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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第93回 馬産地訪問といえば「競走馬のふるさと案内所」

 今年も早いもので残り4か月となりました。コロナ禍と折り合いを付けて過ごす中で、馬産地旅行を計画されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、初めての馬産地旅行を思い出しながら書いていきたいと思います。

 まだインターネットも普及しておらず、写真もフイルムで撮っていた頃のことです。クラブの会員となり、その出資馬の見学に訪れたのが私の馬産地デビューでした。その頃の情報源といえば、中央競馬の中継や、新聞・雑誌がメイン。地方競馬についての情報は、今よりもずっと少ない時代でした。

 馬産地を訪れたのは9月半ば。道路沿いにたくさんのコスモスが咲いていたのを覚えています。会員としてアポイントを取っていた牧場を訪れ、その後、競走馬のふるさと案内所でスタリオンの見学時間とルールを教えていただき、ワクワクいっぱい、ちょっぴり緊張という雰囲気。大好きな馬がいる放牧地の前に立った時のあの感慨は、今も大切な思い出です。

 思い起こせば、「競走馬のふるさと案内所」の存在を知ったきっかけは、競馬雑誌の夏の特集・牧場見学についての記事だったように思います。

 あの頃、情報や出会いに恵まれて、早い段階から「牧場見学についてのルール」「馬産地で注意すること」の基本を知ることができましたが、普段の暮らしの中では、こういったことを知る機会はほとんどないのでは、と思うこともあります。もしかしたら、馬産地ならではのルールがあることすらも知られずにいるのかも知れません。

 以前、取材で、"競馬を知らないブロガーの皆さん"を競馬場に招待したイベントに参加したことがありました。そこで、「馬もあくびをするんですよ」と言うと、「ええっ!」と驚かれ、その反応にこちらも「ええっ?」となった記憶があります。犬や猫など、家にいる動物なら当然のことが、馬では「ええっ!」となるのだと、そして、今の私が当たり前だと思っていることは、それを知る機会が無い方にとっては、思いもよらないことなのだとその時に学びました。きっと昔の私も、馬のあくびや、まぶしい時に目をしょぼしょぼすることなどは、想像できなかったのではと思います。

 行楽の秋も目前。名馬の逝去もあり、今年こそは憧れの馬の故郷やお墓参りに行ってみたいと思う方もいらっしゃることでしょう。そこでお伝えしたいのは、馬産地ではまず「競走馬のふるさと案内所」(以下 案内所と記述)へ!ということ。

アップ用202208pic.jpg 以前、案内所で伺った中で印象に残っているのは「北海道の場合、広さゆえの移動時間を読む難しさと、牧場ならではの生活時間のサイクル」についてのお話。牧場は早朝から仕事をするため、昼寝の時間があったり、天候や季節で変化する作業があったり。そういった事情も、案内所だからこそ正確に伝わって来るのだと思います。

 また、案内所では、牧場の情報だけではなくお店や観光スポットなど、地元ならではの発信にも大きな魅力を感じました。旅の醍醐味は、現地をよく知る方と話をすること、と何かで耳にしたことがありますが、案内所を利用することで、その時のベストな情報と旅の醍醐味の獲得、その両方が叶うと言えるでしょう。

 初めての馬産地訪問は少し昔のことになりましたが、競走馬の牧場は観光地ではなく、勝手には入れない私有地で、職場であり暮らしの場、見学はご厚意、馬は持ち主がいる"大切な財産"であるということを常に忘れずにいたいと思います。そして、このことを、少しでも多くの「競馬を好きになりはじめた方」が知る機会が増えればとも。

 牧場見学やお墓参りなどは、必ず「競走馬のふるさと案内所」を通すのが馬産地でのルール。ルールを知り、守り、競馬や馬が好きという気持ちが、この先の良い時間として繋がっていきますように。(競走馬のふるさと案内所 (https://uma-furusato.com/))と、書いているうちに、馬産地にある、あのお店の美味しいカレーが食べたくなってきました。行楽の秋と共に、食欲の秋もスタートです。