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第127回 大歓声の中で東京ダービー制覇 ナチュラルライズ

2025.06.25

 6月11日、大井競馬場で第71回 東京ダービー(JpnI)が行われ、ナチュラルライズ(JRA 伊藤圭三厩舎)が横山武史騎手を背に逃げ切り勝ちで優勝。羽田盃(JpnI)に続く二冠目を達成しました。

 「人気になっていたので、まずはホッとしました。距離が1800なら今回のような走りにはならなかったと思います。1コーナーまでの助走(スタンド前の直線)があったので、馬が走りたくてしょうがないという気持ちで先頭に立ちましたね。ジョッキーが臨機応変に乗ってくれました。抑えていたら、折り合いを欠いたままの2番手になってしまいますから。2コーナー過ぎたら少し落ち着いたように見えました。前走はパドックも返し馬も少し気負っている感じがありましたが、今日は伸び伸びしていましたね。羽田盃の後、良いフォームで落ち着いて走る練習をした効果が出たのではと思います。パドックでの歩様からも分かると思いますが、可動域が広くてトモが入って前が出る。そこがすごいなと思います」(伊藤調教師)。

 2着馬に2馬身半の差をつける快勝となったナチュラルライズ。指で二冠の2を示してその走りを讃えた横山騎手はスタンド前でファンに深々と一礼。東京ダービーという歴史ある舞台への敬意と、応援してくれたファンへの感謝が伝わるシーンでした。

 ちなみに、この日は雨上がりの曇り空。しかし、こういった場面はどんなに天候が良くなくても、煌めくオーラを放つものなのですね。

 「勝ててホッとしています。この馬の能力を出し切ることだけを考えていました。馬が精一杯頑張ってくれました。伊藤調教師とはこの馬のリズムを貫いて、それが結果的にハナになってもいいという話はしていました。新馬戦の前の調教に乗せていただいた時から、間違いなく重賞は勝てると思っていました。難しさもありますが、真面目な馬だと思います」と横山騎手。ここでは割愛しましたが、何度も口にしたナチュラルライズへの感謝と称賛の言葉も、横山騎手らしいものでした。

 

 ナチュラルライズの生産牧場は、伊藤調教師の実家でもある新ひだか町のグランド牧場。グランド牧場といえば、2017年の東京ダービー優勝馬ヒガシウィルウイン(船橋 佐藤賢二厩舎)も記憶に新しいところ。ヒガシウィルウインは東京ダービー(SI 当時)に続いて、ジャパンダートダービー(JpnI)も制覇。2017年のNARグランプリ3歳最優秀牡馬と年度代表馬を受賞しました。来年デビューを迎えるヒガシウィルウイン産駒たちと競馬場で会える日も楽しみです。

 ここで今年の東京ダービーを別角度から振り返ってみると、声援の色合いがこれまでとは変わったように感じました。以前はぐっと沸き上がるような、ザーっと降り注ぐような音という印象でしたが、この日はうわーっと押し寄せるようなシャーっと降るような。女性ファンも多く、音階が少し上がったような・・・なんとも表現が難しいのですが。

 どのような感じだったのかと言えば、早々にハナを奪い単騎先頭で逃げるナチュラルライズと横山騎手、それに続く馬群に向けられる歓声を聞いて思わず客席を振り返ったほど。音が高い。強い。スタンドから馬場へ射すように押し寄せる音の迫力がすごい。そして、何より応援する側もキラキラしてる!

 さて、新たなファン層も増え、各競馬場の施設面にも注目が集まる昨今。大井競馬場には5月19日から北門入場ゲート付近に、スターティングゲートを模した新たなフォトスポットが誕生しました。これは大井競馬場が競馬場で初めて「スターティングゲート(発馬機)」を採用した歴史にちなんだものだそう。先日、レース後半の時間帯に行ってみましたが、カラフルにライトアップされた素敵な空間になっていました。北門は東京モノレールの大井競馬場前駅からの入場で利用する方が多いと思いますが、パドックからもそれほど遠くないのでレースの合間などに寄ってみるのもオススメです。

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