北海道馬産地ファイターズ
第165回 『競馬観戦施設』
2022.09.16
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実は八戸市場開催日の前日となる7月3日、函館から朝一番の新幹線に乗って、仙台に行ってきた。仙台に行こうと思ったのは、名物の牛タンに惹かれたわけではない(結論として、牛タンは筆者が美味しくいただきました)。
今年の5月に地元メディアなどで取り上げられた、JRAが仙台中心部に開設を予定している競馬観戦施設が、どんな場所に作られるのかを、10月の開設前に視察をしてこようと思った次第である。
そもそも仙台市内にJRAやNARだけでなく、他の公営競技の場外発売所が無いのは意外だった。仙台近郊で調べてみると東京シティ競馬の場外施設で、週末はJRAの馬券を発売しているオフト大郷までは、仙台中心部から車で50分程。そこから北上すると、テレトラック三本木内にウインズ三本木がある。仙台市内から南下すれば福島競馬場もあるが、馬券を購入するためには、車か新幹線での移動が必要となる。
仙台市内には昭和初期までは楽天生命パーク宮城に程近い場所に、仙台宮城野原競馬場が存在していたが、その後は行政の指導もあり、市内から競馬場は無くなっている。
仙台市内から車で30分程の塩釜市内にウインズを開設する計画もあったが、インターネット投票の増加などで採算が見込めず、2009年に開設を断念している。
まさに競馬空白地帯となっている仙台だが、今回、開設を予定している競馬観戦施設はあくまで観戦のみで、馬券の発売は行わない。
計画によると、場内には大型ビジョンや臨場感あふれる音響施設が備えられており、来場者がパブリックビューイング形式で競馬中継の映像を見られるという。
現在のJRAの馬券の売り上げは、インターネットや電話が9割近くを占めている。仙台の競馬ファンも、わざわざ遠征して紙の馬券を買いに行くのではなく、スマホなどで購入するファンがほとんどなのだろう。
その競馬観戦施設の開設予定場所は、仙台市青葉区中央2丁目のテナントビル。クリスロードと呼ばれるアーケード街の中だという。
仙台駅の改札を出てからだと、おおよそ500~600メートル。徒歩だと10分ほどの距離となる。新幹線を下車すると、その足で現地まで向かう。仙台はクリスロードを含めて大きく6つのアーケード街があり、雨が降った場合でもほとんど濡れることなく、競馬観戦施設へと向かうことができる。
そのアーケード街だがコロナ禍にもかかわらず、多くの歩行者とすれ違った。その途中には様々なテナントもあるなど、仙台市民を市内中心部に引き付ける要素が詰まっている場所だとも感じた。
地元メディアが計画予定地として地図にあげていたテナントの前に到着した。広さは約400平方メートルで、収容人数は多くて100名ほどを想定しているという。
正直、これだけの通行量がある中で競馬ファンのみならず、不意に通りがかった人たちを受け入れるのは大変なのではとも思った。
それでも、仙台市内の商業施設では一等地と呼べる場所に、競馬をアピールする場所ができるのは素晴らしいことだと考えを改めた。
開催中のJRA北海道シリーズでは、ビギナーズセミナーの講師としても、仕事をさせてもらっているが、講義を始めるに当たって、競馬場に来ようと思ったきっかけを聞くようにもしている。
その際、興味があったが、なかなか入る気になれなかったといった、競馬に対する抵抗感を話してくれる参加者もいた。その意味で、場所的にも仙台市民の日常に溶け込めそうな競馬観戦施設は、競馬を認知してもらうだけでなく、競馬=ギャンブルのイメージから遠ざけられるはずだ。
本当ならば開催中の競馬場に足を運んでもらい、ライブでその迫力を体感して欲しいとは思う。それでも、画面を通したスポーツイベントとしても競馬は大変に魅力がある。
また、パブリックビューイングにも代表されるように、共通の意志を持ったファンたちと、その空間でしか体感できない喜怒哀楽を求めるべく、自分自身も札幌競馬場やウインズ札幌まで足を運ぶこともあった。
仙台市内に開設が予定されている競馬観戦施設もまた、そうしたファンの拠り所となるはずだ。ただ、先ほども書いたとおりに、多くの人が行き交う場所だけに、競馬に興味が無かった人たちも受け入れられる場所であってほしい。
