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第5コーナー ~競馬余話~

有吉正徳 第5コーナー ~競馬余話~

第15回 ゴールデンウイーク

 今年のゴールデンウイークは「ゴールドアリュール・ウイーク」になった。まるで,この時期に合わせたかのように,ゴールドアリュールの産駒が次から次へと活躍した。

 まず頑張ったのがトップカミング(牡3歳,栗東・境直行厩舎)だった。5月2日,東京競馬場で行われたダービートライアル青葉賞に6番人気で出走。いったんは先頭に立つ果敢なレース運びで3着となり,見事にダービーの優先出走権を手にした。

 2日後の5月4日はスマートファルコン(牡4歳,栗東・小崎憲厩舎)が連勝を伸ばした。地方・名古屋競馬場のダートグレード競走・かきつばた記念に出走。2着トーセンブライトに5馬身差をつけ,単勝100円の元返しという圧倒的な1番人気に応えて優勝した。スマートファルコンは昨年11月の浦和記念を皮切りに兵庫ゴールドトロフィー,佐賀記念,名古屋大賞典,そして今回のかきつばた記念と,これでダートグレード競走5連勝。向かうところ敵なしの快進撃を続けている。

 そして真打ちがエスポワールシチー(牡4歳,栗東・安達昭夫厩舎)である。5月5日,船橋競馬場で行われた,かしわ記念に出走し,念願のビッグタイトルを手にした。カネヒキリ,フリオーソ,アジュディミツオーら強豪が顔をそろえた中,佐藤哲三騎手が手綱を取ったエスポワールシチーは3コーナー過ぎからスパート開始。残り100メートルあたりで先行するフェラーリピサをかわして先頭に立つと,カネヒキリの追い込みを4分の3馬身しのいだ。

 5月18日現在,今年,ゴールドアリュール産駒は地方競馬で46頭が215戦し,17頭が計35勝している。収得賞金は1億8千万円を超えて,地方競馬のリーディングサイアー第3位に位置する。昨年の第9位からの躍進だ。この勢いは中央競馬でも同じで,同時期までに99頭が284戦し,24頭が計24勝。収得賞金は5億9百万円あまりでリーディング15位。昨年の26位から順位を上げている。

 ゴールドアリュールは1999年3月3日のひなまつりの日に,父サンデーサイレンス(USA),母ニキーヤ(USA)との間に生をうけた。栗東・池江泰郎厩舎に所属し,01年11月に京都競馬場でデビュー。2戦目,折り返しの新馬戦で初白星を挙げた。その後の4戦は勝ち切れず惜敗を繰り返したが,3歳(02年)の4月にダート路線に転向すると,2連勝。その勢いで挑んだ日本ダービーでも優勝したタニノギムレットと0.3秒差の5着に健闘してみせた。

 その後は再びダート路線を歩み,ジャパンダートダービーで7馬身差,ダービーグランプリで10馬身差の圧勝を演じた。11月のジャパンカップダートは5着に終わったが,暮れの東京大賞典では古馬を相手に快勝。この年にJRA賞の最優秀ダートホースに選ばれている。

 4歳初戦のフェブラリーSにも優勝して,G1連勝を果たしたが,その次のアンタレスSは今でも語り草になっている代表的なレースだ。59キロを背負いながら,2番手から直線で楽に抜け出し,2着イーグルカフェ(同じく59キロ)に10馬身もの差をつけた。圧勝の多いゴールドアリュールのレースの中でも特筆ものの1戦だ。

 直後の帝王賞のレース後,喘鳴症が見つかったため惜しまれながら引退した。通算成績16戦8勝。サンデーサイレンス産駒はJRAでG1レースを71勝しているが,ダートのG1(フェブラリーS)を勝っているのはゴールドアリュール1頭だけである。

 先月号のJBBA NEWSによると,09年に供用が予定されているサンデーサイレンス直仔の種牡馬は73頭いる。この厳しい後継者争いを勝ち抜いていくには他の馬にない特長が必要だ。ゴールドアリュールにとっての強みは「ダート」ということがいえそうだ。


JBBA NEWS 2009年6月号より転載