南関フリーウェイ
第82回 船橋競馬場 受け継ぐ情熱 ハートビートVR
2021.09.27
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突然ですが、ハートビートVRをご存知でしょうか。船橋競馬場の現役騎手・競走馬による迫力いっぱい、ジョッキー目線での映像を楽しめる今話題のVRで、テレビの人気番組で取り上げられたことも。今回はその仕掛け人、千葉県調教師会・騎手会の広報を担当している方から、VR映像を始めたきっかけとそこに込められた熱い思いをたっぷりと伺いました。
2018年に登場したハートビートVR。数々のバージョンアップを重ね、現在では、カジノフォンテン(山下貴之厩舎)やミューチャリー(矢野義幸厩舎)の調教をはじめ、船橋競馬所属ジョッキーによる騎手目線での模擬レース(実況付き!)など、「こんな映像を観られるなんて、船橋ケイバすごい!」と思わずにはいられない仕上がりになっています。
他に類を見ない斬新なVR制作の舞台裏はどうなっているのだろう。どういうきっかけでこの企画がスタートしたのだろう。無観客開催や入場制限が行われているコロナ禍の今、その存在をより多くの皆さんにお伝えできればという思いのもとでお話を伺うと、思いがけない方の名前があがりました。その方の名は、川島正行調教師。今年の9月7日が七回忌でした。
ハートビートVR制作の原点は10年前。2011年の東日本大震災後のチャリティーイベントで川島正行調教師と出会い、交流を深める中で「自分は競走馬に乗れない。それは多くの競馬ファンも同じ。ジョッキー目線で競馬を観たら面白いんじゃないかと思う。なので、ジョッキーにカメラを付けて馬上からの映像を撮らせて欲しい」とお願いしたのが始まりだったとのこと。
現役競走馬を使用しての撮影。そんな未だかつてない依頼を「いいね!うちの馬でやりなさい」と快諾した川島正行調教師。そしてその「うちの馬」として用意されたのが、当時すでに地方競馬を代表する名馬となっていたフリオーソでした。それはまさに「楽しいこと、新しいこと、何よりもファンが喜ぶことをしたい」と常々考えていた川島正行調教師だからこその心意気といえるでしょう。佐藤裕太騎手(当時)にカメラをつけて撮影されたその映像は、現在もYouTubeで視聴可能です。 その後、安全確保を大前提に、はじめは川島イズムを受け継ぐ川島正一調教師やジョッキーたちの協力を得ての撮影を、今では船橋競馬場全体を通じてのプロジェクトへと大きく成長させました。
「当初、主催者側も半信半疑だったようですが、(コロナ禍前の)ららぽーとなどでのイベントでは、長蛇の列ができるほど大好評でした。そういった実績からも価値を判ってもらえたのかと思います。ハートビートVRを通じて競馬とあまり縁がない方にもアプローチできますし、ジョッキーの存在やその仕事内容を知って『自分も騎手になりたい』と思う若い世代が出て来るかも知れない。競馬業界を盛り上げることができるツールになると考えています」とのこと。映像では、スターティングゲート内での馬の動き、馬群の迫力など、競馬ファンなら見てみたいと思うシーンをたっぷりと堪能できます。
「最初はジョッキー目線で競馬を観るという好奇心からでしたが、今ではこの仕事は川島正行調教師から託されたものだと思っています。正行調教師が亡くなる少し前に『これから競馬場を面白くするんだよ』と言われました。携わらせていただいている以上、持っているスキルを馬や騎手、競馬場のために活かしていきたいですね」。
「目には見えないけれど、競馬場の中に灯る想いを伝えたい」と選んだ今回のテーマ。まさか故川島正行調教師のお名前が出るとは思いませんでした。亡くなって7年。今もその精神が大切に、着実に受け継がれているのだと、しみじみと・・・。さらに、おそらく、この記事のアップ日は9月27日頃。9月27日は川島正行調教師のお誕生日です。
