北海道馬産地ファイターズ
第21回 函館競馬場&セレクトセールツアー
2010.09.10
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というわけで,前回のこのコラムをお読みの方ならお分かりかと思うが,今回は,「★新装!JRA函館競馬場での競馬観戦とセレクトセール見学ガイドツアー」の後日談について書かせていただきたい。
前回のコラムでも触れているのだが,昨年の秋に行われた「馬産地見学ガイドツアー」で,添乗員兼取材ルポライター兼雑用をつとめさせていただいてから約一年。その時はいつも取材で足を運んでいる馬産地ということもあり,自分の経験を元に案内や話をすることもできた。
しかし今回は競馬場とせり市という,いわば公式な場所でのツアー。どこまで添乗員兼取材ルポライター兼雑用がつとまるかが心配だったが,今から振り返ってみれば,その心配も杞憂に終わったと言える。
それはツアー参加者の皆さんの自主性にあるところが大きい。函館競馬場には競馬場職員のご厚意で指定席が用意されていたのにも関わらず,参加者の皆さんが思い思いにグランドオープンを迎えた函館競馬場を楽しんでいた。要項には「馬産地ライターが案内」と書かれていたはずなのだが,案内は勿論,質問をされることもごく希な話。パドックに足を運んだ際,当たらないレース予想を聞いてこられた時には「それはガイドに入っていませんので」と断ってしまったほどだ。
その後,また競馬場職員の方の案内で,バックヤードツアーに参加させてもらったのだが,その職員の方の説明が素晴らしく,自分でさえ勉強になるほどだった。唯一,芝コースに入らせてもらったときに参加者からの質問を受けて,全国の競馬場では函館競馬場と札幌競馬場でしか用いられていない,洋芝の説明をさせてもらったときには,どこかほっとした気さえした。
その後,参加者の皆さんは函館に宿泊されることとなったのだが,翌日のセレクトセールの取材を控えた自分は,その日の内に札幌へと戻らなければいけなくなった。本当ならホテルでトークショーまで行かなくとも,今回のツアーの柱であるセレクトセールのお話や,函館競馬場についての質問に答えることができたらよかったのだろうが,そのような事情で少々心残りではあった。
次の日,参加者の皆さんが,函館を早朝に出発し,お昼前にはセレクトセールが行われているノーザンホースパークに到着した時には,1歳セクションの真っ最中。既に取材を行っていた自分としては,高額落札馬が出た際には写真を撮りに行かなくてはならないし,また,現場でその原稿もまとめなくてはならないという状況だった。
だが,ここでも心強かったのは,冒頭にも書いた参加者の皆さんの「自主性」である。日本競走馬協会さんの計らいで,ツアー参加者用のテントとテーブルを用意してもらったのだが,取材の合間を見てその場所に行ったとき,ずっと席に着いている人はほとんどいなかった。つまり函館競馬場と同じように,各自がせりを見学していたのである。
それでも初めて見るであろう競走馬のせり市ということもあり,周りの方々に何かご迷惑をおかけするようなことをしていないかと参加者の姿を追い求めることにした。
だが,参加者のいずれも,未来のスターホースとなるかも知れない優駿たちに,オーナーと同じような熱い視線を送っていたのを見て,安心したと言うよりも,むしろ感心した。
これは前日のホテルや行きの車中などで,JBBAスタッフからせりの啓蒙ができたからであろう。個人的にもせりではどこを見ているかや,せり名簿と実馬を見比べる上での注意点などを説明した際に,興味を持ってもらえたことは嬉しい思いがした。
次の日も当歳セクションを見せていただくことになったのだが,自らタクシーをチャーターして,展示の開始時間に合わせて足を運んだ参加者もいたというのは,まさに自主性のたまもの。展示の際には参加者から「いい馬はいましたか?」と話しかけられてしまったほどである。
