北海道馬産地ファイターズ
第74回 『競馬中継と競馬番組 PART2』
2015.02.19
Tweet
昨年から「競馬番組」への作り込みを図ったホッカイドウ競馬の競馬中継だが、この際、視聴のターゲットとなるのは、インターネットやCSなどを見ている競馬ファンとなる。それにはホッカイドウ競馬では、場外の馬券売り上げのシェアが大きいことも関係していた。
昨年からホッカイドウ競馬でも導入されたトリプル馬単の予想コーナーでは、解説者の予想を番組内でコーナー化。ホッカイドウ競馬の出走馬情報が乏しい視聴者にも、馬券を買いやすくなる情報を提供した。そして多くの視聴者が注目するブリーダーズゴールドカップの日と、年内最後を飾る道営記念の日には、屋外からの中継も実施。場内の盛り上がりを、場外の競馬ファンにも届けた。
3年前からホッカイドウ競馬の実況を務め、昨年から制作にも深く関わるようになった、グリーンチャンネルキャスターの坂田博昭さんは、新たな取り組みを図った理由を説明、昨年の開催を振り返る。
「新たに始めたことに関しては、これまでの中継で『やらなければいけなかったこと』だとも思っています。そのためには中継用のカメラ、そして予算などが必要となりましたが、力をお貸しいただいた関係者の方には、本当に感謝したいですね」(坂田さん)
力を貸してくれたという意味で坂田さんは、レース後の動画配信用のインタビューに応じてくれた、騎手や調教師への感謝も口にする。「ホッカイドウ競馬に所属するジョッキーや調教師の皆様は、概ね撮影に関しては好意的に対応してくださいました。インタビューではアスリートならではの、興味深い話も改めて聞かせてもらいました」(坂田さん)
メインレースの後、時には最終レースの後に行われるインタビューに、自分も同席させてもらったことがある。決められた文字数の中で文章を書くライターとしては、対象者の必要最低限の言葉が聞き出せればと思いながら話を聞かせてもらっているのだが、坂田さんはレースの回顧だけでなく、その騎手や調教師のバックボーンまでも質問に加えながら、深く突っ込んだ話を引き出していた。
その光景を見て、より深く騎手に興味を惹かれたのは自分だけでなく、インターネットでこのインタビューを見ていた視聴者も一緒だったことだろう。動画で取り上げられた取材対象者に興味が沸き、次にホッカイドウ競馬の馬券を購入するときには、その騎手の騎乗馬もしくは調教師の管理馬を予想に加えたくなったに違いない。「ホッカイドウ競馬を皆様に知っていただき、そして開催を今まで以上に盛り上げていく要素は、身近にあったというだけです。昨年、自分たちが取り組んだのは、それを多くの方に知ってもらえる形作りをした、ということなのかもしれません」(坂田さん)
しかし、坂田さんは「新たな取り組み」が本当に始められるのは、今年からだとも話す。「現在は場内向けの案内放送と中継番組とが混在している状態です。ここを視聴者の方に見ていただいても違和感の無いように整理しなくてはいけません。また市町村や団体の協賛レースの原稿や、番組に出演していただくゲストの台本に関しても、競馬場から発信する内容として、恥ずかしくないものにする必要があります。そのためにはまだ『変化』しなくてはならなく、様々な人の力も借りる必要もあると感じています」(坂田さん)
ちなみに昨年のホッカイドウ競馬の開催中における坂田さんのスケジュールだが、グリーンチャンネル出演中の週末に、開催番組とレーススケジュールの下調べを行い、放送の構成表を作成。それと平行する形で、中継で使用するフリップや、写真の撮影といったコンテンツも制作していく。
「3日間開催の時には、火曜日の朝に門別へ移動して放送を行い、金曜日の午前中には当該週の開催における内容や反省点などを記した日報などを作成して、東京へ戻っていました。せっかく馬産地で仕事をさせていただいたのにもかかわらず、馬や仕事をしている方との接する時間が取れなかったことは、今から振り返っても勿体なかったというか、申し訳無い気持ちで一杯です」(坂田さん)
だが、それも坂田さんがホッカイドウ競馬の競馬中継を「競馬番組」に変えていくために、開催期間中の約7ヵ月間を、とてもストイックな姿勢で取り組んできたからとも言える。
昨年、ホッカイドウ競馬は、前年比112.1%となる157億670万円の売り上げを記録。だが、坂田さんはこの現状を良しとはしていない。「ホッカイドウ競馬、競馬中継共に、大切なのはこれからだと思います。そのためには自分の努力と、そして周囲の皆さんの応援がまだまだ必要だと感じています」(坂田さん)
