第5コーナー ~競馬余話~
第30回 ヨハネスブルグ
2013.09.24
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新種牡馬ヨハネスブルグ(USA)が派手なパフォーマンスを見せたのは8月17日のことだった。
JRA函館競馬第5レースの新馬戦(芝1200㍍)で1番人気のペプチドスピカ(牝、母ドリームスピカ、母の父バブルガムフェロー)は好スタートから先頭を奪うと、そのまま後続を寄せつけず、2着に1秒8の大差をつける圧勝劇を演じた。
すると新潟競馬第5レースの新馬戦(芝1400㍍)でも田辺裕信騎手に操られたスナークマスカラス(牡、母サザンヒルズ、母の父アグネスタキオン)が2着に3馬身半をつけて快勝した。さらに新潟競馬第6レースの新馬戦(芝1200㍍)でもネロ(牡、母ニシノタカラヅカ、母の父サンデーサイレンス(USA))が単勝1.4倍という圧倒的な1番人気に応えて1着でゴールした。
ヨハネスブルグは同じ日に産駒が新馬戦3勝という快挙を達成してみせたのだ。
2011年に日本で生まれたヨハネスブルグ産駒が快進撃を続けている。
JRAで初白星を挙げたのはフクノドリーム(牝、母キャニオンリリー、母の父エルハーブ(USA))だ。7月13日の函館競馬場で勝ち星を挙げた。勝ち馬第2号は7月27日の小倉競馬場でデビュー戦を快勝したホウライアキコ(牝、母ホウライサンデー、母の父サンデーサイレンス)。8月11日に小倉競馬場で未勝利戦を勝ったのはグランプリブレイド(牡、母ダイワサンルージュ、母の父コロナドズクエスト(USA))だ。ニューヘリテージ(牡、母リベラノ(USA)、母の父Rubiano)がJRA7頭目の勝ち馬になった。
そして9月1日、小倉2歳S(芝1200㍍)に出走したホウライアキコが見事に優勝。ヨハネスブルグ産駒として重賞初制覇を果たすとともに1着本賞金3,000万円を獲得した。また同じ日に函館競馬場で行われたオープン特別のすずらん賞(芝1200㍍)でもフクノドリームが優勝した。
この2勝がものをいい、9月1日時点のJRAリーディングサイアー2歳部門でヨハネスブルグは2位に浮上した。首位はディープインパクトでその差は800万円あまり。3位はキングカメハメハ、4位はゼンノロブロイと実績のある種牡馬を抑えての順位だから価値がある。
地方競馬でもヨハネスブルク産駒は好成績を挙げている。8月31日までに勝ち星を挙げた産駒は6頭を数える。
カカリア(北海道、牝、母スプリングガーベラ、母の父ルション(USA))、ニシノエルドラド(北海道、牝、母キャラメルチャン、母の父フォーティナイナー(USA))、ニシノマリーナ(北海道、牝、母タイキマリーナ、母の父ボストンハーバー(USA))、ハルノメザメ(船橋、牡、母ハルワカ、母の父ワカオライデン)、バーンザワールド(川崎、牡、母オールオールオール、母の父アグネスタキオン)、マカロンショコラ(兵庫、牝、母イエスドラゴン、母の父ダンスインザダーク)の6頭だ。地方競馬のリーディングサイアー2歳部門でもこの時点で8位につけている。中央と地方の賞金を合わせた総合でも堂々の1位である。
日本では新種牡馬のヨハネスブルグだが、すでに海外では種牡馬生活を送ってきた過去がある。そして海外の種付けで誕生した産駒や持ち込みはこれまで何頭も日本で競走馬になっている。しかし、今年ほどの実績を残すことはなかった。
これまでのヨハネスブルグ(Johannesburg)産駒の出世頭は5勝した2005年生まれのケイアイスイジン(牡)で、17頭が計212戦し19勝を挙げたにすぎない。
それが突然のブレークだ。
中央・地方を合わせた13頭の勝ち馬の血統をながめていると、ある仮説が思い浮かぶ。サンデーサイレンス(SS)系牝馬との相性の良さだ。13頭のうち6頭は母がSS系である。小倉2歳Sを制したホウライアキコはその典型だ。
日本競馬の歴史を変えた大種牡馬サンデーサイレンスの遺伝子は繁栄し、国内の繁殖牝馬の多くがSS系遺伝子を持つようになった。後継種牡馬のディープインパクト、ステイゴールド、マンハッタンカフェなどの活躍により、SS系遺伝子はさらに広がる勢いだ。
