では夕陽に染まるビルの窓がオレンジ色に輝いていて。2021年の東京ダービーといえば、レースと共にあの美しい風景が心に浮かぶのだと思います。昨年のジャパンダートダービー当日はスタンド3階からの夕景も見事で、プレスをはじめ「空がきれいだからここに観に来たよ」という方も多数いらっしゃいました。コロナが収束したら、東京ならではの美しい風景を楽しみつつの競馬観戦もおすすめです。
無観客での開催が続いている南関東競馬ですが、この日だけは「東京23区在住の20歳以上」という条件の下、200人限定の「有観客」での開催となりました。場内に到着したのは9Rのパドックが始まった頃。イルミネーションが鮮やかに光っているのを見て、あれ?無観客の時は点いていたかな、どうだったかな、なんて思っていたりもしましたが、出走馬たちが周回しはじめると、場内の空気が一気にパドックに集中し、独特の緊張感が漂ったあたり、やはりダービーは特別なのだと実感しました。
今回も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規制が設けられる中での取材となりました。通常なら撮れるはずの、例えばレース後に騎手が馬に添える労いの手や、優しい視線など、経験から予測して狙える「ちょっといい感じのシーン」が撮れないのは、なかなかカナシイものがあります。でも、競馬が開催され、取材させていただけるだけもありがたい!今はただただ、それに尽きるという思いです。
制限がある中、優勝馬の肩掛けのレース名、馬や厩務員さん、騎手の表情など、「これだ」と思えるものが揃ったショットも撮ることができました。撮影場所の前が通路になっているため、良い感じ!と思った瞬間に、通行人が・・・ということもしばしば。けれど、殺伐とすることはなく、仲間内では「あちゃー!!!被った(苦笑)」とか「うわぁ!あと1秒ずれていれば・・・」などと言いつつ、それなりに楽しみながら撮っていたりもします。プンスカギスギスな気持で撮った写真は、きっとそういう写真になってしまうと思うのです。何よりも、楽しみながら撮れるのは、優勝関係者から放たれる喜びのオーラが、「今、とても幸せな場面を見ている」という気持ちにさせてくれるからかも知れません。
ところで、取材先で人と会うと、コロナ禍以前よりも「会えて嬉しい気持ち」や「同士感」が増したような気がします。挨拶ひとつもとても大切で、それはもちろんコロナ禍以前からもそうなのですが、今はちょっとした話にも心があたたかくなるというか・・・。少し離れた所から、「お疲れさま!」と声を掛けてもらえたり、手を振ってもらえたりすると、とても嬉しくなってしまいます。
そこで思い出したのが、ロックダウンを経験した国に関するテレビ番組で「今まで挨拶を交わすだけだったお客さんとも親しみを感じる間柄になった」と話していた日用品店の方の言葉。失くしたものも多いけれど、お互いの存在を慮る機会にもなったのかも知れません。コロナが収束しても、そういったあたたかさは忘れずにいたいと思います。
今年の東京ダービーの優勝馬・アランバローズを管理する林正人調教師は、昨年のエメリミットからの連覇。2012年のインサイドザパークと合せて、東京ダービー3勝目となりました。レース後のインタビューで「興奮していて最後の直線の記憶がないんです」と語っていた林調教師。これまで多くの重賞を制して来た師でさえそんな気持ちになるレース。それが'ダービー'なのでしょう。
そういえば、取材に向かう前に嬉しい出来事がありました。無料バスが休止しているため、大井競馬場へは東京モノレールを利用していますが、東京ダービー当日の乗車はちょうど日没時間と重なり、ビル群の向こうに、丸く燃える真っ赤な夕陽を観ることができました。反対側では夕陽に染まるビルの窓がオレンジ色に輝いていて。2021年の東京ダービーといえば、レースと共にあの美しい風景が心に浮かぶのだと思います。昨年のジャパンダートダービー当日はスタンド3階からの夕景も見事で、プレスをはじめ「空がきれいだからここに観に来たよ」という方も多数いらっしゃいました。コロナが収束したら、東京ならではの美しい風景を楽しみつつの競馬観戦もおすすめです。