北海道馬産地ファイターズ
第57回『函館開催とGLAY』
2013.09.19
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第51回のコラムにも書いて危惧をしていた、7月28日、29日に函館市の緑の島で行われたGLAYの野外ライブ「GLAY Special Live 2013 in HAKODATE GLORIOUS MILLION DOLLER NIGHT VOL.1」が、同日に行われていたJRA函館開催(含む宿泊や交通)に与える影響は、自分が想像していたほどでは無かった。
その際には不安を煽るような原稿を書いてしまったこと、そしてこのコラムを読んだばかりに、この両日に函館競馬場へ行くのをためらった競馬関係者の方やファンの方には、心からお詫びしたい。
実はライブと競馬開催の前日となる金曜日、午後7時を過ぎていたにもかかわらず、某インターネットの宿泊サイトでその日の函館の宿をチェックしたところ、7,000円台のビジネスホテルでも空きがあるのを見つけた。しかもライブ当日の28日には、わざと道路が混み合いそうな午前中に、車で札幌の自宅を出たのだが、高速道路もすいすいと走れたどころか、函館市内に入ってからも渋滞はまるで起こっていなかった。それどころかスムーズに駐車場へ入れた函館競馬場には、人がまるで入っていなかった。
聞くところによると、前年との比較では、土曜、日曜ともに前年比で30%ほどしか入場していなかったという。まあ、昨年の当該週は札幌開催の2週目であり、比較の対象にはならないのかもしれないが、それでも前後の週の函館開催より目に見えて入場者の数が少ないのも事実であった。
ここは函館市民(含む競馬ファン)を根こそぎ集めてしまったに違いないライブ会場となった緑の島に近づいてみたものの、それほど時間を要することなく会場前に到着し、近くの埠頭に車を止めて、流れてくる音に耳を澄ましてしまったほどだった。
ちなみにこの時点でも、料金こそ高かったとはいえ、数件のホテルが宿泊可能だったのを確認している。ただ、この後に室蘭地方が大雨のためにJRが運休。ライブが終わって札幌方面に帰るはずだったファンが一気に予約をして、市内のホテルが埋まってしまったことも付け加えておく。
29日もJRの運休は続き、さすがに札幌近郊のファンも車で移動せざるを得ないだろうと思っていたのだが、その日、日高から車で移動してきた知人のライターに話を聞くと、「道路は全く混んでなかったよ」との思わぬ報告。確かに実家から競馬場までの道中も、渋滞らしい渋滞は皆無だった。
この日は朝早く起きて、競馬場に行く前に函館駅から緑の島まで車で散策したのだが、朝市近辺と道すがらにGLAYのTシャツやグッズを身につけたファンこそ見かけたが、少し道を離れると至って静かな日曜日の函館の街で、2日間続けて拍子抜けしてしまった。
この日の函館競馬場は重賞のクイーンSが行われるというのに、相変わらず人の入りは寂しい。ここにGLAYのファンが少しでも来てくれれば...と思っていたその時、先程、函館駅前や緑の島の近辺で見た、GLAYグッズを身につけた4人組が目に入った。
思わず話しかけると、関東近郊からやってきたというその4人のうち1人が競馬ファンであり、GLAYのライブだけでなく、競馬も楽しみにしていて、ライブ前に3人を説得して函館競馬場に足を運んだのだという。
他の3人はこれが初めての競馬観戦だったというが、そのうちの1人は、「ワイドを買ったら馬券が当たりました!」と初めての競馬をとても幸運な形でスタートできたようであった。話を進めていくとそのGLAY兼競馬ファンからは、他にもGLAYグッズを身につけていた人を競馬場で見かけたという情報も聞くことができた。
ライブに駆けつけた5万人の中に、いったい何人の競馬ファン、もしくは競馬に興味を持っていた人がいたかは分からない。ただこの日のクイーンSで、GLAYのナンバーでもある「I'm yours」=アイムユアーズという馬が出走しているということを知っていたのなら、単勝馬券を買い求めるファンで、函館競馬場の入場者はもう少し増えたのではないかという気もしている。
2日間にわたるライブの終了後、ボーカルのTERUはまた4年後にライブを行うことを宣言していた。もし、今回と同じ開催日程なら、函館開催とバッティングしていることは無さそうであり、今回のような宿泊や交通への影響も起こらないだろう。