こうしたSS系牝馬を生かし、SS系の良さを引き出す非SS系種牡馬の登場が待たれているのが現状だ。キングカメハメハやシンボリクリスエス(USA)の成功の理由も、このあたりに求められそうだが、まだ2頭だけでは数が少ない。非SS系の新星としてヨハネスブルグからは目が離せない。
JRA函館競馬第5レースの新馬戦(芝1200㍍)で1番人気のペプチドスピカ(牝、母ドリームスピカ、母の父バブルガムフェロー)は好スタートから先頭を奪うと、そのまま後続を寄せつけず、2着に1秒8の大差をつける圧勝劇を演じた。
すると新潟競馬第5レースの新馬戦(芝1400㍍)でも田辺裕信騎手に操られたスナークマスカラス(牡、母サザンヒルズ、母の父アグネスタキオン)が2着に3馬身半をつけて快勝した。さらに新潟競馬第6レースの新馬戦(芝1200㍍)でもネロ(牡、母ニシノタカラヅカ、母の父サンデーサイレンス(USA))が単勝1.4倍という圧倒的な1番人気に応えて1着でゴールした。
ヨハネスブルグは同じ日に産駒が新馬戦3勝という快挙を達成してみせたのだ。
2011年に日本で生まれたヨハネスブルグ産駒が快進撃を続けている。
JRAで初白星を挙げたのはフクノドリーム(牝、母キャニオンリリー、母の父エルハーブ(USA))だ。7月13日の函館競馬場で勝ち星を挙げた。勝ち馬第2号は7月27日の小倉競馬場でデビュー戦を快勝したホウライアキコ(牝、母ホウライサンデー、母の父サンデーサイレンス)。8月11日に小倉競馬場で未勝利戦を勝ったのはグランプリブレイド(牡、母ダイワサンルージュ、母の父コロナドズクエスト(USA))だ。ニューヘリテージ(牡、母リベラノ(USA)、母の父Rubiano)がJRA7頭目の勝ち馬になった。
そして9月1日、小倉2歳S(芝1200㍍)に出走したホウライアキコが見事に優勝。ヨハネスブルグ産駒として重賞初制覇を果たすとともに1着本賞金3,000万円を獲得した。また同じ日に函館競馬場で行われたオープン特別のすずらん賞(芝1200㍍)でもフクノドリームが優勝した。
この2勝がものをいい、9月1日時点のJRAリーディングサイアー2歳部門でヨハネスブルグは2位に浮上した。首位はディープインパクトでその差は800万円あまり。3位はキングカメハメハ、4位はゼンノロブロイと実績のある種牡馬を抑えての順位だから価値がある。
地方競馬でもヨハネスブルク産駒は好成績を挙げている。8月31日までに勝ち星を挙げた産駒は6頭を数える。
カカリア(北海道、牝、母スプリングガーベラ、母の父ルション(USA))、ニシノエルドラド(北海道、牝、母キャラメルチャン、母の父フォーティナイナー(USA))、ニシノマリーナ(北海道、牝、母タイキマリーナ、母の父ボストンハーバー(USA))、ハルノメザメ(船橋、牡、母ハルワカ、母の父ワカオライデン)、バーンザワールド(川崎、牡、母オールオールオール、母の父アグネスタキオン)、マカロンショコラ(兵庫、牝、母イエスドラゴン、母の父ダンスインザダーク)の6頭だ。地方競馬のリーディングサイアー2歳部門でもこの時点で8位につけている。中央と地方の賞金を合わせた総合でも堂々の1位である。
日本では新種牡馬のヨハネスブルグだが、すでに海外では種牡馬生活を送ってきた過去がある。そして海外の種付けで誕生した産駒や持ち込みはこれまで何頭も日本で競走馬になっている。しかし、今年ほどの実績を残すことはなかった。
これまでのヨハネスブルグ(Johannesburg)産駒の出世頭は5勝した2005年生まれのケイアイスイジン(牡)で、17頭が計212戦し19勝を挙げたにすぎない。
それが突然のブレークだ。
中央・地方を合わせた13頭の勝ち馬の血統をながめていると、ある仮説が思い浮かぶ。サンデーサイレンス(SS)系牝馬との相性の良さだ。13頭のうち6頭は母がSS系である。小倉2歳Sを制したホウライアキコはその典型だ。
日本競馬の歴史を変えた大種牡馬サンデーサイレンスの遺伝子は繁栄し、国内の繁殖牝馬の多くがSS系遺伝子を持つようになった。後継種牡馬のディープインパクト、ステイゴールド、マンハッタンカフェなどの活躍により、SS系遺伝子はさらに広がる勢いだ。
こうしたSS系牝馬を生かし、SS系の良さを引き出す非SS系種牡馬の登場が待たれているのが現状だ。キングカメハメハやシンボリクリスエス(USA)の成功の理由も、このあたりに求められそうだが、まだ2頭だけでは数が少ない。非SS系の新星としてヨハネスブルグからは目が離せない。