北海道馬産地ファイターズ
第43回 『こども競馬場新聞』
2012.07.18
Tweet
長く競馬に携わっていると、いろいろな仕事が巡ってくる。本来のライター業をきっかけに、競馬番組のゲスト、はたまた地元FM局のDJまで(多少、盛りました)、まさにマルチタレント化(かなり、言い過ぎました)している中、先日、お世話になっている広告代理店から、思わぬ仕事が舞い込んできた。
その仕事とは、「こども新聞の講師」。一瞬、なんぞやとも思ったのだが話を聞いてみると、この夏のJRA北海道シリーズの函館開催に合わせて、小学生が記者となり、場内の施設紹介や場長、ジョッキーを取材して新聞を作るので、その講師や作成に協力していただけないかという。
初心者向け競馬教室の講師こそあれど、言わば本業?での講師は初めてのこと。しかも相手が小学生というのは、我が子もいない自分には未知数過ぎる機会でもある。
それでもおもしろいことに首を突っ込みたくなる性分が顔を出し、二つ返事で「やりましょう!」と引き受けてしまった。が、いざ打ち合わせをしてみると、思ったより大変であることが分かってきた。
それは新聞という媒体の都合上、決められた文字数で原稿をまとめなくてはいけないのだが、それを小学生に任せるのは困難であるということ。急遽、講師であるはずだった自分はデスク的なポジションも請け負い、小学生がまとめてきた原稿の校正も請け負ってしまった。また、この子ども新聞では、普段、レース写真を撮っているカメラマンの方にも協力していだたけたので、担当分野を記者とカメラマンに分け、手が回らないので、写真の指導はカメラマンの方にお願いした。
新聞作成は5人のチームが2日間に分かれて行われることとなった。取材の前に、今日の取材内容の確認や、紙面を作成する上での注意点を説明。その後、カメラマンと記者のどちらがいいかということで挙手してもらったのだが、圧倒的にカメラマン志望の子供が多くて、文筆業を営むおじさんは悲しくなった。それでもジャンケンで負けた小学生に、半ば強制的にメモと筆記用具を持たせ、「ここだけの話だけど、新聞のメインは記事だぜ!」と声をかけてみたものの、誰もがカメラマン担当となった子供たちの方を、羨ましそうに見つめていた。
それでも一度取材が始まれば、取材をする楽しさにも気付いたようで、自ら率先して色々な場所に足を運んでは、気付いたことに関してメモを取り、競馬場内のお店紹介を作るに当たって、どんなメニューがあるのか聞いてきてごらんと言って送り出した中には、お店の歴史まで聞き出してくる取材力を持ち合わせた小学生もいた。
意外、と言ってしまえば函館競馬場の関係者に失礼かもしれないが、参加したほとんどの小学生が、これまでに何度も両親と一緒に競馬場まで足を運んだことがあるという。しかも、「このスタンドは2年前に改装したばかりだから、色々目新しい施設を探しておいで」と話すと、「前のスタンドは古かったからね」と返して来られた時には驚いた。
さすがに取材してきた内容を、決められた文字数で記事にまとめるのは大変そうではあったが、それでも今日の取材の感想を早めに書き上げた小学生の中から、「写真の説明に使う見出しを考えてごらん」と仕事を進めると、ほんの僅かな時間でいい見出しを書いてくれたり、また、カメラマン担当の小学生たちも、プロ顔負けのアングルでシャッターを切っていたりと、その適応力の高さには驚かされた。この場を借りてだが、取材に協力していただいたお店の皆さん、インタビューで様々な質問に答えてくれた函館競馬場の渡邉淳一場長、藤岡佑介騎手と丸田恭介騎手に、改めて感謝したい。
一日を通して頑張ってくれた小学生たちも、出来上がった新聞を見たときに、また違った感動がこみ上げてきた様子だった。そんな中、新聞を隅から隅まで見渡していた、記者の仕事をメインでやってくれた小学生に、「これでまた、新聞で原稿を書いてみたくなったでしょう?」と聞いてみたところ、「そうでもないかも」との冷たい返しに、今後は子供たちに夢を与えるような執筆者になろうとの思いを強く持った(笑)。
