南関フリーウェイ
第103回 競馬場で写真を撮ること
2023.06.27
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先日、競馬場でカメラを手にした女性ファンが増えているということが話題になりました。中央・地方両方の競馬場で撮影をしているカメラマンの方々も「最近、ぐっと増えた」とのこと。その言葉を実感したのが5月21日、オークス当日の東京競馬場でした。
色とりどりの花が咲く美しいバラ園。そこには、カメラやスマートフォンを手に、競馬場を楽しむ女性の皆さんの姿があちこちに。アニメファンかな?と思う華やかな衣装をまとった方々も多く、昨今の人気ゲームの影響も伝わってきました。
スマートフォンでもきれいな写真が撮れる時代。もの心着いた頃から「撮影」が身近にあった世代は、'映え'を撮るのが上手い。撮られ方も上手い。オブジェとして飾られた蹄鉄とバラが彩る噴水を前に、キラキラとした笑顔で楽しそうな様子は、競馬場という場所がアミューズメント施設として受け入れられていることを物語っているような印象でした。
仲間同士でワイワイにぎやかに過ごすこと。予想、応援、食事・・・競馬場での楽しみはいろいろありますが、その中でも写真撮影という要素は大きな魅力なのではないでしょうか。なんといっても「馬」はほとんどの場合、身近にはいない存在。市街地で、駅からすぐ近くで、商業地域の隣で、オフィスからほど近い大都会で、あんなにたくさんの馬、ピカピカに磨き上げられた美しいサラブレッドたちを見て、撮影して、それを後で眺めて・・・。普段は身近にはいない生きものに、馴染みのある場所で会える。もしかしたら、競馬場は奇跡の場所なのでは、と思うこともあります。
写真を撮るうえでも、各競馬場にはそれぞれ違った魅力がありますが、例えばリニューアル工事中の浦和競馬場。これまでのパドックのプレスエリアは、晴れた日のメインレースの時間帯には逆光が強く、横から見た角度が取りづらい位置にありました。それでも逆光ゆえのドラマチックさや、正面から向かってくるように見える、光に縁どられた馬体の美しさにほれぼれすることが何度もありました。きりりとした表情の傍らで、ふわふわの耳毛が光を集めていたり、瞳が宝石のような透明感ある色で光っていたり。陽射しを受けた馬具がキラリと小さな光を放つ瞬間を見つけて撮影するのも、浦和ならではの楽しみでした。今後、どんな新しい風景を見られるのか、リニューアル後の浦和競馬場も楽しみです。
馬と人が作り出す競馬ならではのシーンはもちろん、季節や時間によって変化する競馬場の風景も撮っておきたい。そんな気持ちから、大井と川崎では羽田空港から飛び立った飛行機を競馬のシーンに取り入れてみようと、トライしたこともありました・・・が、難しかった。しかし、ぜひ再挑戦したい題材です。
競馬場らしい空の広さも活かしてみたい撮影ポイント。真っ白な雲が沸く夏空を背にした馬、雨上がりの大きな虹の下を歩く馬、夕陽に向かっていくシルエット。周囲の人々とレースの合間に「空、きれいだね」などと会話することもあります。月が昇るのをみつけて、「競馬場と月の写真、撮っておこう」なんて言いながらカメラを向け、月が昇るスピードの速さにちょっと驚いたことも。大井や川崎、船橋では、タイミングが合えば東の空から昇った月と一緒に、レース風景を撮ることもできそうです。
普段は、競馬場の構造上、ファンエリアから見えづらくなっている、プレスなら撮れる角度からの写真撮影を心掛けていますが、ファンエリアならではの、多くの魅力あるシーンも競馬場にはちりばめられているのでしょう。昨今、SNSなどを見て、スタンドやパドックでの素敵な写真にハッとすることがあります。
