北海道馬産地ファイターズ
第81回 『UMAKOプロジェクトPARTⅡ』
2015.09.15
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競馬界に未来のホースマンだけでなく、未来の競馬ファンとなる子供たちを獲得すべく、勝手に行動を始めてみた、「UMAKOプロジェクト」。
勿論、これはJRAの各競馬場で開催されている、「UMAJOプロジェクト」からオマージュ(笑)を受けたものであるのは、賢明な読者の皆さんならお分かりだろう。と書きながらも、個人的にどんな行動をすれば、競馬界に子供たちを呼び込めるのか...。と頭を悩ましていたところ、8月3日に苫小牧市のノーザンホースパークで、「馬とのふれあい体験&子どもサッカー教室」というイベントが開催されていたのを知った。開催されていた、と書くのはいささか失礼な話である。実を言うと昨年も、ノーザンホースパークではJRAに所属する騎手を招き、乗馬教室や交流食事会など、子供を対象としたイベント(ノーザンホースパーク開園25周年記念イベント)を行っており、しかも昨年、自分はこのイベントの取材をしていた。
こうなると「UMAKOプロジェクト」自体が、ノーザンホースパークで行われているイベントからヒントを得たものではないのか?という疑念を持たれてしまいそうだが、筆者が取材に行くまで、昨年のことをすっかり忘れていたということで、身の潔白を証明したい(笑)。
昨年に引き続き、今年もノーザンホースパークで行われたこのイベントであるが、午前中にはコンサドーレ札幌の選手やコーチを招いたサッカー教室。午後からはJRA騎手によるライディングショーや、ひき馬体験という2部構成で行われた。
前回は競馬に興味のある子供たちを対象としたイベントだったのに対し、今回はサッカー少年(少女)も競馬の魅力に取り込んでしまおうという意図もあったと思われるが、結果的にその狙いは正しかったと言えそうだ。
ひき馬体験にはサッカーシューズを履いた子供たちが率先して参加し、騎手たちと会話をしながら、生まれて初めて跨るであろう、馬の背中を感じ取っていた。そのサッカー少年の1人に、ひき馬を終えた後に話を聞いてみたのだが、馬の乗り味だけでなく、背中からの視点もまた新鮮だったと感想を述べ、「また、機会があれば馬に乗ってみたいです」との言葉を笑顔で返してもらった時には、「UMAKOプロジェクト」は成功する!との思いを一際強く持った。
実は「UMAKOプロジェクト」を地で行く騎手が、今回のイベントには参加していた。この夏はJRA北海道シリーズに参戦している菱田裕二騎手は、小学生の頃に京都パープルサンガのジュニアチームに所属。しかし、競馬との出会いから騎手を目指すことになる。「初めて馬を見た時は格好良くて、綺麗だなあと思いました。その頃から騎手を目指すようになったのですが、この仕事をする上で、もっと早く競馬や馬と触れあえていれば良かったと思うこともありました」と菱田騎手は話す。昨年もイベントに参加した福永祐一騎手もまた、小学生の頃はサッカーをしており、そこで下半身を鍛えられたことが、騎手としても生かされていると、子供たちを前に話していた。
子供たちに競馬を大々的にアピールできないのは、やはり「ギャンブル」であることの否定はできないからだろう。ただ、サッカーや野球と同じ、「スポーツ」であることを押し出せるのなら、子供たちに騎手になる夢や、馬と携わる仕事をするという将来の目標を持たせることはそう難しくはない。
そう考えると、前回のコラムでも書いたことだが、特に夏のローカル開催の時期には、騎手が学校訪問を積極的に行ったり、時には社会研修の一貫として、小学生たちを厩舎に招き入れる機会を作ってもいいのかもしれない。そこで騎手の凄さや、馬の格好良さを知れば、第二の菱田騎手が生まれてくる可能性は充分に考えられる。
騎手やホースマンを志さなかったとしても、こうした機会を通して馬や競馬を知った子供たちは、それまで、スポーツ新聞を開いても見向きもしなかった競馬面に興味を持ち始めるだろう。その積み重ねが将来の競馬ファンとなりうるのは、スポーツ新聞を通して競馬に興味を持つようになっていった、自分の経験からも証明できる。
今回のイベントに参加した騎手たちは、口を揃えて、「また、こういった機会があれば協力したい」とも話してくれた。充分な施設があり、乗馬だけではなく、誰もが親しみを持てるポニーもいるノーザンホースパークだからこそできるイベントとも言えるが、それが競馬に関係する全ての場所でできるようになって欲しいと、「UMAKOプロジェクト」の発案者として願わずにはいられない。
