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第1回 2009 Stallions in Japan(Part1)

2009.01.01
 社団法人日本競走馬協会の制作する種牡馬DVD「Stallions in Japan」の2009年版が完成を間近に控えている。

 「種牡馬のビジュアル情報を,同規格でデータベース化し,今までにない情報を多く後世に残すことは,競馬業界のみならず,日本の競馬文化に対して,いささかでも貢献できるのではないかと考えております」(日本競走馬協会ホームページより抜粋)とあるように,「Stallions in Japan」はこれまでデータや写真でしか残っていなかった種牡馬の情報にビジュアル(映像)を加えることによって,記録としての重要性を増しただけでなく,分かりやすさとインパクトという視覚的効果も生み出している。
 同DVDは昨年から制作され,その際にはサイアーランキングの上位100頭のウォークムービーと立ちポーズを収録。また血統表だけではなく,競走成績やブラックタイプも見られるようになっている。

 「昨年制作した2008年版は関係方面からも好評をいただきましたが,当初から単年度で終わるものとは考えてなく,むしろ続けていくことに意味があると思いました。08年に入ってからその内容を見直した上で反省会や会議を開き,09年版に関しては大きく3つの改善点を取り入れました」とは同協会の佐藤忠昭常務理事の言葉である。3つの改善点とは,㈰音声の追加,㈪DVDに付属される資料編冊子の改善,㈫索引の追加である。

 1.音声の追加だが,08年版ではウォーキング映像が流れている時は無音であり,関係者からは「寂しい」という意見が上がっていた。今年からウォーキング映像中にはナレーションが追加され,視覚だけでなく,聴覚からも種牡馬情報を受け取れるようになった。

 2.資料編冊子の改善とは,モニター画面だと小さな文字がにじんで見づらくなる文字情報を補うためにDVDに付属された資料編冊子だったが,血統表と競走成績,ブラックタイプのページが離れてしまっていた。今年,付属されることになる資料編冊子では,全てが一つのページにまとめられている。このことにより目の前の映像を見ながら,同時に資料編冊子を開きながら様々な文字情報が読み取れるようになった。

 3.索引の追加とは,種牡馬のアイウエオ順だった索引に加え,繋養されているスタリオンごとの索引や,血統からの索引も加えたことである。このことによってスタリオンにどの種牡馬が繋養されているかを知ることができるようになっただけでなく,同じ系統を持つ種牡馬の検索も楽になった。

 「ビジュアル化することによって,種牡馬の姿を何度も繰り返して見られるようになります。これまで種牡馬の姿を目にする機会は種牡馬展示会だったり,またはスタリオンのパンフレットでしかありませんでしたが,より見やすいだけでなく動きもあり,また現況の姿を残すこともできます」(同理事)

 驚くべきはこれだけのものが利益目的ではなく,日本競走馬協会と各スタリオンの協力だけで作られているということである。 しかも, 「Stallions in Japan 2008」の映像は同協会のホームページからも見ることができる(ホームページ左上の「競走馬協会について」から「種牡馬DVD制作事業」の先にリンクが伸びている)ので,興味を持たれた方は一度見ていただきたい。

 では,次回は種牡馬情報をビジュアル化することによって生まれる,様々な効果やメリットについて述べてみたい。

(続く)


JBBA NEWS 2009年1月号より転載
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