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北海道馬産地ファイターズ

村本浩平 北海道馬産地ファイターズ

第61回『札幌競馬場プレオープン』

 11月30日に新スタンド(パークウインズ棟)がプレオープンを迎えた札幌競馬場。取材というのは名目で、実際のところは前回のコラムでも書いた大学時代の友人と「朝から36レースぶっ続け競馬」を行うに相応しい場所かどうかを確かめるべく(嘘)、関係者を対象とした内覧会、そしてプレオープン当日に潜入捜査してきた。

 内覧会の際に新スタンドに入ってまず思ったことは「建物が新しい!」ということ。大学の頃、札幌競馬場にレストランのアルバイトとして足を運んでから約20年。その後はマスコミとして取材を行い、そして競馬ファンとして馬券を購入してきたわけだが、旧スタンドはノスタルジックで良かったのにとの郷愁は、新スタンドに入った途端に吹き飛んだ。

 近代的なデザインのゲートをくぐった先にあるのは、白色で暖かみのある壁面と、天井も高い吹き抜けのホール。高い天井からは自然光も存分に差し込み、しかも「せせらぎ空調」という送風システムに加え、床暖房も取り入れられているからかとにかく暖かい。旧スタンドでは天井部分にあるヒーターの下にいないと暖を取れなかったことを考えると、四季を通してどこにいても快適な空間で競馬を楽しめるというのは、本当にありがたい。

 しかもホールには旧スタンドを遙かに凌ぐ椅子が設置されており、しかもこの椅子は移動式だという。椅子を移動させられることによって、ホール内では競走馬のせり市、また各種イベントの開催も可能とのこと。市内中心部や交通機関とのアクセスの良さを考えると、札幌市内に魅力的な「ホール」が誕生したという見方もできそうだ。

 またコースに面した座席には、小さな机やドリンクホルダーなども設置されており、その向こうにあるのは真新しいターフビジョン。これまでのターフビジョンとは解像度が比べものにならないほど鮮明で、またレースやパドックの映像だけでなく、オッズや払い戻しも同じ画面の中に表示が可能。ここに友人と陣取れるなら「朝から36レースぶっ続け競馬」も可能ではないかと考えたりもした。

 いいことずくめの新スタンドのように思えるが、これまで移動式の椅子ぐらいは馬券を通して寄付してきた自分から(笑)、長居したくなる空間となって欲しいとの願いを込めて、幾つかの改善点を書かせてもらいたい。

 まずは椅子数の更なる増加。ホール、コース側と多くの椅子が用意されていたが、まだまだ足りないとプレオープン当日に競馬場に来てみて思った。まあ、先着順と言わんばかりに新聞を椅子に置いてしまう競馬ファンもマナーが悪いのかも知れないが、それでも床に座られるよりはまだ見栄えがいい。ホールの椅子は移動可能とのことなので、それが増設可能となっていることも願いたい。

 また、札幌競馬場新スタンドプレオープンについてフェイスブックに投稿した際、Winchester Farmの社主である吉田直哉氏から、「座席やテーブルは充分ありますか」という書き込みをいただいた。座席(椅子)は充分に確保しなくてはいけないとは思っていたのだが、テーブルについては盲点だった。

 確かにマークシートに記入する際、そして新聞を広げる際など、ちょっとした大きさのテーブルがあればいいなあとはいつも思っていた。テーブルはホール内のスペースを取ってしまうことは否めないが、これも移動式にすることで柔軟に対応出来る気がする。

 以前、知人とも話したのだが、今後、我々も高齢化していくとなると、競馬場やウインズにはまだまだくつろぐことのできるスペースが必要となのでは?との考えでまとまった。

 確かに座席だけでなく、テーブルも用意されているとなれば、そこに腰を据えて競馬を楽しみたいと思うはず。指定席やエクセルフロアとまではいかなくとも、安価で構わないので席料を設けたり、もしくは競馬場に設置されているシルバー座席のようなものを、椅子とテーブルが一緒になった形で提供するというのはいかがだろうか。

 テレビスポットを打っていた札幌競馬場のCMではテレビ塔、JRタワーなどのバックを進撃の巨人ならぬ「進撃の巨馬」といえる大きな馬が通り過ぎる中、画面には「名所」との文字が映し出されていた。これからその名の通り札幌競馬場を観光名所として認知させるには、競馬開催期間中以外にも様々なイベントを行わなくてはいけないだろう。

 例えばホールだけでなく、競馬場を雪祭り会場の1つにしてしまうようなイベントスペースとしての活用や、競馬場内で行っている乗馬体験も、旅行代理店などを通して「市内中心部で馬と触れあえる観光スポット」と紹介してもらっていいのかもしれない。それはリニューアルした札幌競馬場が素晴らしい施設であるからこそ、椅子を寄贈したであろう自分も(笑)、様々な層に胸を張ってアピールしていきたいと思っている。