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北海道馬産地ファイターズ

村本浩平 北海道馬産地ファイターズ

第122回 『BNN(馬産地ニュースネットワーク)』

 いきなりだが、これをお読みの皆さんは、「競走馬のふるさと案内所」のホームページをご存じだろうか?

 ページを開くと、まず目に飛び込んでくるのが、「あの名馬は今~馬産地からお届け~」と書かれた画面。その中には「北海道馬産地見学ガイドツアー」のレポートや、NARが行っている世代別牝馬重賞シリーズの「GRANDAME JAPAN」の優勝馬紹介といった、特集ページのコンテンツギャラリーの紹介となっている。

 まだまだ、画面を下にスクロールして欲しい。そこには絞り込みと書かれた右側から、「すべて」「馬産地ニュース」「重賞ウイナーレポート」「馬産地コラム」と表記されおり、その文字の下には主に「馬産地ニュース」や「重賞ウイナーレポート」へのリンク先が載っているかと思うが、今回、注目していただきたいのはここである。

 手前味噌で申し訳無いが、この「馬産地ニュース」や「重賞ウイナーレポート」は、筆者も執筆をさせていただいている。というよりもこのコラムは、筆者の他に数名の執筆者がいるのだが(深い意味は無いのですが、名前は伏せさせていただきます)、まあ、執筆者の皆さん、非常に取材熱心というのか、次から次へと速報性のあるニュースを更新し続けている。

 執筆者である自分も、貴重なニュースソースとして、時間があればページをチェックしているのだが、ある日、カメラマンの方から、「馬産地ニュースを見ていたけど、タイキシャトル(USA)が、ヴェルサイユファームに移動したんだね」とのLINEが入った。驚いてスマホで「ふるさと案内所」のページを開くと、確かにそのニュースが載っていただけでなく、タイキシャトルと同じイーストスタッドで繋養されていたメイショウドトウもまた、11月下旬にヴェルサイユファームに移動していたことを知った。

 ちなみにこの時点で2頭の移動を取り上げた媒体はなかった。思わず、LINEの返信に、「恐るべし、ふるさと案内所!」と送ってしまったのだが、その後に自分も、「馬産地ニュース」や「重賞ウイナーレポート」の執筆者である事実に気付いて、気恥ずかしくもなった。

 この速報性とスクープを可能にしているのは、ひとえに執筆者の勤勉さであり、そして、様々な情報を提供してくれる、牧場関係者の皆さんの協力に他ならない。

 こうしたニュースだが、重要性が高いと判断された際には情報を得た人間から、執筆者の多くにその内容が一斉配信される。それはまさに、BNN(馬産地ニュースネットワーク)と言えよう。

 このBNNが有効に生かされるのは、同じ日の同じ時間、もしくは時間が重なった時にニュースとなる出来事が起こった場合である。

 この時にどうするかというと、取材班をAチームとBチームに分けて、お互いに情報だけでなく、写真も共有。次の日の馬産地ニュースには見事に、2つの記事が何も無かったかのように掲載されているわけだ。

 この時期によくあるのが、新種牡馬のスタッドインであり、繋養先は違うものの、到着したフェリーの時間が一緒だった場合や、同日に違った場所で、生産関係者を対象とした講習会が行われた時などにも、メール上では誰からとも無く、「Aさんは取材場所に行きやすいからこちらで」「では、僕は向こうに行きますね」などのやり取りが交わされる。

 また「重賞ウイナーレポート」では、近年は競馬媒体で滅多に取り上げられなくなった、重賞を制した生産者の声を、ほぼ全ての重賞レースの後に掲載している。執筆者の1人としても、この喜びを誰かに伝えたかったという関係者の思いや、重賞馬たちの意外なバックボーンのいい話を聞く度に「どうして他の媒体は牧場まで取材に来てくれないのか!」と思うこともしばしばある。だからこそ、ニュースとしての貴重性があると言えるのかもしれないが、「馬産地ニュース」も含めて、多くの競馬ファンや競馬関係者にこのページを見てもらいたい!という気持ちは強い。

 1日平均といった正確なアクセス数は分からないが、端末があればいつでも情報が取り出せるようなネット社会だけに、ひょっとしたら自分が思っている以上に、多くのアクセスがあるのかもしれない。

 いつしか、BNNが「馬産地界の共同通信」となり、数年後には世界からも注目を集めるようになった日本生産界の情報を「競走馬のふるさと案内所」発信で送り届ける日が来るのかもしれない...。まあ、それは冗談としても、馬産地から発信される情報を、他の競馬媒体が有効に活用していただく流れができてくれば、これ幸い、という気もしている。