そのためには開催中だけでなく、平日もスペースを開放し、普段から競馬の魅力を伝える場所である、Gate J.的な空間を目指すべきではないだろうか。いずれにせよ完成した施設を確かめるべく、改めて仙台に(萩の月を片手に)訪れてみたい。
今年の5月に地元メディアなどで取り上げられた、JRAが仙台中心部に開設を予定している競馬観戦施設が、どんな場所に作られるのかを、10月の開設前に視察をしてこようと思った次第である。
そもそも仙台市内にJRAやNARだけでなく、他の公営競技の場外発売所が無いのは意外だった。仙台近郊で調べてみると東京シティ競馬の場外施設で、週末はJRAの馬券を発売しているオフト大郷までは、仙台中心部から車で50分程。そこから北上すると、テレトラック三本木内にウインズ三本木がある。仙台市内から南下すれば福島競馬場もあるが、馬券を購入するためには、車か新幹線での移動が必要となる。
仙台市内には昭和初期までは楽天生命パーク宮城に程近い場所に、仙台宮城野原競馬場が存在していたが、その後は行政の指導もあり、市内から競馬場は無くなっている。
仙台市内から車で30分程の塩釜市内にウインズを開設する計画もあったが、インターネット投票の増加などで採算が見込めず、2009年に開設を断念している。
まさに競馬空白地帯となっている仙台だが、今回、開設を予定している競馬観戦施設はあくまで観戦のみで、馬券の発売は行わない。
計画によると、場内には大型ビジョンや臨場感あふれる音響施設が備えられており、来場者がパブリックビューイング形式で競馬中継の映像を見られるという。
現在のJRAの馬券の売り上げは、インターネットや電話が9割近くを占めている。仙台の競馬ファンも、わざわざ遠征して紙の馬券を買いに行くのではなく、スマホなどで購入するファンがほとんどなのだろう。
その競馬観戦施設の開設予定場所は、仙台市青葉区中央2丁目のテナントビル。クリスロードと呼ばれるアーケード街の中だという。
仙台駅の改札を出てからだと、おおよそ500~600メートル。徒歩だと10分ほどの距離となる。新幹線を下車すると、その足で現地まで向かう。仙台はクリスロードを含めて大きく6つのアーケード街があり、雨が降った場合でもほとんど濡れることなく、競馬観戦施設へと向かうことができる。
そのアーケード街だがコロナ禍にもかかわらず、多くの歩行者とすれ違った。その途中には様々なテナントもあるなど、仙台市民を市内中心部に引き付ける要素が詰まっている場所だとも感じた。
地元メディアが計画予定地として地図にあげていたテナントの前に到着した。広さは約400平方メートルで、収容人数は多くて100名ほどを想定しているという。
正直、これだけの通行量がある中で競馬ファンのみならず、不意に通りがかった人たちを受け入れるのは大変なのではとも思った。
それでも、仙台市内の商業施設では一等地と呼べる場所に、競馬をアピールする場所ができるのは素晴らしいことだと考えを改めた。
開催中のJRA北海道シリーズでは、ビギナーズセミナーの講師としても、仕事をさせてもらっているが、講義を始めるに当たって、競馬場に来ようと思ったきっかけを聞くようにもしている。
その際、興味があったが、なかなか入る気になれなかったといった、競馬に対する抵抗感を話してくれる参加者もいた。その意味で、場所的にも仙台市民の日常に溶け込めそうな競馬観戦施設は、競馬を認知してもらうだけでなく、競馬=ギャンブルのイメージから遠ざけられるはずだ。
本当ならば開催中の競馬場に足を運んでもらい、ライブでその迫力を体感して欲しいとは思う。それでも、画面を通したスポーツイベントとしても競馬は大変に魅力がある。
また、パブリックビューイングにも代表されるように、共通の意志を持ったファンたちと、その空間でしか体感できない喜怒哀楽を求めるべく、自分自身も札幌競馬場やウインズ札幌まで足を運ぶこともあった。
仙台市内に開設が予定されている競馬観戦施設もまた、そうしたファンの拠り所となるはずだ。ただ、先ほども書いたとおりに、多くの人が行き交う場所だけに、競馬に興味が無かった人たちも受け入れられる場所であってほしい。
そのためには開催中だけでなく、平日もスペースを開放し、普段から競馬の魅力を伝える場所である、Gate J.的な空間を目指すべきではないだろうか。いずれにせよ完成した施設を確かめるべく、改めて仙台に(萩の月を片手に)訪れてみたい。