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第96回 『祝・北海道日本ハムファイターズ日本一!』

2016.12.20
 久しぶりに、このコラムタイトルに沿ったテーマを書けることが嬉しくてたまらない。北海道日本ハムファイターズ、球団創設以来3回目、そして10年ぶりの日本一おめでとうございます!
 14歳からのファイターズファンである自分としては、10年前の日本一を札幌ドームで目にした際に、「あと10年はこんな感動を味わえなくてもいい!」と思っていたが、まさか、本当に10年かかるとは思いもしなかった(笑)。それでも10年間で今年を含めて4度のリーグ制覇と、4度のクライマックスシリーズ出場を果たしているように、今やパリーグの常勝チームとなったことが、暗黒の東京時代を知るファンとしては何よりも嬉しい。

 しかも、今シーズンはソフトバンクホークスにつけられていた、11.5ゲーム差をひっくり返しての優勝。そのきっかけとなったのが球団新記録となる15連勝だが、その時でさえネガティヴな東京時代のファンからすると、「あの強いソフトバンクをヒヤヒヤさせて、パリーグを面白くさせてくれればいいな」と思っていたのも事実。それだけにまさか追い付いてマジックが点灯した時も、ここまで来れば上出来!と思っていたし、最後の直接対決を連勝してリーグ制覇に近づいた時にも、まだまだ分からんよ!とまるでソフトバンクファンのような気持ちになっていた。

 その気持ちを一気にファイターズファンへと引き戻してくれたのは投手を含めての大谷翔平選手だった。優勝を決めた西武ライオンズ戦での完封勝利を達成した瞬間には、感動のあまり涙がこぼれてきたし、その後のクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第一戦における圧巻のピッチング、そして日本シリーズ出場を決めた第5戦における、まさかのDHからのクローザー登板という劇的な展開には、思わず笑みがこぼれた。

 日本シリーズでは投手としての力を出し切れたとは言えないが、打者で出場した試合は長打で貢献を続け、日本一を決めた第6戦の8回表、ツーアウト満塁のチャンスで4番中田翔が打席に立った時に、ネクストバッターボックスに姿を見せて、広島バッテリーにプレッシャーを与えた。その作戦が勝ち越しとなった押し出しフォアボールからの、レアードのダメ押し満塁ホームランに繋がった印象がある。

 試合に出場していても、そして出場していなくても、勝利に貢献する大谷選手には凄いと思わされるばかりなのだが、その大谷選手は2015年に「北海道179市町村応援大使」に任命された。同じく応援大使に任命された白村明弘投手と浦河町を訪問し、浦河町乗馬公園では乗馬を体験していた。

 今から思うと、あの大谷選手が浦河に!と驚くばかりなのだが、この時、競馬や馬に興味を持っていたのなら...と考えてしまう。

 そういえば栗山英樹監督も、今年で5シーズン目の采配となりながら、ディープインパクトと初めての対面を果たしたのがニュースとなったように、意外にファイターズ選手と馬産地との接点は少ない。

 もし、このオフシーズンに大谷選手が、ディープインパクトら名馬たちと対面を果たしたのなら、それはまたニュースになるはず。これをお読みの牧場関係者の方、あるいは球団関係者の方が実現させてくれないかと思うばかりである。

 少々話は逸れてしまったが、大谷選手無しにリーグ制覇、そして日本一は果たせなかったはずだ。まあ、投手としては10勝をあげ、打者としても22本塁打を打つ選手が、チームにいるといないとでは大違い。来年も投手と打者「二刀流」での起用がされていくのだろうが、それだけに噂されている、数年後のメジャー移籍が実現してしまう日が、ファンとしては怖くてたまらない。

 この感覚をどこかで感じたなと思っていたら、それは応援していた競走馬の種牡馬入りが、現役中に発表された時と一緒の感覚だった。プロ野球は様々なメジャースポーツの中でも現役で活躍できる期間が長く、ファンも特定の選手を長く応援できることが、チームの安定した人気にも繋がっている。

 しかし、大谷選手のように次のステップが見えてしまっている選手は、これからの登板、そして打席に立つ姿をしっかりと目に焼き付けておかなければとの気持ちが強くなってしまう。勿論、メジャーに移籍してからも試合で活躍する姿は変わらないのだろうが、やはり北海道日本ハムファイターズのユニフォームを着て、チームの勝ちに貢献する姿を見ていたい。

 まあ、そんなセンチメンタルな思いを持ってしまうのも、日本一になったからなのだろう。次にこんな気持ちになるのは来年でいいと、最後に書き記しておこう(笑)。
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