第5コーナー ~競馬余話~
2020年の記事一覧
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第117回 「相棒」 2020.12.10
11月15日に行われた第45回エリザベス女王杯は1番人気のラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)が優勝し、昨年に続く2連覇を果たした。エリザベス女王杯の2連覇はメジロドーベル(1998、99年)、アドマイヤグルーヴ(2003、04年)、そして英国調教馬スノーフェアリー(2010、11年)に次ぐ史上4頭目の記録だった。 ただし2連覇といっても、今年のエリザベス女王杯は41年ぶりに阪神競馬場で行われており、ラッキーライラックは京都...
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第116回 「開国」 2020.11.13
2020年10月10日、中央競馬で快記録が生まれた。3きょうだいによる同一日勝利だ。 最初に白星を飾ったのは京都競馬第1レースのマルモルーラー(牡2歳、栗東・木原一良厩舎、父ルーラーシップ、母マルモセーラ)だった。ダート1800㍍の2歳未勝利戦。幸英明騎手を背に13頭立ての1番枠からスタートし、道中4番手から最後の競り合いを制した。デビュー2戦目の初ダートで動きが一変した。 これに続いたのがマルモマリア(牝5歳、栗東・木原一...
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第115回 「龍王」 2020.10.12
2020年9月13日、安田隆行調教師(67)が快記録を達成した。達成したのは「同一調教師の1日重賞2勝」だ。中央競馬では史上18度目のことだった。 まず中京競馬場で行われたセントウルSでダノンスマッシュ(牡5歳)が1番人気に応えて快勝すると、その10分後に中山競馬場で行われた京成杯オータムHではトロワゼトワル(牝5歳)がゴール寸前でひと伸びし、ハナ差の接戦を制して昨年に続く2連覇を果たした。 1日重賞2勝を最初に達成したの...
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第114回 「直千」 2020.09.11
「夏の風物詩」アイビスサマーダッシュが2020年7月26日に新潟競馬場の直線芝1000㍍(直千)で行われた。記念すべき20回目のレースを制したのは2番人気の支持を受けたジョーカナチャン(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)だった。手綱を取った菱田裕二騎手はアイビスサマーダッシュ初出場で初優勝、松下調教師は2度目の挑戦で初制覇となった。 創設以来19年間続いていたジンクスは今年も破られることはなく、生き続けた。そのジンクスとは「サンデ...
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第113回 「黒船」 2020.08.11
「芦毛の怪物」と呼ばれたクロフネ(USA)が種牡馬を引退することになった。 1998年3月31日、米国生まれ。22歳である。体調がすぐれず、2019年も種付けをしていなかった。2019年に誕生した38頭が最後の世代になる。今後は功労馬として余生を送るという。 2001年、ダービーが外国産馬に開放された。完全な開放ではなく、出走枠の上限は2頭だった。この年、クロフネは3歳になった。江戸時代末期、日本に開国を迫るため浦賀沖に現れたのがペリー...
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第112回 「同時」 2020.07.10
2020年は競馬界にとって忘れられない年になるかもしれない。 デアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が桜花賞とオークスを制した。コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が皐月賞とダービーで優勝した。3歳の牡牝で同時に春の2冠馬が誕生した。デアリングタクトは4戦4勝。コントレイルは5戦5勝。いずれも無敗での達成となった点も共通している。 ビクトリアカップ→3歳牝馬限定のエリザベス女王杯→秋華賞と牝馬3冠におけ...
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第111回 「59キロ」 2020.06.11
2020年5月2日に京都競馬場で行われた天王山ステークスで17年ぶりの記録が達成された。 4歳以上のオープン馬15頭が出走したダートの1200㍍戦で、サクセスエナジー(牡6歳、栗東・北出成人厩舎)が優勝した。3馬身差の2着で続いたのがシュウジ(牡7歳、栗東・須貝尚介厩舎)である。ともに負担重量59キロを背負っていた。 負担重量59キロの馬が上位を独占したのは、2003年4月27日に京都競馬場で行われた第8回アンタレスステークス(ダー...
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第110回 「孫」 2020.05.14
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、中央競馬は2月29日から無観客で開催を続けてきた。さらに5月31日のダービーまで、この状態を継続することも発表された。無観客が始まって7週目の2020年4月12日、阪神競馬場で第80回桜花賞が行われた。 栄冠をつかんだのはデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だった。最後の直線で1完歩ごとに先行するレシステンシアとの差を詰め、1馬身1/2抜け出したところがゴールだった。 それ...
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第109回 「絆」 2020.04.10
2020年3月7日に阪神競馬場で行われた第27回チューリップ賞は、田辺裕信騎手が騎乗したキズナ産駒のマルターズディオサ(牝、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝した。優先出走権を手に入れ、4月12日に予定されている第80回桜花賞の有力候補の1頭になった。 種牡馬キズナはマルターズディオサなどの現3歳が初年度産駒になる。にもかかわらずマルターズディオサはキズナにとって早くも4頭目の重賞勝ち馬となった。 最初の重賞勝ち馬となったのはビ...
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第108回 「牝馬」 2020.03.11
2020年2月は特別な2月になった。性別を問わないJRAの重賞レースで牝馬が頑張り、好成績を収めたのだ。 2日に京都競馬場で行われた第25回シルクロードステークスでは、18頭立てで3番人気だったアウィルアウェイ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が優勝。2着にも6番人気のエイティーンガール(牝4歳、栗東・飯田祐史厩舎)が食い込んだ。10頭が出走していた牡馬はナランフレグが3着になったのが最高だった。 芝1200㍍で争われるシルクロ...