その仕事とは、「こども新聞の講師」。一瞬、なんぞやとも思ったのだが話を聞いてみると、この夏のJRA北海道シリーズの函館開催に合わせて、小学生が記者となり、場内の施設紹介や場長、ジョッキーを取材して新聞を作るので、その講師や作成に協力していただけないかという。
初心者向け競馬教室の講師こそあれど、言わば本業?での講師は初めてのこと。しかも相手が小学生というのは、我が子もいない自分には未知数過ぎる機会でもある。
それでもおもしろいことに首を突っ込みたくなる性分が顔を出し、二つ返事で「やりましょう!」と引き受けてしまった。が、いざ打ち合わせをしてみると、思ったより大変であることが分かってきた。
それは新聞という媒体の都合上、決められた文字数で原稿をまとめなくてはいけないのだが、それを小学生に任せるのは困難であるということ。急遽、講師であるはずだった自分はデスク的なポジションも請け負い、小学生がまとめてきた原稿の校正も請け負ってしまった。また、この子ども新聞では、普段、レース写真を撮っているカメラマンの方にも協力していだたけたので、担当分野を記者とカメラマンに分け、手が回らないので、写真の指導はカメラマンの方にお願いした。
新聞作成は5人のチームが2日間に分かれて行われることとなった。取材の前に、今日の取材内容の確認や、紙面を作成する上での注意点を説明。その後、カメラマンと記者のどちらがいいかということで挙手してもらったのだが、圧倒的にカメラマン志望の子供が多くて、文筆業を営むおじさんは悲しくなった。それでもジャンケンで負けた小学生に、半ば強制的にメモと筆記用具を持たせ、「ここだけの話だけど、新聞のメインは記事だぜ!」と声をかけてみたものの、誰もがカメラマン担当となった子供たちの方を、羨ましそうに見つめていた。
それでも一度取材が始まれば、取材をする楽しさにも気付いたようで、自ら率先して色々な場所に足を運んでは、気付いたことに関してメモを取り、競馬場内のお店紹介を作るに当たって、どんなメニューがあるのか聞いてきてごらんと言って送り出した中には、お店の歴史まで聞き出してくる取材力を持ち合わせた小学生もいた。
意外、と言ってしまえば函館競馬場の関係者に失礼かもしれないが、参加したほとんどの小学生が、これまでに何度も両親と一緒に競馬場まで足を運んだことがあるという。しかも、「このスタンドは2年前に改装したばかりだから、色々目新しい施設を探しておいで」と話すと、「前のスタンドは古かったからね」と返して来られた時には驚いた。
さすがに取材してきた内容を、決められた文字数で記事にまとめるのは大変そうではあったが、それでも今日の取材の感想を早めに書き上げた小学生の中から、「写真の説明に使う見出しを考えてごらん」と仕事を進めると、ほんの僅かな時間でいい見出しを書いてくれたり、また、カメラマン担当の小学生たちも、プロ顔負けのアングルでシャッターを切っていたりと、その適応力の高さには驚かされた。この場を借りてだが、取材に協力していただいたお店の皆さん、インタビューで様々な質問に答えてくれた函館競馬場の渡邉淳一場長、藤岡佑介騎手と丸田恭介騎手に、改めて感謝したい。
一日を通して頑張ってくれた小学生たちも、出来上がった新聞を見たときに、また違った感動がこみ上げてきた様子だった。そんな中、新聞を隅から隅まで見渡していた、記者の仕事をメインでやってくれた小学生に、「これでまた、新聞で原稿を書いてみたくなったでしょう?」と聞いてみたところ、「そうでもないかも」との冷たい返しに、今後は子供たちに夢を与えるような執筆者になろうとの思いを強く持った(笑)。