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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第4回 南関東競馬3冠牝馬チャームアスリープが繋ぐ夢とロマン

 馬が気持ちに応えてくれる。競馬を見続けていると、そんなシーンに巡り合うことがあります。それは時として、"ミラクル"と言えるほどの、感動的な瞬間だったり・・・。

 3月の船橋開催。冷たい雨が降った初日と2日目から一転し、春の気配の中で行われた開催3日目の2Rで、イントゥレジェンド(父マヤノトップガン 3歳牡馬 佐藤賢二厩舎)が待望の初勝利をあげました。母は南関東競馬唯一の3冠牝馬・チャームアスリープ(父ティンバーカントリー 現役時 佐藤賢二厩舎)。

nf201503pic.jpg                               (初勝利をあげたイントゥレジェンド)

 雄大な馬体が特徴でもあるチャームアスリープの子どもたちですが、イントゥレジェンドも例外ではなく、この日は502キロでの出走。石崎駿騎手を背に後方からレースを進め、4コーナーで外側に持ち出されると、最後ぐいっと伸びてハナ差での先頭ゴール!直線で一旦前をカットされて進路を変える不利がありながらも、ぐっと闘志溢れる走りで激戦を制したことは、今後への大きな糧となりそうです。

 この勝利は、チャームアスリープ産駒の中から現時点で競走馬としてデビューしているローレルアウェイク(父キングヘイロー 牡馬)、パラボリカ(父ゴールドアリュール 牝馬)、そしてこのイントゥレジェンドの3頭全てが勝ち星をあげるという嬉しい勝利でもありました。

 イントゥレジェンドのオーナーは、チャームアスリープのオーナーであり、産駒たちへも我が子そのものの愛情を注いでいる山口圭子オーナー。山口オーナーの周りはいつもたくさんの笑顔が集まる明るい雰囲気!そして、所有馬たちはみな表情豊かでHAPPYオーラに満ちている、そんな印象もあります。

 その中でも、このイントゥレジェンドはズバ抜けた癒し系。距離1200メートルの激しいレースから戻って来た直後でも、じっと立って山口オーナーに鼻を撫でてもらうほどのおっとりぶり。口取り撮影時には息の乱れもなく、「僕、勝っちゃいました」とでも言いたそうな表情を見せていました。馬房でもほんわか、とにかく"ものすごくかわいい仔!"とのことで、血統だけではなく、そんな所も魅力いっぱいと言えそうです。

 山口オーナーの持ち馬といえば、セレン(父マーベラスサンデー)を覚えている方も多いことでしょう。南関東生え抜きとして2009年の京成盃グランドマイラーズ、勝島王冠、2010年には大井記念、東京記念と重賞を制覇。450キロに満たないコンパクトな馬体で南関東重賞の中長距離路線で活躍したセレンは、現在北海道のNo.9ホーストレーニングメソドで種牡馬として暮らしています。

 チャームアスリープの仔・イントゥレジェンドが初勝利をあげたこの日。山口オーナーにとってそれだけでも嬉しい1日ですが、実は"チャームアスリープとセレンの種付けの日"という特別な1日でもありました。なんというミラクル!

 馬たちは時として、競馬の神様と示し合わせたかのように、自分へと真っ直ぐに想いを寄せている人に、絶妙のタイミングでプレゼントを贈ってくれることがある・・・この日はまさにそんなことを思うひとときでした。

 レースの迫力、スピードやスリルももちろん競馬の魅力ですが、人と馬が紡ぎ出すロマンは、気持ちに熱が灯るような不思議な感覚があり、それがあるからこそ今日まで多くの人々が競馬を愛して来たようにも思います。

 「チャームとセレンの仔が誕生すると思うだけでドキドキしちゃいますね。チャームも最近はすっかりお母さんらしくなりました。今年は空胎で仔がいないので、来年産まれて来た仔を一層かわいがってくれるんじゃないかなと思っています。とにかく元気で丈夫な仔が、母仔ともに無事に生まれてくれれば」と山口オーナー。

 南関東競馬の生え抜き同士、唯一の3冠牝馬と不屈の精神を持ち合わせた重賞ウイナーを両親に持つ仔の誕生を、今からドキドキわくわくしながら待つことにしましょう。

 なお、種牡馬1年生のセレンも、自分の仕事を理解して優等生になっているそう。現在、絶賛花嫁募集中です。