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プロフィール
村本浩平スポーツライター

1972北海道生まれ。
 札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧

  • 第154回 『日本で最も新しい競馬場 PARTⅡ』 2021.10.19

     そう話している間にも、門別草ばん馬競馬場(仮称)の駐車場には、次から次へと車が入ってくる。その中には、近くのセブンイレブンへ昼食を買いに来たという牧場スタッフや、日高道の門別ICを使って、家族と共に買い物に行こうと思っていたと話す、知り合いの厩舎長の姿もあった。 いずれも競馬業界に身を置くホースマンたちながらも、草ばん馬を見るのはこれが初めてだったらしく、草ばん馬ならではのスピード感に圧倒されたとの言葉も聞こえ...

  • 第153回 『日本で最も新しい競馬場 PARTⅠ』 2021.09.17

     末広がりの数字が揃った8月8日。日高道の日高門別ICを降りてから車で2分、セブンイレブン日高門別インター店からでも徒歩2分という、非常に利便性のいい立地に、日本で最も新しい競馬場が開場した。 勿論、その競馬場では馬券を売っているわけではない。U字型の全長200㍍のコースで行われているのは、ばん馬競技大会。いわゆる「草ばん馬」である。 日本で最も草ばん馬を取り上げているコラム(あくまで個人の感想です)である北海道馬産...

  • 第152回 『馬に乗らないホースマン PARTⅡ』 2021.08.18

     馬に乗れなくとも、ホースマンとしての仕事は色々とある。それは繁殖スタッフとしての仕事は勿論のこと、近年では中期育成(イヤリング)における管理も重要視されている。 また、ホースマンとしての経験を生かした上での事務職や営業職は、調教師や馬主とのコミュニケーションを取るに当たり、欠かせない人材ともなっていく。勿論、興味があるのならば、自分の様なライターや、カメラマンを目指してもいい。 BTCの教務課の方に、「馬の仕事...

  • 第151回 『馬に乗らないホースマン PARTⅠ』 2021.07.16

     先日、「優駿」の取材で、今年で創立30周年を迎えた軽種馬育成調教センター(以下、BTC)の取材に行ってきた。 30年前となると筆者は18歳。当時は競馬の「け」の字も知らない年頃であり(まったくの嘘)、BTCという言葉を初めて知ったのは、大学卒業後に勤務していた育成牧場に、BTCの育成調教技術者研修を終えた騎乗スタッフが勤務していたことだった。 全く馬など触ったことが無い自分に対して、懇切丁寧に手入れのやり方などを教え...

  • 第150回 『ウマ娘、初めて見ました PARTⅡ』 2021.06.21

     名馬を擬人化するメリットが、馬の名前よりも先にキャラクターが入ってくることであり、そのキャラクターを通して、名馬を深く知ろうとする試みも「ウマ娘 プリティーダービー」はフォローしている。 その1つがウマ娘の活躍や、ガチャを引いたカードによって公開されていく、ストーリーの存在だ。このストーリーが良くできているというのか、モデルとなった馬のエピソードも盛り込みながら、ウマ娘の魅力も表現されている。 当初はガチャ(ウマ...

  • 第149回 『ウマ娘、初めて見ました PARTⅠ』 2021.05.19

     生まれてこの方、スマホゲームだけはやるものかと思ってきた。一度、アプリを起動してしまうと、貴重なバッテリーだけでなく、月末の速度低下に繋がるギガ数を奪われてしまう。しかも、ハマってしまったが最後、課金でお金をむしり取られる。 馬券が当たらず、ただでさえお金が無くなっていくというのに、課金なんてとんでもない。それでも、さすがにこのスマホゲームの存在は無視できなくなってきた。 株式会社Cygamesから今年の2月24日より配...

  • 第148回 『いつかは悲しくなるのだろうけど』 2021.04.19

     数年前、静内へ取材に向かう道中、朝食を買うために新冠のセブンイレブンへと立ち寄った。自動ドアが開いた時、即座に長身の男性が視界に入ってきた。そこには、せり市場のパレードリンク、そして競馬場のパドックで、少しだけ視線を上に向けたのなら、その姿をすぐに探し出せる岡田繁幸さんが、サラダを片手にレジへと並んでいた。 この業界で岡田さんほど、声をかけやすい人はいない。いつも、快活な笑顔を返してくれるだけでなく、こちらが何...

  • 第147回 『無所属のフリーライター』 2021.03.19

     そういえば、年明けに優駿編集部から届けられる取材用のパスが、まだ手元にないことに気づいた。 いつもパスを送ってくれている、優駿編集部の道産子編集者に話を聞くと、JRAの報道にパスの申請は出しているとのこと。だが、年末から年始にかけての、新型コロナウイルス感染者の大幅な増加を受けて、JRA(含む優駿編集部)では、テレワークで業務を行っている職員も多くなっているのも原因らしい。てっきり、「ウチの名を借りて、好き勝手...

  • 第146回 『沢村忠と五木ひろしとダービー』 2021.02.19

     昔から本を読むのは速いほうだった。ページ数にもよるが、調子が良ければ単行本を1~2時間で読破できる。以前に「修行」という名目で、図書館から1日に3冊の本を借りて、その日のうちに読破。次の日には返すというサイクルを、一か月程続けたことがある。 それでもこの本は手強かった。著者である細田昌志氏が、執筆を思い立ってから約10年にもわたる緻密な取材を続け、昨年の10月に上梓された、『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモータ...

  • 第145回 『ダービースタリオン』 2021.01.15

     4年目にして破産をした。原因は分かっている。初期牝馬にそれなりのネームバリューのある種牡馬を配合したのだが、産まれてきた牡馬は体質が弱く、ほぼレースに出走できないまま、未勝利で引退。 兄の無念を晴らすかのように、オープンまで上り詰めようとしていた弟は、デビュー前に脚元が強いというコメントが聞かれたにもかかわらず、調教中に屈腱炎を発症し、その後の成績も振るわなくなった。 その後、インブリードを狙って配合された生産...

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