ただ、5万人もの人間の何割かでも、同じく「ライブ」が行われている函館競馬場に足を向けさせることができず、しかも関係者の競馬場への足止めをしてしまった自分の無力さを感じずにはいられず、ライブでは流れなかった「I'm yours」を口ずさんでいる。
その際には不安を煽るような原稿を書いてしまったこと、そしてこのコラムを読んだばかりに、この両日に函館競馬場へ行くのをためらった競馬関係者の方やファンの方には、心からお詫びしたい。
実はライブと競馬開催の前日となる金曜日、午後7時を過ぎていたにもかかわらず、某インターネットの宿泊サイトでその日の函館の宿をチェックしたところ、7,000円台のビジネスホテルでも空きがあるのを見つけた。しかもライブ当日の28日には、わざと道路が混み合いそうな午前中に、車で札幌の自宅を出たのだが、高速道路もすいすいと走れたどころか、函館市内に入ってからも渋滞はまるで起こっていなかった。それどころかスムーズに駐車場へ入れた函館競馬場には、人がまるで入っていなかった。
聞くところによると、前年との比較では、土曜、日曜ともに前年比で30%ほどしか入場していなかったという。まあ、昨年の当該週は札幌開催の2週目であり、比較の対象にはならないのかもしれないが、それでも前後の週の函館開催より目に見えて入場者の数が少ないのも事実であった。
ここは函館市民(含む競馬ファン)を根こそぎ集めてしまったに違いないライブ会場となった緑の島に近づいてみたものの、それほど時間を要することなく会場前に到着し、近くの埠頭に車を止めて、流れてくる音に耳を澄ましてしまったほどだった。
ちなみにこの時点でも、料金こそ高かったとはいえ、数件のホテルが宿泊可能だったのを確認している。ただ、この後に室蘭地方が大雨のためにJRが運休。ライブが終わって札幌方面に帰るはずだったファンが一気に予約をして、市内のホテルが埋まってしまったことも付け加えておく。
29日もJRの運休は続き、さすがに札幌近郊のファンも車で移動せざるを得ないだろうと思っていたのだが、その日、日高から車で移動してきた知人のライターに話を聞くと、「道路は全く混んでなかったよ」との思わぬ報告。確かに実家から競馬場までの道中も、渋滞らしい渋滞は皆無だった。
この日は朝早く起きて、競馬場に行く前に函館駅から緑の島まで車で散策したのだが、朝市近辺と道すがらにGLAYのTシャツやグッズを身につけたファンこそ見かけたが、少し道を離れると至って静かな日曜日の函館の街で、2日間続けて拍子抜けしてしまった。
この日の函館競馬場は重賞のクイーンSが行われるというのに、相変わらず人の入りは寂しい。ここにGLAYのファンが少しでも来てくれれば...と思っていたその時、先程、函館駅前や緑の島の近辺で見た、GLAYグッズを身につけた4人組が目に入った。
思わず話しかけると、関東近郊からやってきたというその4人のうち1人が競馬ファンであり、GLAYのライブだけでなく、競馬も楽しみにしていて、ライブ前に3人を説得して函館競馬場に足を運んだのだという。
他の3人はこれが初めての競馬観戦だったというが、そのうちの1人は、「ワイドを買ったら馬券が当たりました!」と初めての競馬をとても幸運な形でスタートできたようであった。話を進めていくとそのGLAY兼競馬ファンからは、他にもGLAYグッズを身につけていた人を競馬場で見かけたという情報も聞くことができた。
ライブに駆けつけた5万人の中に、いったい何人の競馬ファン、もしくは競馬に興味を持っていた人がいたかは分からない。ただこの日のクイーンSで、GLAYのナンバーでもある「I'm yours」=アイムユアーズという馬が出走しているということを知っていたのなら、単勝馬券を買い求めるファンで、函館競馬場の入場者はもう少し増えたのではないかという気もしている。
2日間にわたるライブの終了後、ボーカルのTERUはまた4年後にライブを行うことを宣言していた。もし、今回と同じ開催日程なら、函館開催とバッティングしていることは無さそうであり、今回のような宿泊や交通への影響も起こらないだろう。
ただ、5万人もの人間の何割かでも、同じく「ライブ」が行われている函館競馬場に足を向けさせることができず、しかも関係者の競馬場への足止めをしてしまった自分の無力さを感じずにはいられず、ライブでは流れなかった「I'm yours」を口ずさんでいる。