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第179回 「22年組」

2026.02.12

 2025年12月28日に行われた第70回有馬記念は3番人気のミュージアムマイル(牡3歳、栗東・高柳大輔厩舎)が優勝し、皐月賞との2冠に輝いた。この勝利が評価され、ミュージアムマイルは25年度のJRA賞で最優秀3歳牡馬に選ばれた。記者投票では248票のうち213票を集め、27票のマスカレードボール、8票のクロワデュノールに大きな差をつけた。


 その年の皐月賞馬が同じ年に有馬記念を制したのは史上8頭目だった。1976年のトウショウボーイ、84年のシンボリルドルフ、94年のナリタブライアン、10年のヴィクトワールピサ、11年のオルフェーヴル、12年のゴールドシップ、21年のエフフォーリアに続いた。


 3歳馬の有馬記念優勝はレガレイラに続く2年連続で通算23勝目。20年以降の6年で4勝目となった。


 25年は天皇賞・秋も3歳のマスカレードボールが優勝しており、同一年の天皇賞・秋と有馬記念をともに3歳馬が制する結果となった。


 同様のケースは過去に3度あった。しかし25年とは決定的に中身が違う。過去の3度はシンボリクリスエス(USA)(02年)、エフフォーリア(21年)、イクイノックス(22年)といずれも同一馬の天皇賞・秋、有馬記念連勝だった。今回のように異なる2頭の3歳馬が両レースで優勝するのは史上初めてのケースとなった。22年生まれのレベルの高さを証明しているのかもしれない。


 ところが、よくよく調べてみると、22年組の成績は必ずしも良くはない。3歳馬がJRAの3歳以上の重賞レースでどんな成績を挙げてきたかを調べた。21年以降の過去5年間のデータだ。これによると、18年組がもっとも成績がいいことがわかる。


 3歳だった21年に延べ62頭が3歳以上のJRA重賞に出走し、計11勝を挙げた。勝率は17.7%を記録した。エフフォーリアが天皇賞・秋と有馬記念を制したほか、ピクシーナイトがスプリンターズSで優勝。3歳のうちにGⅠで計3勝を挙げた。その後、ほかの世代との戦いでソングライン(安田記念2勝)、タイトルホルダー(宝塚記念)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、レモンポップ(USA)(チャンピオンズC2勝)、ソウルラッシュ(マイルチャンピオンシップ)という5頭が勝利を飾り、この世代から3歳以上のGⅠ優勝馬7頭が誕生した。


 18年組の次に勝率がいいのは21年組だ。3歳時に3歳以上の重賞で53戦8勝、勝率15.1%をマークした。レガレイラが3歳牝馬として64年ぶりに有馬記念で優勝した。26年に5歳になったばかりで現役を続けている競走馬も多い。4歳以降にジャンタルマンタル(安田記念、マイルチャンピオンシップ)、メイショウタバル(宝塚記念)、レガレイラ(エリザベス女王杯)、ダブルハートボンド(チャンピオンズC)がGⅠタイトルを獲得している。この世代のすごさはJRAの集計には入らない海外での活躍だ。中心はフォーエバーヤングだ。3歳時にGⅠ東京大賞典を制し、4歳になってからサウジC、ブリーダーズCクラシックと世界のダート界で頂点に立った。フォーエバーヤングのほかにもダノンデサイル、アスコリピチェーノ、シンエンペラー(FR)、ビザンチンドリームが国外で重賞制覇を果たしている。


 レベルが高いと思われた22年組だが、3歳時の成績を比較すると過去5年でもっとも低い勝率にとどまっている。年上を相手にJRA重賞を制したのはマピュース(中京記念)、パンジャタワー(キーンランドC)、ルクソールカフェ(USA)(武蔵野S)、テーオーエルビス(USA)(カペラS)とマスカレードボール、ミュージアムマイルの計6勝。勝率は9.2%に終わった。レベルの高い21年組と戦わなければならないために勝率が上がらないものと考えられる。


 年が明けて26年1月4日、中山競馬場では第75回中山金杯が行われた。優勝したのは22年生まれのカラマティアノスだった。5歳の牝馬アンゴラブラックをわずか2センチ差という僅差で破っての初重賞制覇だった。しかし同じ日に行われた第64回京都金杯は5歳のブエナオンダとファーヴェントが1、2着を独占し、1番人気の4歳ランスオブカオスは5着に終わった。22年組の最大のライバルは21年組ということになりそうだ。

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