ホソジュンのウマなりトーク
1975年愛知県生まれ
JRA初の女性騎手として96年デビュー。
00年には女性騎手初の海外勝利(シンガポール)。
引退後は,ホースコラボレーターとして,フジテレビ「みんなのKEIBA」,U局「土曜ワイド中継」,グリーンチャンネル「トレセンTIME」に出演中。
レース直前の推奨馬の的確さは群を抜いている。
週中は栗東,週末は東京を拠点として活躍する。
最新記事一覧
-
第176回 今の競馬界に感じること~少し距離を置いて~ 2024.11.18
競馬の騎手を目指したのが中学生の時。高校を卒業と同時に競馬学校へ入学をし、1996年に騎手デビュー。 そして2001年に引退をしました。 6年の短い騎手生活でしたが、私にとってはとても長く感じた年数。 毎日、何かに怯え、泣き、悲壮感漂う日々でしたし、縁故関係のない私が競馬の世界を目指した時から騎手になるための時間に全て注がれていたことを考慮すると12年。 年間3勝を挙げるのが精一杯で、年々騎乗馬を確保する...
-
第175回 人のこころを動かすことば~あ・り・が・と・う~ 2024.10.21
女優の夏木マリさんが、先月NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されていた際、最後のお決まりの質問である、「プロフェッショナルとは?」の問いに、少し考えながら、「ありがとう」と言われる人と定義されていました。 その一言が妙に腑に落ちるというか、シンプルに納得でき、スッと心に入ってきたのです。 と言うのも、毎週フジテレビでご一緒する佐野瑞樹アナも、「僕はアナウンサーの仕事とは、演者さんにオンエア後...
-
第174回 緻密に計算された好騎乗~刺激的なCM撮影現場~ 2024.09.18
気づけば、夏が終わり秋競馬へと突入。 今年の夏も、全国にお邪魔しました。 基本的には滋賀の栗東を拠点に、毎週末、東京経由で福島・新潟競馬場へと足を運ぶスタイルでしたが、週中は浦和・園田・門別の地方競馬にも伺い、ロケや配信、イベントにも参加。 その土地・土地で地元の方と出会い、そして夜は食材とお酒に酔いしれました。また今年の夏は、競馬以外の仕事にも恵まれ、刺激的な現場を体験。 中でも、この10月から...
-
第173回 女性の選択肢の変化~食の大切さ~ 2024.08.22
暑い時期が続きますね。 小学5年生の息子の夏休みも始まり、やることが多い日々に…。 これは世のお母さん方の悩みの1つだと思うのですが、朝・昼・夜の献立&食事作りは、そこそこ大変。 しかもそれに伴い、買い物はもちろんのこと、洗い物に追われ、キッチンに立つ時間が増えます。しかしながら、自分自身のことも含め、食は健全の源。 単に骨や血という体の面だけではなく、腸内細菌も変わり、それが思考力や様々なこと...
-
第172回 ダノンデサイル陣営に見るプロフェッショナル~限りある時間での変化と成長~ 2024.07.18
2024年の上半期の競馬も終わりましたが、今年は、厩舎&騎手共にG1初制覇も見られ、悲願のG1制覇に涙する姿や陣営の抱き合う姿に、レース後に受ける感動も多くあったように思います。 またその一方で、ベテランの采配と技に大きなインパクトを受けたのが、日本ダービーでの横山典弘騎手でした。 皐月賞を取り消した上での日本ダービー制覇。通常という言葉が正しいのかどうか分かりませんが、これまでの感覚からいうと、このローテで...
-
第171回 女性の社会進出~騎手時代の反省をふまえて 2024.06.18
早6月。 2024年も半分が終わろうとしていますね。「年をとると1年が早い」と言われますが、年々、スピードが増している感覚。特に今年は、お酒の席のお呼ばれやコンサート、お祭りに参加させてもらうなど、ありがたいことに様々な業種の方に声をかけていただける機会に恵まれ、仕事にプライベートにバタバタで、気づけば1日、いや1週間、1か月が終わっている月も。 30年前、病みに病んで、1人、騎手の女子寮の部屋で涙を流しなが...
-
第170回 昭和世代が感じる令和の時代~○○○にもほどがある~ 2024.05.21
クラシック戦線も始まり、このコラムが掲載される頃には、東京競馬5週連続G1も始まり、盛り上がりを見せている頃なのでしょう。 桜花賞は国枝厩舎、皐月賞は友道厩舎と、終わってみれば、さすが牝馬の国枝、牡馬の友道と感じさせる結果に。 特に国枝厩舎と言えば、アパパネにアーモンドアイと、3冠牝馬を2頭も輩出。 気性の難しいといわれる牝馬を3冠レース全てに出走させることだけでも容易でなく、しかも3冠のうちの...
-
第169回 メンタル重視の武士沢新教官~子育て・スポーツ理論~ 2024.04.18
早4月。 世間は入学シーズンとなりますが、競馬の世界は一足先に新規騎手のデビュー&調教師の開業がなされ、新たなスタートを切るとともに、反対に長年の職種にピリオドを打ち引退をされる方、また新しい職業へと転身される方も存在します。 騎手の世界で言えば、競馬学校時代の1つ下の期となる武士沢騎手が引退し、この4月から競馬学校の教官になるとのこと。 教官としての今後に向け、「現役生活で安心して騎手をできた時期...
-
第168回 人生半世紀の節目の前に~お酒、税金、保険、理解することで認識変わる~ 2024.03.19
今月で49歳。 同級生たちは50歳ですから、生まれて半世紀ということになります。 人生の折り返し地点も過ぎたことに加え、まわりで移住し始める同世代や、計画をされている方も存在し、私もそろそろ余生をどう過ごすか?漠然とではありますが、考え始めています。もともと子供の頃から両親に、「職業と結婚は自分で選びなさい」と言われ育ってきたこともあり、幼少期時代から、どうやって生計を立てていくか?ばかりを考えていた私。 ...
-
第167回 ターフ・言葉の魔術師たち~思い出される志摩直人さんと競馬中継~ 2024.02.16
昨年でコロナ禍もおさまりを見せ、日常が戻ってきた中で、新しい年の幕開けとなった2024。 新たな年のスタートに、これまで以上に心機一転の気持ちも強まり、災いの少ない1年となることを願った方も少なくないと思います。そのような中、石川県能登地方を中心とした大地震が元旦に起こり、多くの命が失われ、今もなお行方不明の方や日常が戻らない状況…。 あまりにも無情すぎる1年の始まりに、未だに心が重くなります。祈ることしか...