北海道馬産地ファイターズ
第200回 『ゴールデンウイークは千葉へ PART Ⅲ』
5月5日に、千葉県富里市の観光・交流拠点施設の末廣農場を中心に開催された「とみさと未来馬フェスタ」。
そこで、筆者はグリーンチャンネルキャスターの星野涼子さんと共に、様々なイベントの司会を任されたわけだが、そのイベントのゲストが半端なかった。
三部構成で行われたトークショーの第一部には、美浦所属の石神深一騎手、草野太郎騎手、栗東から難波剛健騎手と障害騎手が登場。初顔合わせとなる3人ではあったが、騎手になった経緯だけでなく、今話題のジョッキーカメラを付けている時の心境についても、3人は快く答えてくれた。
トークショーの二部には美浦の田中博康調教師と、美浦の蛯名正義厩舎に所属する渡部貴文調教助手が姿を見せた。渡部助手はこのイベントの運営スタッフとしても忙しく動き回っており、スタッフが着用しているポロシャツ姿でステージへと上がってくれた。
田中調教師とは取材先の牧場やせり会場などで面識はあったものの、顔を合わせての会話が、まさかステージ上になるとは思わなかった。このトークショーだが田中調教師から、将来、ホースマンを目指す子供たちに向けて、メッセージを伝えたいとの思いから企画されていた。
第一部のトークショーと同様に、騎手となった過程だけでなく、調教師を目指した経緯や、どうしたら調教師になれるのかなどを質問させてもらったのだが、田中調教師はその質問の回答に際して、より分かりやすい言葉を用いながら、ステージの前に詰めかけた子供たちに伝えていた。
田中調教師とは競馬学校の同期である渡部助手も、その頃からのエピソードを分かりやすく話してくれた。また渡部助手は乗馬を中心としたYouTubeチャンネルの「おさむとなべ」の運営も行っており、調教助手とユーチューバーの二刀流の活動を行っていると話した時には、子供たちからの視線が尊敬の眼差しに変わったような気がした。
第三部のトークショーは午後からとなったこともあり、会場内を歩いてみる。一般社団法人日本調教師会のブースでは、面識のある美浦の青木孝文調教師が資料を配っていたかと思えば、根岸馬糧株式会社のブースでは、こちらも旧知の仲である根岸雄太代表が、ファンからの飼料に関する質問に答えていた。
多くの子供たちが行列を作っていた、ポニーの手入れ体験には藤沢和雄元調教師がサポートを行っており、末廣農場の施設内では、美浦の鈴木伸尋調教師が馬に関する紙芝居を披露していた。
全てのブースやイベントがメインを張れるというのか、第一回目にしてよくここまでの競馬関係者や企業を集められたものだと、ただただ圧倒されていた。
午後から行われた第三部のトークショーでは、東京スポーツの栗栖歩乃花記者、美浦の土田稔厩舎に所属する原木あかね調教助手、そして星野涼子さんも交えて、競馬産業で働く女性というテーマのもと、それぞれの仕事についてのトークが展開された。
近年は牧場でも女性の姿を見かけるようになったが、競馬産業全体を見渡しても、その数は決して多くは無い。美浦でも原木さんのような女性の調教助手はまだ珍しいらしく、栗栖記者もこのトークショーまでは面識が無かったという。
このトークショーには子供たちだけでなく、年齢を問わずに女性の姿も多く見られていた。競馬に関する仕事は馬に直接携わるだけでなく、栗栖記者や星野さん(そして筆者)のようなマスコミの仕事もある。
他にも性別や年齢を問わない職種もあるだけに、トークショーを聞いてくれていた女性の中から、少しでも競馬産業の仕事に興味を持って就職してくれたらと思えた。
ここで司会業は終わりかと思いきや、イベントの企画者である我妻登鷹さんから、協賛団体から様々なグッズが提供されたので、急遽、ジャンケン大会の司会もしてくれないかと頼まれた。
実は筆者はジャンケン大会で、幾度か最後まで勝ち残ったことがあるほどのエキスパートでもある。会場の空気を読んで出す手を決めるのはお手の物であり、こちらの思い描いたように人数調整が図れていった。
その姿は司会以上に関係者にも好評だったらしく、「来年もジャンケン大会をやりましょう!」との仕事の確約までもらってしまった。
閉会式のあと、何とも言いようがない疲労感に襲われた。この二日間は非常に長かった感もあるが、それも充実した時間を過ごせたからだろう。晴れ渡った空に向かって、「イベントを成功させてくれてありがとう」と天国のシービークインとミスターシービーに感謝の言葉を伝えた。