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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第17回 2歳戦は新種牡馬で見る 2009.08.01

     6月20日に中央競馬の2歳戦が始まって,1開催が終了した。計30レース(芝25レース,ダート5レース)が行われ,延べ364頭の若駒が出走した。 勝ち馬第1号は20日に阪神の第4レース(芝1200メートル)に出走したエーシンダックマン(牡,栗東・坂口正則厩舎)だった。9頭立ての6番枠から好スタートを切ると,武豊騎手の手綱に応えて逃げ切り勝ち。2着馬に4馬身差をつける完勝だった。 エーシンダックマンの父は現役時代に快足で鳴らしたサクラバクシンオーだ。...

  • 第16回 日本産馬,世界を駆けめぐる 2009.07.01

     もうニュースとはいえないかもしれない。日本産馬が米国の重賞を制した。 6月13日,ケンタッキー・ダービーの舞台でもあるチャーチルダウンズ競馬場の芝9ハロンで行われたG2ジェファーソンカップSで,牡3歳のフロレンティーノが優勝した。 フロレンティーノは父スウェプトオーヴァーボード(USA),母マストビーラヴド(その父サンデーサイレンス(USA))という血統。北海道安平町のノーザンファームで06年2月8日に生まれた。05年の桜花賞,NHKマイルカッ...

  • 第15回 ゴールデンウイーク 2009.06.01

     今年のゴールデンウイークは「ゴールドアリュール・ウイーク」になった。まるで,この時期に合わせたかのように,ゴールドアリュールの産駒が次から次へと活躍した。 まず頑張ったのがトップカミング(牡3歳,栗東・境直行厩舎)だった。5月2日,東京競馬場で行われたダービートライアル青葉賞に6番人気で出走。いったんは先頭に立つ果敢なレース運びで3着となり,見事にダービーの優先出走権を手にした。 2日後の5月4日はスマートファルコン(牡4歳,栗...

  • 第14回 生き続ける境勝太郎ブランド 2009.05.01

     中央競馬で活躍した境勝太郎・元調教師が亡くなった。 ダービー馬サクラチヨノオー,天皇賞馬サクラユタカオー,サクラチトセオー,サクラローレル,快足馬サクラバクシンオー。「サクラ」を愛し,「サクラ」に愛されたホースマンは,桜花賞が行われた4月12日の早朝,89年の生涯を閉じた。 1920年,北海道で生まれた境さんは,35年に騎手見習になった。翌36年,騎手デビューを果たし,63年まで現役を続けた。騎手時代の主な勝ち鞍には,44年の農商省賞典四歳...

  • 第13回 子宝,宝玉,新馬勝ち 2009.04.01

     3月1日の阪神競馬場でニシノホウギョク(牡3歳,栗東・河内洋厩舎)が新馬勝ちするのを,僕は中山競馬場の記者席にあるモニター画面で見ていた。 「すごいですよね。デユプリシト(USA)の仔がまだ走っているんですから。しかも優勝」。レースが終わって,そう声をかけて来たのは他社の後輩記者だった。ニシノホウギョクはデユプリシトが21歳の時に産んだ牡馬なのだ。 1985年,父Danzig(USA),母Fabulous Fraud(USA)との間に米国で生まれたデユプリシトは...

  • 第12回 ダイワスカーレットの未来 2009.03.01

     ダイワスカーレットの引退が決まった。 2月11日,フェブラリーS出走に向けて,1週前の追い切りを終えたダイワスカーレットの左前脚に異常が見つかった。浅屈腱の炎症だった。すぐにフェブラリーSの回避が決定され,続けてアラブ首長国連邦(UAE)で行われるドバイ・ワールドカップの遠征中止も発表された。 16日,大城敬三オーナー,生産者であり共同オーナーの社台ファーム・吉田照哉代表が会談し,現役引退が決定。18日付で競走馬登録を抹消された。 ...

  • 第11回 形は変わってもSS支配 2009.02.25

     1995年から続いていたサンデーサイレンス(SS)の時代がついに終わった。 13年間,リーディングサイアーの座にあったSSは08年,ランキング7位に終わった。代わって首位に立ったのはSSの息子アグネスタキオンだった。 キャプテントゥーレ(皐月賞),ディープスカイ(NHKマイルカップ,ダービー),リトルアマポーラ(エリザベス女王杯),ダイワスカーレット(有馬記念)と4頭がG15勝を挙げるなど産駒は計129勝を挙げ,33億円あまりの賞金を稼いだ。 2位もSS2世...

  • 第10回 幸せな黄金旅程 2009.01.25

     日本でジャパンカップが行われ,スクリーンヒーローがG1馬の仲間入りを果たした11月30日,シンガポールでも1頭のG1馬が誕生した。日本を離れ,現地で活躍する高岡秀行調教師(52)が育てているエルドラドだ。地元の大レース,シンガポールゴールドカップ(シンガポールG1,芝2200メートル)に出走し,直線で先頭に立つと,2着馬の追い込みを頭差でしのいで初のG1制覇を果たした。エルドラドは日本産。父ステイゴールド,母ホワイトリープ,母の父ホワイトマズル...

  • 第9回 天皇賞のこぼれ話 2008.12.25

     秋の天皇賞はゴール前,ウオッカとダイワスカーレットの壮絶な競り合いになった。1着ウオッカと2着ダイワスカーレットの着差は,わずか2センチ。競馬ファンはいまだに,あのレースから受けた刺激にしびれているようだ。久しぶりに会う友人とは「天皇賞,見た?」が合言葉のようになっている。 歴史的な名勝負と評価される,このレースではいくつかの記録が生み出された。 まずはウオッカの優勝タイムだ。1分57秒2は,シンボリクリスエスが同じく2003年...

  • 第8回 F1と競馬の共通点 2008.11.25

     10月9日から12日まで,静岡・富士スピードウェイで行われたフォーミュラワン(F1)日本グランプリ(GP)の取材に行った。 スポーツ紙に在籍していた時代は,競馬だけを専門に担当していた。しかし一般紙のスポーツ記者になってからは,そうもいかなくなった。サッカー,アメリカンフットボール,セパタクロー,フリースタイルスキー。知識があろうがなかろうが,経験があろうがなかろうが,人手が足りない時はどんなスポーツの取材にも駆り出される。最近は,...

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