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2009年の記事一覧

  • 第21回 血統論の正解と不正解 2009.12.01

     比叡ステークスは毎年,秋の京都競馬場で行われる特別レースだ。最近は1600万下の芝2400という条件で行われているが,1400だったり,2000だったりした時期もあった。 のちのジャパンカップ優勝馬マーベラスクラウンが3連勝目を飾り,重賞戦線へのステップとしたのが93年。また名脇役のシルクフェイマスも03年の勝利で弾みをつけ,次走の日経新春杯で重賞初制覇を果たしている。 そんな比叡ステークスが今年も11月14日に京都競馬場で行われた。エリザ...

  • 第20回 8歳カンパニーの挑戦 2009.11.01

     毎日王冠で8歳馬カンパニーが見せた走りには心底,感心させられた。 逃げるウオッカを射程に入れ,インコースの5,6番手を追走。最後の直線,残り200メートルを切ってから猛然とウオッカに襲いかかり,1馬身かわして先頭でゴールインした。 ウオッカが上がり33秒8の末脚で逃げ込みをはかるところをカンパニーは33秒0という瞬発力で一蹴した。とても8歳とは思えない,はつらつとした走りだった。 毎日王冠は4歳だった05年がサンライズペガサスの7着。0...

  • 第19回 ビユーチフルドリーマー 2009.10.01

     不勉強を恥じつつ告白すると,水沢競馬場に「ビューチフル・ドリーマーカップ」という重賞レースがあるのを知ったのは,つい2,3年前のことだった。このレース名を見た瞬間,「さすが伝統ある馬産地。岩手競馬がやることは粋だなあ」と感じたのを覚えている。 8月30日,今年もビューチフル・ドリーマーカップが行われた。歴史を重ねて,第35回。レースは単勝1.2倍という圧倒的な1番人気に支持されたクインオブクイン(牝7歳,桜田康二厩舎)が2着マツリダ...

  • 第18回 本命はつらいよ−函館編 2009.09.01

     8月9日,札幌競馬場では今年初めてのJRA2歳重賞・第41回函館2歳S(芝1200メートル)が行われた。 このレースで,ひとつのジンクスにピリオドが打たれた。「1番人気は勝てない」。14年間続いていたジンクスに終止符を打ったのは,岩田康誠騎手に操られたステラリード(牝,栗東・森秀行厩舎)だった。抜群の手応えで直線を向くと,あっという間に抜け出し,迫るキョウエイアシュラを頭差振り切った。 数あるJRA平地重賞のうち,函館2歳Sは1番人気がもっとも...

  • 第17回 2歳戦は新種牡馬で見る 2009.08.01

     6月20日に中央競馬の2歳戦が始まって,1開催が終了した。計30レース(芝25レース,ダート5レース)が行われ,延べ364頭の若駒が出走した。 勝ち馬第1号は20日に阪神の第4レース(芝1200メートル)に出走したエーシンダックマン(牡,栗東・坂口正則厩舎)だった。9頭立ての6番枠から好スタートを切ると,武豊騎手の手綱に応えて逃げ切り勝ち。2着馬に4馬身差をつける完勝だった。 エーシンダックマンの父は現役時代に快足で鳴らしたサクラバクシンオーだ。...

  • 第16回 日本産馬,世界を駆けめぐる 2009.07.01

     もうニュースとはいえないかもしれない。日本産馬が米国の重賞を制した。 6月13日,ケンタッキー・ダービーの舞台でもあるチャーチルダウンズ競馬場の芝9ハロンで行われたG2ジェファーソンカップSで,牡3歳のフロレンティーノが優勝した。 フロレンティーノは父スウェプトオーヴァーボード(USA),母マストビーラヴド(その父サンデーサイレンス(USA))という血統。北海道安平町のノーザンファームで06年2月8日に生まれた。05年の桜花賞,NHKマイルカッ...

  • 第15回 ゴールデンウイーク 2009.06.01

     今年のゴールデンウイークは「ゴールドアリュール・ウイーク」になった。まるで,この時期に合わせたかのように,ゴールドアリュールの産駒が次から次へと活躍した。 まず頑張ったのがトップカミング(牡3歳,栗東・境直行厩舎)だった。5月2日,東京競馬場で行われたダービートライアル青葉賞に6番人気で出走。いったんは先頭に立つ果敢なレース運びで3着となり,見事にダービーの優先出走権を手にした。 2日後の5月4日はスマートファルコン(牡4歳,栗...

  • 第14回 生き続ける境勝太郎ブランド 2009.05.01

     中央競馬で活躍した境勝太郎・元調教師が亡くなった。 ダービー馬サクラチヨノオー,天皇賞馬サクラユタカオー,サクラチトセオー,サクラローレル,快足馬サクラバクシンオー。「サクラ」を愛し,「サクラ」に愛されたホースマンは,桜花賞が行われた4月12日の早朝,89年の生涯を閉じた。 1920年,北海道で生まれた境さんは,35年に騎手見習になった。翌36年,騎手デビューを果たし,63年まで現役を続けた。騎手時代の主な勝ち鞍には,44年の農商省賞典四歳...

  • 第13回 子宝,宝玉,新馬勝ち 2009.04.01

     3月1日の阪神競馬場でニシノホウギョク(牡3歳,栗東・河内洋厩舎)が新馬勝ちするのを,僕は中山競馬場の記者席にあるモニター画面で見ていた。 「すごいですよね。デユプリシト(USA)の仔がまだ走っているんですから。しかも優勝」。レースが終わって,そう声をかけて来たのは他社の後輩記者だった。ニシノホウギョクはデユプリシトが21歳の時に産んだ牡馬なのだ。 1985年,父Danzig(USA),母Fabulous Fraud(USA)との間に米国で生まれたデユプリシトは...

  • 第12回 ダイワスカーレットの未来 2009.03.01

     ダイワスカーレットの引退が決まった。 2月11日,フェブラリーS出走に向けて,1週前の追い切りを終えたダイワスカーレットの左前脚に異常が見つかった。浅屈腱の炎症だった。すぐにフェブラリーSの回避が決定され,続けてアラブ首長国連邦(UAE)で行われるドバイ・ワールドカップの遠征中止も発表された。 16日,大城敬三オーナー,生産者であり共同オーナーの社台ファーム・吉田照哉代表が会談し,現役引退が決定。18日付で競走馬登録を抹消された。 ...

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