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第60回『J-PLACE vs ウインズ 』

2013.12.11
 最近、大学時代に知り合った友達が、「今日は馬券買いに行かないの?」と連絡してくるようになった。その友人とは大学を卒業後、ウインズで待ち合わせるほど競馬を楽しむ間柄であったが、地方への転勤、そして結婚をしてからは競馬とも縁遠くなってしまったようで、年に数回、思い出したかのように、「今日は何を買うの?」との電話がかかってくるぐらいだった。
 しかし、今年に入ってから札幌の郊外に引っ越してきたことで、再び競馬熱に火が付いたのだろう。自分の箸にも棒にもかからない予想を聞く回数が次第に増え始め、しまいにはあの頃のように、週末ごとに競馬へ誘ってくるようになった。
 ひょっとしたら家庭が上手くいっていないのでは...と疑心暗鬼にもなったが、話を聞くとそうではないらしい。車だと10分ほどの距離にJ-PLACE石狩があることに気づき、それからは毎週のように足を運んでいるという。

 「村本君も石狩までおいでよ」とその友人はこともなげに言うが、何せ我が家からJ-PLACE石狩まで、高速を使っても1時間弱。なら、ウインズ札幌のA館orB館まで行った方が格段に早い。
 と考えて見たものの、最近は自分もJ-PLACE札幌中央で馬券を購入する機会が増えたことに気付いた。なぜかというと、それはウインズとそれほど距離が離れていない利便性のいい場所にあるにもかかわらず、駐車場が無料だからである。

 そんなケチなことを、と言われそうだが、ギャンブラーたるもの、駐車場代を節約してでも馬券を購入したくなるのが本能。これがJ-PLACE札幌中央なら、近くの提携駐車場を無料で利用することができる。
 だがJ-PLACE札幌中央(札幌駅前も含む)にはデメリットがある。それはウインズに近いこともあってか、各場のメインレースしか発売を行っていないこと。それにもかかわらず場内ではレース映像を朝から流しているのだから、まさにギャンブラー生殺し状態ともいえる。

 なので最近ではメインレースしか買わない場合はJ-PLACE札幌中央に、平場のレースも買いたい時にはウインズやパークウインズ札幌競馬場と使い分けるようになった。それを友人に話すと、「だったら、石狩まで来ればいいじゃん。こっちは全場の全レース買えるし、しかも地方競馬や競輪まで買えるよ」と持ちかけてきた。

 以前、このコラムでも書いたことだが、札幌中央、そして石狩は場外が併設されている競輪の購入が可能。しかも友人が話していたように、全国各地で行われる地方競馬の馬券を購入することもできるのだ。

 では、その友人になぜ以前のようにウインズまで行かなくなったのかを聞くと、自分と同じように駐車場を含めた、移動手段の煩わしさをあげていた。確かに移動に時間を要することなく、しかも気兼ねなく駐車場を利用できるのなら、ウインズや競馬場まで行かなくていいという意見は頷ける。
 しかもJ-PLACEの隠れたメリット、それは平日でも競馬開催日ならば払い戻しが可能ということである。それは友人も僕も同意見であり、「地方で当たった馬券で週末に中央を買えたり、そういえば馬券当たってたなあと思った時に、パッと払い戻せるのはいいよね」とその友人は、遠回しに自分が馬券を当たっていることを自慢しはじめた。

 では、ウインズや競馬場で馬券を購入するメリットは果たして何なのだろうか?パークウインズ札幌競馬場に限ったことかも知れないが、個人的にはそこで競馬が開催されているような臨場感であり、そして競馬場ならではの開放的なスペースだと思う。またウインズA館には有料だがエクセルフロアがあり、落ち着いて競馬を楽しむのなら、競馬場やウインズに軍配を上げたくもなる。

 J-PLACEができたことで、友人のように気軽に馬券を購入できるようになったファンは多いはずだ。その分、ウインズに足を運ばなくなったというファンもいるはず。両者が並び立つのはなかなか難しい。
 個人的に今から楽しみにしているのは、11月末の札幌競馬場新スタンドのプレオープン。ここなら石狩をホームとしている友人も、物珍しさに足を運んでくれるに違いない。その時はあの頃のように「朝から36レースぶっ続け競馬」を久しぶりにチャレンジしてみたい。
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