記録としても貴重な競馬場での写真。今は何気ない1枚の写真が、数年後、10数年後に、「あの名馬の母馬のデビュー戦」「あの種牡馬の初勝利の時のパドック」などという特別な1枚となる日が来る、その1枚が誰かの大切なシーンとなっている・・・。競馬場での写真撮影の深さはまだまだたくさんありそうです。
色とりどりの花が咲く美しいバラ園。そこには、カメラやスマートフォンを手に、競馬場を楽しむ女性の皆さんの姿があちこちに。アニメファンかな?と思う華やかな衣装をまとった方々も多く、昨今の人気ゲームの影響も伝わってきました。
スマートフォンでもきれいな写真が撮れる時代。もの心着いた頃から「撮影」が身近にあった世代は、'映え'を撮るのが上手い。撮られ方も上手い。オブジェとして飾られた蹄鉄とバラが彩る噴水を前に、キラキラとした笑顔で楽しそうな様子は、競馬場という場所がアミューズメント施設として受け入れられていることを物語っているような印象でした。
仲間同士でワイワイにぎやかに過ごすこと。予想、応援、食事・・・競馬場での楽しみはいろいろありますが、その中でも写真撮影という要素は大きな魅力なのではないでしょうか。なんといっても「馬」はほとんどの場合、身近にはいない存在。市街地で、駅からすぐ近くで、商業地域の隣で、オフィスからほど近い大都会で、あんなにたくさんの馬、ピカピカに磨き上げられた美しいサラブレッドたちを見て、撮影して、それを後で眺めて・・・。普段は身近にはいない生きものに、馴染みのある場所で会える。もしかしたら、競馬場は奇跡の場所なのでは、と思うこともあります。
写真を撮るうえでも、各競馬場にはそれぞれ違った魅力がありますが、例えばリニューアル工事中の浦和競馬場。これまでのパドックのプレスエリアは、晴れた日のメインレースの時間帯には逆光が強く、横から見た角度が取りづらい位置にありました。それでも逆光ゆえのドラマチックさや、正面から向かってくるように見える、光に縁どられた馬体の美しさにほれぼれすることが何度もありました。きりりとした表情の傍らで、ふわふわの耳毛が光を集めていたり、瞳が宝石のような透明感ある色で光っていたり。陽射しを受けた馬具がキラリと小さな光を放つ瞬間を見つけて撮影するのも、浦和ならではの楽しみでした。今後、どんな新しい風景を見られるのか、リニューアル後の浦和競馬場も楽しみです。
馬と人が作り出す競馬ならではのシーンはもちろん、季節や時間によって変化する競馬場の風景も撮っておきたい。そんな気持ちから、大井と川崎では羽田空港から飛び立った飛行機を競馬のシーンに取り入れてみようと、トライしたこともありました・・・が、難しかった。しかし、ぜひ再挑戦したい題材です。
競馬場らしい空の広さも活かしてみたい撮影ポイント。真っ白な雲が沸く夏空を背にした馬、雨上がりの大きな虹の下を歩く馬、夕陽に向かっていくシルエット。周囲の人々とレースの合間に「空、きれいだね」などと会話することもあります。月が昇るのをみつけて、「競馬場と月の写真、撮っておこう」なんて言いながらカメラを向け、月が昇るスピードの速さにちょっと驚いたことも。大井や川崎、船橋では、タイミングが合えば東の空から昇った月と一緒に、レース風景を撮ることもできそうです。
普段は、競馬場の構造上、ファンエリアから見えづらくなっている、プレスなら撮れる角度からの写真撮影を心掛けていますが、ファンエリアならではの、多くの魅力あるシーンも競馬場にはちりばめられているのでしょう。昨今、SNSなどを見て、スタンドやパドックでの素敵な写真にハッとすることがあります。
記録としても貴重な競馬場での写真。今は何気ない1枚の写真が、数年後、10数年後に、「あの名馬の母馬のデビュー戦」「あの種牡馬の初勝利の時のパドック」などという特別な1枚となる日が来る、その1枚が誰かの大切なシーンとなっている・・・。競馬場での写真撮影の深さはまだまだたくさんありそうです。