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第184回 『Road to 東京ダービー』第184回

2024.04.26

 2024年からスタートした、新たなダート三冠レース。JRAを含む全国の3歳馬に門戸を開き、羽田盃(4月24日・大井1800m)、東京ダービー(6月5日・大井2000m)、そしてジャパンダートクラシック(10月2日・大井2000m)。


 第一冠の羽田盃へ向け、最後のトライアルレースとなる京浜盃が終了した。勝ったのはホッカイドウ競馬から大井へ移籍したサントノーレ。好スタートを決め好位を追走、4コーナーで前を行くティントレットとマッシャーブルムを外から捉えると、直線突き放し7馬身差の快勝。2着にJRAのアンモシエラ、3着JRAのハビレ。


 新3歳ダート三冠へ向け地方競馬勢も視界良好!と言いたいところだったが、レース2日後に右前膝の骨折が判明。春シーズンは休養となり、一転混戦模様となった。


 振り返ると、今年の3歳ダート路線の絶対的中心はフォーエバーヤングであった。新馬戦勝利の後、JBC2歳優駿、全日本2歳優駿を快勝。一時は新ダート三冠を目指すプランも期待されたが、3歳初戦はサウジダービーに出走し、粘り込みを図るブックンダンノBook’EM Danno(USA)を僅かに(0.02秒差)交わし快勝。矢作調教師はUAEダービーからケンタッキーダービー挑戦を明言。春二冠の参戦はほぼ消滅した。


 一方地方勢、特に地元大井の期待はダテノショウグンだった。新馬戦から5連勝でハイセイコー記念制覇。2着ライゾマティクスに8馬身の差をつける圧勝だった。年末は休養に当て成長を促し、2月14日の雲取賞から始動する予定だったが、馬房内で左前の蹄を損傷。こちらも少なくとも春の二冠参戦はほぼ見込めない状況となった。


 昨年までなら新たな勢力、特にJRA勢に期待といったところ。昨年までのジャパンダートダービーなら、兵庫チャンピオンシップを勝って臨んだクリソベリルや、同レース2着から参戦したノットゥルノや、ダノンファラオのようなローテーションが期待できた。


 しかし、今年から中央所属馬の出走馬決定方法が定められ、兵庫チャンピオンシップは各ネクストスター競走(重賞級認定競走)に連なる3歳スプリント路線に分けられた。園田1400mという条件は、出走メンバー次第では面白いレースになりそうだ。


 さて、羽田盃に出走するJRA所属馬は、
①京浜盃上位2頭(5着以内)、雲取賞上位2頭(5着以内)。
②京浜盃または雲取賞5着以内で①以外の上位馬。
③収得賞金順
 となっている。つまり雲取賞の1、2着ブルーサン、アマンテビアンコと、京浜盃の2、3着アンモシエラ、ハビレ、以上4頭が優先出走権を獲得したことになる。補欠制度の有無については手元の資料にないが、あればイーグルノワール(収得賞金3,130万円)とシークレットキー(収得賞金900万円)ということになるのだろう。


 そして東京ダービーは、
①羽田盃上位3頭(5着以内)、ユニコーンS上位1頭(2着以内)
②羽田盃5着またはユニコーンS2着以内で①以外の上位馬
③収得賞金順
 となっている。ユニコーンSは今年から京都1900mで行われる。優先1頭だけだが、ワイルドカード的なこの組は侮れないのではないか。


 残る参戦は転入ということになるが、さすがに2016年の東京ダービー馬バルダッサーレのようなパターンは出来ないが、今年はマッシャーブルムが京都の新馬戦を勝った後転入。初戦に準重賞のスターバーストカップ(1着馬に羽田盃の優先出走権)に勝っている。中央所属時に獲得した賞金については、総収得賞金に加算されないため、優先出走権を獲得する必要があるからだ。


 諸々の優先出走権や出走枠については、おそらく今後見直されてゆくものと思われるが、例えばブルーバードカップは中央、地方の出走馬選定方法の表にあるにもかかわらず、出走権利はブルーバードカップ1着馬(地方所属馬に限る)に羽田盃の優先出走権が与えられるだけで、収得賞金加算という目的はあるにせよ、結局雲取賞、京浜盃を使わざるを得ない。トライアルに出るためのジャンプアップレースということなのだろう。


 三冠目のジャパンダートクラシック(JRA馬出走枠7頭)が本当の決定戦であるとは思われるが、「ダービー」と名の付く平地のレースは「日本ダービー」と「東京ダービー」だけである。今年から1着賞金1億円に増額されたが、まだなんとなくしっくりこない感じはする。

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