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北海道馬産地ファイターズ

村本浩平 北海道馬産地ファイターズ

第45回 『うらかわ馬フェスタ』

 6年ぶりに「うらかわ馬フェスタ」に行ってきた。その前に「馬フェスタとはなんぞや?」という読者の方の疑問に答えておかなくてはならないだろう。

 「馬フェスタ」とは、これまで別に行われてきた「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」が一緒になった、浦河町だけでなく、日高を代表する馬の一大イベント。シンザンフェスティバルの名物行事と言えば、TVのニュースなどでも取り上げられる馬上結婚式であり、浦河競馬祭といえば、やはり日高唯一となった草競馬のGⅠレース、シンザングランプリであろう。

 まだシンザンフェスティバルと浦河競馬祭が別の日程で行われていた頃、草競馬の取材で浦河競馬祭を見に来たことがある。その時は草競馬とは思えないほどのレース内容、何よりも出走馬関係者の熱の入れように、ただただ驚かされた。

 その昔は後に羽田盃を勝ったキャニオンロマンが2歳時に出走し、現在でも乗馬となっている元オープン級の馬がこの日のために調整してくるなど、出走してくる馬のレベルもそもそも高い。ちなみに今年のシンザングランプリを制したコートユーフォリアは、現役時に菊花賞出走歴もあるほどの実績を持った馬。このシンザングランプリはダート2500㍍で行われたが、距離経験の差が最後の末脚に現れたとも言えそうだ。

 この浦河競馬祭は、シンザンフェスティバルと同時進行で行われていたこともあってか、両方のイベントを掛け持ちする人の姿も見られた。その中には競馬をやったことの無い方もおられたようだが、浦河競馬祭を隣で見ていた妙齢の女性が、「競馬はやったことがないけど、見ていたら面白いのね」とまるでこちらに聞こえるように話しだしたのだ。

 実は最近、全く同じ言葉を札幌競馬場で講師をやらせていただいている競馬教室で、度々耳にしていた。この競馬教室に参加される方のほとんどが、競馬場に来るのが初めてという人。それどころか、TVでも競馬を見たことがないという人も多い。だが、来賓室から見る競馬の迫力に心を奪われたのか、「競馬を実際に見てみたら、こんなに面白いんですね」と目を輝かせながら話しかけてくるのだ。

 では、なぜ競馬をやったことがない、もしくは競馬を見たことがないのかを尋ねると、そのほとんどの答えが「ギャンブルだから」というものだった。

 競馬は馬券の売り上げで成り立っている産業。それを否定されると、こちらとしてはぐうの音も出なくなってしまうが、それでも応援している馬に対して、単勝や複勝などでその意志を示すということには、それほど抵抗を感じていないらしい。

 そこで草競馬である。競馬とはいえども、そこにあるのはギャンブルとは無縁の世界。ここを競馬の入り口に据えることで、その後、違和感や抵抗感を持たず、馬券を購入してくれることもあるのではないだろうか。

 実際、ディープインパクトブームが起こった頃には、ディープインパクトの馬名が入った単勝を購入した新規のファンが多くいた。残念なことにディープインパクトの引退後は競馬から離れてしまったファンもいるが、その時に競馬の楽しさを知った人ならば、観戦できる機会や場所さえあれば、再び競馬に興味を持ってもらえるはずだ。

 実際、競馬教室の参加者の中にも、以前は馬券を買っていたという方が何名かはおられる。そういった方ほど、この競馬教室では熱心に予想をしている。

 そして競馬への導入は、まず、競馬を見てもらうことが最適なのではないだろうか。その競馬は草競馬でも構わない。現在、日本各地で予選会が行われている、ポニー競馬の「ジョッキーベイビーズ」なんて、その見た目と異なる迫力と相俟って、競馬を見てもらう最高の機会と言えるのではないだろうか。

 実現困難ということを承知でJRA関係者の方にお願いしたいのだが、競馬が開催されていない時期に草競馬を開催してはもらえないだろうか。勿論、馬の準備や防疫など大変なことは承知の上である。それでも競馬をイベントとして見せることによって、本物の競馬を知ろうという人は、必ず出てくるはずだ。