今年、門別競馬場に行った時に、スマートフォンでも中継をチェックすれば、よりホッカイドウ競馬を楽しめそうな気がしてきた。
昨年からホッカイドウ競馬でも導入されたトリプル馬単の予想コーナーでは、解説者の予想を番組内でコーナー化。ホッカイドウ競馬の出走馬情報が乏しい視聴者にも、馬券を買いやすくなる情報を提供した。そして多くの視聴者が注目するブリーダーズゴールドカップの日と、年内最後を飾る道営記念の日には、屋外からの中継も実施。場内の盛り上がりを、場外の競馬ファンにも届けた。
3年前からホッカイドウ競馬の実況を務め、昨年から制作にも深く関わるようになった、グリーンチャンネルキャスターの坂田博昭さんは、新たな取り組みを図った理由を説明、昨年の開催を振り返る。
「新たに始めたことに関しては、これまでの中継で『やらなければいけなかったこと』だとも思っています。そのためには中継用のカメラ、そして予算などが必要となりましたが、力をお貸しいただいた関係者の方には、本当に感謝したいですね」(坂田さん)
力を貸してくれたという意味で坂田さんは、レース後の動画配信用のインタビューに応じてくれた、騎手や調教師への感謝も口にする。「ホッカイドウ競馬に所属するジョッキーや調教師の皆様は、概ね撮影に関しては好意的に対応してくださいました。インタビューではアスリートならではの、興味深い話も改めて聞かせてもらいました」(坂田さん)
メインレースの後、時には最終レースの後に行われるインタビューに、自分も同席させてもらったことがある。決められた文字数の中で文章を書くライターとしては、対象者の必要最低限の言葉が聞き出せればと思いながら話を聞かせてもらっているのだが、坂田さんはレースの回顧だけでなく、その騎手や調教師のバックボーンまでも質問に加えながら、深く突っ込んだ話を引き出していた。
その光景を見て、より深く騎手に興味を惹かれたのは自分だけでなく、インターネットでこのインタビューを見ていた視聴者も一緒だったことだろう。動画で取り上げられた取材対象者に興味が沸き、次にホッカイドウ競馬の馬券を購入するときには、その騎手の騎乗馬もしくは調教師の管理馬を予想に加えたくなったに違いない。「ホッカイドウ競馬を皆様に知っていただき、そして開催を今まで以上に盛り上げていく要素は、身近にあったというだけです。昨年、自分たちが取り組んだのは、それを多くの方に知ってもらえる形作りをした、ということなのかもしれません」(坂田さん)
しかし、坂田さんは「新たな取り組み」が本当に始められるのは、今年からだとも話す。「現在は場内向けの案内放送と中継番組とが混在している状態です。ここを視聴者の方に見ていただいても違和感の無いように整理しなくてはいけません。また市町村や団体の協賛レースの原稿や、番組に出演していただくゲストの台本に関しても、競馬場から発信する内容として、恥ずかしくないものにする必要があります。そのためにはまだ『変化』しなくてはならなく、様々な人の力も借りる必要もあると感じています」(坂田さん)
ちなみに昨年のホッカイドウ競馬の開催中における坂田さんのスケジュールだが、グリーンチャンネル出演中の週末に、開催番組とレーススケジュールの下調べを行い、放送の構成表を作成。それと平行する形で、中継で使用するフリップや、写真の撮影といったコンテンツも制作していく。
「3日間開催の時には、火曜日の朝に門別へ移動して放送を行い、金曜日の午前中には当該週の開催における内容や反省点などを記した日報などを作成して、東京へ戻っていました。せっかく馬産地で仕事をさせていただいたのにもかかわらず、馬や仕事をしている方との接する時間が取れなかったことは、今から振り返っても勿体なかったというか、申し訳無い気持ちで一杯です」(坂田さん)
だが、それも坂田さんがホッカイドウ競馬の競馬中継を「競馬番組」に変えていくために、開催期間中の約7ヵ月間を、とてもストイックな姿勢で取り組んできたからとも言える。
昨年、ホッカイドウ競馬は、前年比112.1%となる157億670万円の売り上げを記録。だが、坂田さんはこの現状を良しとはしていない。「ホッカイドウ競馬、競馬中継共に、大切なのはこれからだと思います。そのためには自分の努力と、そして周囲の皆さんの応援がまだまだ必要だと感じています」(坂田さん)
今年、門別競馬場に行った時に、スマートフォンでも中継をチェックすれば、よりホッカイドウ競馬を楽しめそうな気がしてきた。