「魔法使いのおじさんだからね」「七回忌だし、誕生日もある9月なんだから、アベちゃんしっかり書いてくれよ」と、あの頃の口調で言われたような気もします。なお、YouTubeで「ハートビートVR」と検索すると映像を見つけられますので、ぜひご覧いただければと思います。お伝えしたいことは盛りだくさん。この続きは次回へと引き継ぐことにしましょう。
2018年に登場したハートビートVR。数々のバージョンアップを重ね、現在では、カジノフォンテン(山下貴之厩舎)やミューチャリー(矢野義幸厩舎)の調教をはじめ、船橋競馬所属ジョッキーによる騎手目線での模擬レース(実況付き!)など、「こんな映像を観られるなんて、船橋ケイバすごい!」と思わずにはいられない仕上がりになっています。
他に類を見ない斬新なVR制作の舞台裏はどうなっているのだろう。どういうきっかけでこの企画がスタートしたのだろう。無観客開催や入場制限が行われているコロナ禍の今、その存在をより多くの皆さんにお伝えできればという思いのもとでお話を伺うと、思いがけない方の名前があがりました。その方の名は、川島正行調教師。今年の9月7日が七回忌でした。
ハートビートVR制作の原点は10年前。2011年の東日本大震災後のチャリティーイベントで川島正行調教師と出会い、交流を深める中で「自分は競走馬に乗れない。それは多くの競馬ファンも同じ。ジョッキー目線で競馬を観たら面白いんじゃないかと思う。なので、ジョッキーにカメラを付けて馬上からの映像を撮らせて欲しい」とお願いしたのが始まりだったとのこと。
現役競走馬を使用しての撮影。そんな未だかつてない依頼を「いいね!うちの馬でやりなさい」と快諾した川島正行調教師。そしてその「うちの馬」として用意されたのが、当時すでに地方競馬を代表する名馬となっていたフリオーソでした。それはまさに「楽しいこと、新しいこと、何よりもファンが喜ぶことをしたい」と常々考えていた川島正行調教師だからこその心意気といえるでしょう。佐藤裕太騎手(当時)にカメラをつけて撮影されたその映像は、現在もYouTubeで視聴可能です。 その後、安全確保を大前提に、はじめは川島イズムを受け継ぐ川島正一調教師やジョッキーたちの協力を得ての撮影を、今では船橋競馬場全体を通じてのプロジェクトへと大きく成長させました。
「当初、主催者側も半信半疑だったようですが、(コロナ禍前の)ららぽーとなどでのイベントでは、長蛇の列ができるほど大好評でした。そういった実績からも価値を判ってもらえたのかと思います。ハートビートVRを通じて競馬とあまり縁がない方にもアプローチできますし、ジョッキーの存在やその仕事内容を知って『自分も騎手になりたい』と思う若い世代が出て来るかも知れない。競馬業界を盛り上げることができるツールになると考えています」とのこと。映像では、スターティングゲート内での馬の動き、馬群の迫力など、競馬ファンなら見てみたいと思うシーンをたっぷりと堪能できます。
「最初はジョッキー目線で競馬を観るという好奇心からでしたが、今ではこの仕事は川島正行調教師から託されたものだと思っています。正行調教師が亡くなる少し前に『これから競馬場を面白くするんだよ』と言われました。携わらせていただいている以上、持っているスキルを馬や騎手、競馬場のために活かしていきたいですね」。
「目には見えないけれど、競馬場の中に灯る想いを伝えたい」と選んだ今回のテーマ。まさか故川島正行調教師のお名前が出るとは思いませんでした。亡くなって7年。今もその精神が大切に、着実に受け継がれているのだと、しみじみと・・・。さらに、おそらく、この記事のアップ日は9月27日頃。9月27日は川島正行調教師のお誕生日です。
「魔法使いのおじさんだからね」「七回忌だし、誕生日もある9月なんだから、アベちゃんしっかり書いてくれよ」と、あの頃の口調で言われたような気もします。なお、YouTubeで「ハートビートVR」と検索すると映像を見つけられますので、ぜひご覧いただければと思います。お伝えしたいことは盛りだくさん。この続きは次回へと引き継ぐことにしましょう。