改めてツアーにご協力いただいた,函館競馬場の皆さん,そして日本競走馬協会の皆さんに深くお礼を申し上げたい。個人的にはツアー参加者の自主性に助けられた感もある今回のツアーの成功に甘えることなく,秋に予定されている「馬産地見学ガイドツアー」では,馬や競馬の魅力を微力ながら伝えられるように頑張りたい。
前回のコラムでも触れているのだが,昨年の秋に行われた「馬産地見学ガイドツアー」で,添乗員兼取材ルポライター兼雑用をつとめさせていただいてから約一年。その時はいつも取材で足を運んでいる馬産地ということもあり,自分の経験を元に案内や話をすることもできた。
しかし今回は競馬場とせり市という,いわば公式な場所でのツアー。どこまで添乗員兼取材ルポライター兼雑用がつとまるかが心配だったが,今から振り返ってみれば,その心配も杞憂に終わったと言える。
それはツアー参加者の皆さんの自主性にあるところが大きい。函館競馬場には競馬場職員のご厚意で指定席が用意されていたのにも関わらず,参加者の皆さんが思い思いにグランドオープンを迎えた函館競馬場を楽しんでいた。要項には「馬産地ライターが案内」と書かれていたはずなのだが,案内は勿論,質問をされることもごく希な話。パドックに足を運んだ際,当たらないレース予想を聞いてこられた時には「それはガイドに入っていませんので」と断ってしまったほどだ。
その後,また競馬場職員の方の案内で,バックヤードツアーに参加させてもらったのだが,その職員の方の説明が素晴らしく,自分でさえ勉強になるほどだった。唯一,芝コースに入らせてもらったときに参加者からの質問を受けて,全国の競馬場では函館競馬場と札幌競馬場でしか用いられていない,洋芝の説明をさせてもらったときには,どこかほっとした気さえした。
その後,参加者の皆さんは函館に宿泊されることとなったのだが,翌日のセレクトセールの取材を控えた自分は,その日の内に札幌へと戻らなければいけなくなった。本当ならホテルでトークショーまで行かなくとも,今回のツアーの柱であるセレクトセールのお話や,函館競馬場についての質問に答えることができたらよかったのだろうが,そのような事情で少々心残りではあった。
次の日,参加者の皆さんが,函館を早朝に出発し,お昼前にはセレクトセールが行われているノーザンホースパークに到着した時には,1歳セクションの真っ最中。既に取材を行っていた自分としては,高額落札馬が出た際には写真を撮りに行かなくてはならないし,また,現場でその原稿もまとめなくてはならないという状況だった。
だが,ここでも心強かったのは,冒頭にも書いた参加者の皆さんの「自主性」である。日本競走馬協会さんの計らいで,ツアー参加者用のテントとテーブルを用意してもらったのだが,取材の合間を見てその場所に行ったとき,ずっと席に着いている人はほとんどいなかった。つまり函館競馬場と同じように,各自がせりを見学していたのである。
それでも初めて見るであろう競走馬のせり市ということもあり,周りの方々に何かご迷惑をおかけするようなことをしていないかと参加者の姿を追い求めることにした。
だが,参加者のいずれも,未来のスターホースとなるかも知れない優駿たちに,オーナーと同じような熱い視線を送っていたのを見て,安心したと言うよりも,むしろ感心した。
これは前日のホテルや行きの車中などで,JBBAスタッフからせりの啓蒙ができたからであろう。個人的にもせりではどこを見ているかや,せり名簿と実馬を見比べる上での注意点などを説明した際に,興味を持ってもらえたことは嬉しい思いがした。
次の日も当歳セクションを見せていただくことになったのだが,自らタクシーをチャーターして,展示の開始時間に合わせて足を運んだ参加者もいたというのは,まさに自主性のたまもの。展示の際には参加者から「いい馬はいましたか?」と話しかけられてしまったほどである。
改めてツアーにご協力いただいた,函館競馬場の皆さん,そして日本競走馬協会の皆さんに深くお礼を申し上げたい。個人的にはツアー参加者の自主性に助けられた感もある今回のツアーの成功に甘えることなく,秋に予定されている「馬産地見学ガイドツアー」では,馬や競馬の魅力を微力ながら伝えられるように頑張りたい。