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北海道馬産地ファイターズ

村本浩平 北海道馬産地ファイターズ

第139回 『新しい仕事様式』

 GⅠシーズンはレース後に電話で感想を語り合ってきた友人が、「この流れに乗って、俺たちもZOOMで競馬観戦してみない?」と誘ってきた。言われるがままにスマホにアプリをダウンロードし、その友達から送られてきたURLを開くと、TVのニュースで見たことがあるZOOMの画面が、そっくりそのまま出てきた。

 時代を先取るニューパワーだ!と興奮しながら、その友人と会話を交わしていくも、途中で会話がままならなくなる。すると、「村もっちゃんの話が聞き取れなかった」と言われたので、滑舌のせいかなと思いきや、どうやらスマホのマイクの指向性と、Wi-Fi環境に問題があるらしい。

 しかも、買ってから3年以上は経っているスマホは、みるみるうちに充電が減っていき、スマホの電源が落ちたことで、人生最初のZOOM体験は強制的に終わりを告げた。これはいかんと思った時、あるクラブ法人の関係者から、「ZOOMを使った募集馬の討論会をしたいのですが...」と思っても無かった仕事の依頼が来た。その申し出に対して、自分のスマホがZOOM配信にあまりにも向いてない、との説明をすると、「ならば、パソコンでのやり取りはどうでしょうか?」と持ちかけられた。仕事で使っているパソコンは、スマホ以上に年季が入っているのだが、一応は顔認証で使えるカメラはついている。しかしながら、動画を送るのに適しているとはとても思えない。ここはWEBカメラを購入せねばなるまい、と思っていたところ、Amazonやヨドバシカメラといったネット通販サイトでは軒並み売り切れか、定価よりもかなり高い値段で販売されていた。「マスクの次はWEBカメラかよ!」と転売ヤーへの怒りが増幅していく中、ちょうど、取材のお土産を買うために「必要緊急」の外出として、札幌駅に隣接した商業施設に立ち寄ったのだが、ダメ元でヨドバシカメラの店舗に連絡したところ、「ちょうど、先ほどキャンセルが出ました!」と思わぬ報告を受け、お土産を購入する前に売り場へと直行。なんと2千円を切るお手頃価格で、自分でも知っているブランドのWEBカメラを手にすることができた。

 仕事の前に友達とのZOOMで起動実験をしたところ、画像も音声もなんら問題は無かった。しかも、有線でパソコンを繋いでいるからか、通信環境も安定している。

 仕事の依頼をくれたクラブ法人の方にも、早速連絡を入れて、「先日、お話をいただいたZOOMでの討論会の件ですが、喜んでやらせてください!」と報告。討論会の前日に行われた通信環境のチェックもあっさりクリアとなり、次の日にはめでたくZOOM初仕事の遂行となった。

 その動画は、このコラムが出る頃にはどこかに上がっていると思われるが、改めて気付かされたのは、これまで距離的に不可能とされていた収録が、こうした機能を使えば可能となること。そして、自宅を含めた場所を選ばずに配信できることにより、移動の手間もかからないだけでなく、準備も楽になる(資料が目の前にある)というメリットも生じてくる。ただ、背景に生活感が醸し出されるという、なかなかのデメリットも生じるのは確かではあるが(笑)。

 ZOOMを使った仕事をさせてもらって、改めてYouTuberが流行っている理由や、それが仕事になる理由も理解できた。YouTubeに上がっている動画も多種多彩で、生活を面白可笑しく切り取る動画やゲームの攻略。そして料理といった生活に役立つ情報や、可愛い動物の映像など、まさに多種多彩と言える。

 競馬のYouTuberも多いだけでなく、最近ではレースの映像を見せずに、出演者のリアクションを楽しむ配信番組も人気を集めているようだ。これも自宅から、あるいは手元で動画を配信できる環境が整ったからだと言えるのだろう。

 2千円を切るWEBカメラを手に入れた自分も、このビックウェーブに乗るしか無い!と思い、この場を借りて、動画の仕事を率先してやります!とアピールさせてもらうことにした(笑)。まあ、冗談はともかくとして、「新しい生活様式」の中で、「新しい仕事様式」を取り入れながら、競馬のために何ができるのか、そしてYouTubeやZOOMといった配信を使った、競馬の新たな見せ方や楽しみ方をどのように提供できるのかについて、自分を含めた関係者が一考する価値は充分にあると思う。今後の状況がどうなるかはまだ、不透明かもしれない。それでも、競馬の楽しみ方として新たな選択肢や発信が増えていくのは、決してマイナスにはならないはずだ。