第5コーナー ~競馬余話~
2024年の記事一覧
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第164回 「帰郷」 2024.11.11
2024年10月6日に京都競馬場で行われた京都大賞典(GⅡ、芝2400㍍)で8番人気のシュヴァリエローズ(牡6歳、栗東・清水久詞厩舎)が優勝した。20年の新潟2歳Sを皮切りに9度目の挑戦で獲得した待望の重賞タイトルとなった。北村友一騎手は13年にヒットザターゲットで優勝して以来2度目、清水調教師も16年にキタサンブラックで制して以来2度目の京都大賞典優勝だった。 シュヴァリエローズは父ディープインパクトという血統だ。ディープ...
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第163回 「神母」 2024.10.11
まったく同じ血統背景を持つ同期のいとこ2頭が秋の初戦で明暗を分けた。そのいとことは、レガレイラ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)とアーバンシック(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)だ。 9月15日に中京競馬場で行われたローズSに出走したレガレイラはオッズ1.7倍の単勝1番人気に支持されたが、追い込み届かず5着に終わり、期待に応えることができなかった。アーバンシックは9月16日に中山競馬場で行われたセントライト記念に臨み、ライバ...
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第162回 「夏馬」 2024.09.11
2024年8月11日は「種牡馬イスラボニータの日」になった。 口火を切ったのは札幌競馬場のプルパレイ(セン5歳、栗東・須貝尚介厩舎)だった。武豊騎手を背にオープン特別のUHB賞(芝1200m)に出走したイスラボニータの息子は好位置を進み、最後の直線で先頭に立つと、猛追するキミワクイーンを抑え、1着でゴールした。3歳の3月にGⅢファルコンS(中京競馬場、芝1400m)を制して以来、2年5か月ぶりの通算4勝目となった。 プルパ...
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第161回 「北賛」 2024.08.13
7月8、9日の両日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた日本競走馬協会(JRHA)主催のセレクトセール2024は今年も盛況のうちに幕を閉じた。セレクトセールには2日間で1歳馬、当歳馬合わせて472頭が上場され、96.4%に当たる455頭が売却された。売上総額は289億1,800万円に達し、4年連続でレコード記録を更新、売却率も過去最高となった。(金額はすべて税抜き) 好調なセールを牽引したのはキタサンブラック産駒だった。1...
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第160回 「3着」 2024.07.11
今年も日本ダービーが終わった。5月26日に東京競馬場で行われた第91回東京優駿(日本ダービー)を制したのは、横山典弘騎手が乗る9番人気の伏兵ダノンデサイル(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)だった。 年明けの京成杯で重賞初制覇を果たしたが、続く皐月賞ではレース直前に右前脚を痛め、不運の競走除外になった。だが、そこから立て直し、鮮やかによみがえった。誰もが出走を夢見る皐月賞で、レース直前に脚の異常を察知し、レースをやめ...
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第159回 「薔薇」 2024.06.12
2024年5月12日に東京競馬場で行われた第19回ヴィクトリアマイルは大波乱の結末となった。優勝したのは15頭立ての14番人気だったテンハッピーローズ(牝6歳、栗東・高柳大輔厩舎)だった。重賞初制覇がGⅠ。単勝の配当は20,860円。中央競馬の平地GⅠで単勝の払い戻しが万馬券になったのは、1984年にグレード制が導入されて以来、7度目だった。 波乱の主役となったテンハッピーローズは父エピファネイア、母フェータルローズ、その父タニノ...
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第158回 「大器」 2024.05.13
3月9日、中山競馬場でアクアマリンSが行われた。藤田菜七子騎手が乗ったオルダージュ(セン8歳、美浦・青木孝文厩舎)は16頭立ての16着に終わった。それでも勝ち馬との差は1秒3だった。 2018年10月にデビューしたオルダージュにとって42戦目のアクアマリンSは中央引退レースになった。1200㍍を中心に短距離戦で活躍し、障害レースにも1度挑戦した。3勝、2着4回、3着7回の成績を残し、6,600万円あまりの賞金を稼いだ。引退に際...
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第157回 「晩成」 2024.04.12
エピファネイア産駒が好調だ。3月11日現在、中央競馬で164頭が252回出走し、このうち21頭が計21勝を挙げた。獲得賞金は5億5,909万3,000円にのぼり、種牡馬別成績ではキズナ、ロードカナロアに次ぐ3位につける。 特に目立つのが重賞での勝負強さだ。1月7日のフェアリーSでイフェイオン(牝3歳)が優勝したのを皮切りに、ダノンデサイル(牡3歳)が京成杯で勝利。ブローザホーン(牡5歳)も日経新春杯を制覇と1月だけで重賞3勝を挙...
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第156回 「伊国」 2024.03.13
2024年2月4日、小倉競馬場で行われた第12レースの「4歳以上1勝クラス」(芝1200㍍)は波乱の結末になった。主役を演じたのは14頭立ての12番人気だったバラードインミラノ(ITY)(牡6歳、美浦・小野次郎厩舎)である。4コーナー最後方から直線一気の追い込みを決めて鮮やかに勝利した。 バラードインミラノは父Danon Ballade(JPN)(ダノンバラード)、母Epica(IRE)というイタリア産馬だ。手元の資料によると、バラードインミラノ...
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第155回 「絆」 2024.02.09
産駒デビュー5年目の種牡馬キズナが2023年の中央競馬で2歳リーディングサイアーに輝いた。これまでは産駒デビューの2019年に3位になったのが最良の成績だった。2020年4位、2021年10位、2022年8位からの鮮やかな巻き返しとなった。 サンデーサイレンス(USA)、ディープインパクトに次ぐ父子3代にわたっての2歳リーディングサイアーは、JBISに記録が残る1974年以降では初めてのケースだ。 2023年のキズナの2歳産駒は重賞勝ちこ...