勿論、これはJRAの各競馬場で開催されている、「UMAJOプロジェクト」からオマージュ(笑)を受けたものであるのは、賢明な読者の皆さんならお分かりだろう。と書きながらも、個人的にどんな行動をすれば、競馬界に子供たちを呼び込めるのか...。と頭を悩ましていたところ、8月3日に苫小牧市のノーザンホースパークで、「馬とのふれあい体験&子どもサッカー教室」というイベントが開催されていたのを知った。開催されていた、と書くのはいささか失礼な話である。実を言うと昨年も、ノーザンホースパークではJRAに所属する騎手を招き、乗馬教室や交流食事会など、子供を対象としたイベント(ノーザンホースパーク開園25周年記念イベント)を行っており、しかも昨年、自分はこのイベントの取材をしていた。
こうなると「UMAKOプロジェクト」自体が、ノーザンホースパークで行われているイベントからヒントを得たものではないのか?という疑念を持たれてしまいそうだが、筆者が取材に行くまで、昨年のことをすっかり忘れていたということで、身の潔白を証明したい(笑)。
昨年に引き続き、今年もノーザンホースパークで行われたこのイベントであるが、午前中にはコンサドーレ札幌の選手やコーチを招いたサッカー教室。午後からはJRA騎手によるライディングショーや、ひき馬体験という2部構成で行われた。
前回は競馬に興味のある子供たちを対象としたイベントだったのに対し、今回はサッカー少年(少女)も競馬の魅力に取り込んでしまおうという意図もあったと思われるが、結果的にその狙いは正しかったと言えそうだ。
ひき馬体験にはサッカーシューズを履いた子供たちが率先して参加し、騎手たちと会話をしながら、生まれて初めて跨るであろう、馬の背中を感じ取っていた。そのサッカー少年の1人に、ひき馬を終えた後に話を聞いてみたのだが、馬の乗り味だけでなく、背中からの視点もまた新鮮だったと感想を述べ、「また、機会があれば馬に乗ってみたいです」との言葉を笑顔で返してもらった時には、「UMAKOプロジェクト」は成功する!との思いを一際強く持った。
実は「UMAKOプロジェクト」を地で行く騎手が、今回のイベントには参加していた。この夏はJRA北海道シリーズに参戦している菱田裕二騎手は、小学生の頃に京都パープルサンガのジュニアチームに所属。しかし、競馬との出会いから騎手を目指すことになる。「初めて馬を見た時は格好良くて、綺麗だなあと思いました。その頃から騎手を目指すようになったのですが、この仕事をする上で、もっと早く競馬や馬と触れあえていれば良かったと思うこともありました」と菱田騎手は話す。昨年もイベントに参加した福永祐一騎手もまた、小学生の頃はサッカーをしており、そこで下半身を鍛えられたことが、騎手としても生かされていると、子供たちを前に話していた。
子供たちに競馬を大々的にアピールできないのは、やはり「ギャンブル」であることの否定はできないからだろう。ただ、サッカーや野球と同じ、「スポーツ」であることを押し出せるのなら、子供たちに騎手になる夢や、馬と携わる仕事をするという将来の目標を持たせることはそう難しくはない。
そう考えると、前回のコラムでも書いたことだが、特に夏のローカル開催の時期には、騎手が学校訪問を積極的に行ったり、時には社会研修の一貫として、小学生たちを厩舎に招き入れる機会を作ってもいいのかもしれない。そこで騎手の凄さや、馬の格好良さを知れば、第二の菱田騎手が生まれてくる可能性は充分に考えられる。
騎手やホースマンを志さなかったとしても、こうした機会を通して馬や競馬を知った子供たちは、それまで、スポーツ新聞を開いても見向きもしなかった競馬面に興味を持ち始めるだろう。その積み重ねが将来の競馬ファンとなりうるのは、スポーツ新聞を通して競馬に興味を持つようになっていった、自分の経験からも証明できる。
今回のイベントに参加した騎手たちは、口を揃えて、「また、こういった機会があれば協力したい」とも話してくれた。充分な施設があり、乗馬だけではなく、誰もが親しみを持てるポニーもいるノーザンホースパークだからこそできるイベントとも言えるが、それが競馬に関係する全ての場所でできるようになって欲しいと、「UMAKOプロジェクト」の発案者として願わずにはいられない。