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第5コーナー ~競馬余話~

有吉正徳 第5コーナー ~競馬余話~

第17回 2歳戦は新種牡馬で見る

 6月20日に中央競馬の2歳戦が始まって,1開催が終了した。計30レース(芝25レース,ダート5レース)が行われ,延べ364頭の若駒が出走した。

 勝ち馬第1号は20日に阪神の第4レース(芝1200メートル)に出走したエーシンダックマン(牡,栗東・坂口正則厩舎)だった。9頭立ての6番枠から好スタートを切ると,武豊騎手の手綱に応えて逃げ切り勝ち。2着馬に4馬身差をつける完勝だった。

 エーシンダックマンの父は現役時代に快足で鳴らしたサクラバクシンオーだ。サクラバクシンオーは1989年生まれ。スプリンターズSを2連覇するなどした,今年20歳になるベテラン種牡馬だ。エーシンダックマンのほかにもチェリーソウマ(牡,美浦・嶋田功厩舎),インテグラルヘッド(牡,美浦・的場均厩舎)の2頭が勝ち星を挙げ,衰えを知らない健在ぶりを披露している。

 同じく3勝を挙げている種牡馬はフジキセキとマンハッタンカフェだ。

 フジキセキは昨年,中央競馬の種牡馬総合成績ではアグネスタキオンに次ぐ2位になったのだが,なぜか2歳勢の成績は悪く,2歳部門では07年の2位から大きく順位を落として13位に終わっていた。ラブキーセキ(牝,栗東・中村均厩舎),シンメイフジ(牝,栗東・安田隆行厩舎),クロフォード(牝,美浦・二ノ宮敬宇厩舎)が勝ち上がり,この勢いなら昨年からの巻き返しがありそうだ。

 マンハッタンカフェはジョーカプチーノ(NHKマイルカップ)が産駒として初のG1制覇を達成するなど今季は絶好調だ。7月12日現在,種牡馬総合成績で首位を走る。2歳馬はサンディエゴシチー(牡,栗東・作田誠二厩舎),ツルマルジュピター(牡,栗東・坂口正則厩舎),ロードシップ(牡,美浦・相沢郁厩舎)の3頭がいずれも新馬勝ちをしている。

 2歳戦の楽しみは新種牡馬だ。毎年毎年,新米パパたちが既成勢力に立ち向かっていく姿はけなげにさえ映る。原稿を書いている時点でアドマイヤマックス,デュランダル,バゴ(FR),ロージズインメイ(USA)の4頭の産駒が中央競馬で初白星を挙げた。

 ことしの新種牡馬は粒揃いだと言われている。先に挙げた4頭のほかにもゼンノロブロイ,アルカセット(USA),タップダンスシチー(USA)などが初年度産駒を送り出しており,ゼンノロブロイ,タップダンスシチーは地方競馬で白星を挙げている。

 最も産駒数が多かったのはゼンノロブロイである。07年には125頭の産駒が生まれている。ゼンノロブロイは00年,父サンデーサイレンス(USA),母ローミンレイチェル(USA)との間に生まれた。04年秋には天皇賞・秋,ジャパンカップ,有馬記念とG㈵競走3連勝を達成している。

 毎年7月に行われるせり市場の07年のセレクトセールに当歳牡馬は計10頭が出場し,最高1億500万円から最低1,312万5千円で落札されている。中央競馬では勝ち馬は生まれていないが,マグニフィカ(牡,船橋・川島正行厩舎)が無傷の2連勝。ワイルドワディ(牝,北海道・広森久雄厩舎)がデビュー勝ちを果たした。

 僕がひそかに注目しているのはマイネルセレクトだ。スマートパワー(牝,金沢・松野勝己厩舎),セレクトシューズ(牝,北海道・田中淳司厩舎),ニッポンタイショー(牡,佐賀・九日俊光厩舎)の3頭が地方競馬で勝利を飾った。

 マイネルセレクトに注目した理由は,あるトレーニングセールだった。マイネルセレクト産駒の手綱を取った人が「すごいエンジンですよ」と,その心肺機能をほめていた。父フォーティナイナー(USA),母ウメノアスコットの血統を持つマイネルセレクトはダートの短距離で無類の強さを発揮した。04年にはドバイに遠征し,ドバイゴールデンシャヒーンでは勝ち馬から0秒8差の5着に健闘している。


JBBA NEWS 2009年8月号より転載