第5コーナー ~競馬余話~
2017年の記事一覧
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第81回「ミルコ」 2017.12.18
エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ。京都競馬場で2週続けて、ミルコ・デムーロ騎手(38)の「神騎乗」を目の当たりにした。 スローペースになったエリザベス女王杯では騎乗馬モズカッチャンを先行させ、逃げ込みをはかるクロコスミアをゴール寸前で差し切り、クビ差の勝利を飾った。翌週のマイルチャンピオンシップでは一転して後方待機策。大外18番枠という不利な枠からスタートしたペルシアンナイトを序盤は馬群の後方に置き、最後...
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第80回 「初GⅠ」 2017.11.17
10月15日に京都競馬場で行われた第22回秋華賞は3番人気のディアドラ(牝3歳、栗東・橋田満厩舎)が優勝した。ハービンジャー(GB)産駒が3世代目にして初めてGⅠタイトルを手にした。 桜花賞、オークスに続く3歳牝馬による牝馬3冠の最終戦である秋華賞は、1996年にエリザベス女王杯と分離する形で新設された。京都競馬場の芝2000㍍を舞台にする第22回大会は、新設以来初めて重馬場で行われることになった。 3着にもモズカッチャンが入った...
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第79回 「追加登録」 2017.10.18
9月18日に中山競馬場で行われた第71回朝日杯セントライト記念は2番人気のミッキースワロー(牡3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)が優勝した。2着のアルアイン、3着のサトノクロニクルとともに10月22日に京都競馬場で行われる第78回菊花賞の優先出走権を獲得した。 しかし出走には追加登録が必要だ。ミッキースワローは成長が遅れていたため、3冠レースの第1回と第2回の特別登録を行っていなかったのだ。皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オー...
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第78回 「オグリ」 2017.09.13
新潟競馬場の名物コース、芝の直線1000㍍を使って行われる第17回アイビスサマーダッシュは7月30日にあり、単勝8番人気のラインミーティア(牡7歳、美浦・水野貴広厩舎)が優勝した。7歳馬がデビュー36戦目で重賞レース初制覇を果たした。重賞レースへの出走は2013年3月のファルコンS以来4年4か月ぶり2度目のことだった。 ラインミーティアの体の中に、あのオグリキャップの血が流れていることを知ったのはレースから数日たった後だった...
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第77回 「新境地」 2017.08.22
7月6日に川崎競馬場のダート1600㍍を舞台にして行われた第21回スパーキングレディーカップはアンジュデジール(牝3歳、栗東・昆貢厩舎)が制し、デビュー9戦目で初の重賞タイトルを手にした。この勝利はアンジュデジールの父ディープインパクトにとって、記念すべき「ダート交流重賞初勝利」の1勝となった。 今年で15歳になったディープインパクトは2008年生まれの初年度産駒から2015年生まれ現2歳世代まで、8世代を送り出した。「史上最...
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第76回 「親子」 2017.07.14
第84回東京優駿(日本ダービー)はレイデオロ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝し、父キングカメハメハに続く父子2代制覇を果たした。日本ダービーの父子制覇は、これで11組目となった。 ■カブトヤマ(1933年)=マツミドリ(1947年) ■ミナミホマレ(1942年)=ゴールデンウエーブ(1954年)、ダイゴホマレ(1958年) ■シンボリルドルフ(1984年)=トウカイテイオー(1991年) ■タニノギムレット(2002年)=ウオッカ(2007年) ■ネオ...
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第75回 「魔術」 2017.06.12
4月30日、京都競馬場でキタサンブラックが天皇賞・春を制してから、およそ2時間たったころ、香港・シャティン競馬場で快挙が達成された。日本から遠征したネオリアリズム(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)がクイーンエリザベス2世C(芝2000㍍)で優勝し、GⅠ初制覇を海外で飾った。 クイーンエリザベス2世Cでの日本調教馬の優勝は2002、2003年に2連覇したエイシンプレストン(USA)、2012年のルーラーシップ以来5年ぶり4度目のこととなった...
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第74回 「新記録」 2017.05.17
今年もまた皐月賞のレコードタイムが塗り替えられた。 第77代皐月賞馬に輝いたアルアインがマークしたタイムは1分57秒8。中山競馬場の芝2000㍍コースを平均時速61.120kmで駆け抜けた計算になる。 アルアインが更新した従来の記録は前年の2016年にディーマジェスティがマークした1分57秒9。皐月賞レコードは2年連続で更新された。 中山競馬場の芝2000㍍コースで行われた皐月賞のレコードタイムの変遷を振り返ってみる。 「横濱農林省賞典...
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第73回 「ドバイ」 2017.04.12
ドバイ国際競走が今年も3月25日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場で行われた。日本からは10頭が遠征し、6つのレースに出走した。このうちドバイターフ(芝1800メートル)に出走したヴィブロス(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)が見事に勝利をものにした。 香港をベースに活躍するブラジル人のモレイラ騎手とのコンビで挑んだヴィブロスは13頭立てのレースで後方を進み、最後の直線で末脚を爆発させると、早めに先頭に立ったフラン...
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第72回 「逆襲」 2017.03.14
中央競馬の2017年最初のGⅠレース、第34回フェブラリーSは2番人気のゴールドドリーム(牡4歳、栗東・平田修厩舎)が優勝し、自身初のGⅠタイトルを獲得した。ゴールドドリームは、前走のチャンピオンズCで12着に終わっていた。 前走2けた着順から「復活」のGⅠレース優勝という巻き返しは珍しい。あまり記憶になかったので、改めて調べてみた。対象は2000年以降の平地GⅠだ。(外国調教馬はのぞく)【2000年】 ◎キングヘイロー=フェブラリ...