第5コーナー ~競馬余話~
第47回 「多様性」
2015.02.17
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少し古い話になるが、昨年12月に行われた2歳牝馬のGⅠレース、阪神ジュベナイルフィリーズは出走馬18頭の種牡馬がすべて違っていたことが話題になった。
枠順通りに出走馬と種牡馬を並べてみよう。
①ロカ(ハービンジャー(GB))
②エフェクト(スクワートルスクワート(USA))
③アルマオンディーナ(キンシャサノキセキ(AUS))
④ココロノアイ(ステイゴールド)
⑤スマートプラネット(ファルブラヴ(IRE))
⑥トーセンラーク(アルデバランⅡ(USA))
⑦アカリアイドル(サクラバクシンオー)
⑧オーミアリス(ホワイトマズル(GB))
⑨アローシルバー(スペシャルウィーク)
⑩クールホタルビ(マツリダゴッホ)
⑪レッツゴードンキ(キングカメハメハ)
⑫カボスチャン(タニノギムレット)
⑬コートシャルマン(ハーツクライ)
⑭ダイワプロパー(ダイワメジャー)
⑮レオパルディナ(スニッツェル(AUS))
⑯ショウナンアデラ(ディープインパクト)
⑰ダノングラシアス(マンハッタンカフェ)
⑱ムーンエクスプレス(アドマイヤムーン)
このようにGⅠレースで全出走馬の種牡馬が違った例を探したところ、2009年12月のジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)に行き着いた。この時の出走馬と種牡馬も列記しておきたい。
①エスポワールシチー(ゴールドアリュール)
②サクセスブロッケン(シンボリクリスエス(USA))
③アドマイヤスバル(アドマイヤボス)
④ヴァーミリアン(エルコンドルパサー(USA))
⑤マコトスパルビエロ(ブライアンズタイム(USA))
⑥メイショウトウコン(マヤノトップガン)
⑦ティズウェイ(Tiznow(USA))
⑧ダイショウジェット(クリプティックラスカル(USA))
⑨ゴールデンチケット(キングカメハメハ)
⑩ボンネビルレコード(アサティス(USA))
⑪ラヴェリータ(Unbridled's Song(USA))
⑫シルクメビウス(ステイゴールド)
⑬スーニ(USA)(Soto(USA))
⑭ワンダースピード(キンググローリアス(USA))
⑮マルブツリード(アフリート(CAN))
⑯ワンダーアキュート(カリズマティック(USA))
それぞれのレースの結果も記しておく。阪神JFはショウナンアデラが優勝し、2着はレッツゴードンキ、3着はココロノアイという決着だった。種牡馬で並べるとディープインパクト、キングカメハメハ、ステイゴールドとなる。JCダートはエスポワールシチー、シルクメビウス、ゴールデンチケットの順で入線した。種牡馬でいうと、ゴールドアリュール、ステイゴールド、キングカメハメハとなる。
ディープインパクト、キングカメハメハという首位種牡馬が上位入線馬を送り出す。きわめて順当な結果だった。価値があるのは多様なメンバーの中で勝ち抜いたことだ。均一的な集団は環境の変化に弱いといわれる。逆にさまざまなキャラクターが共存している集団は危機に強い。違う種牡馬の18頭で争われた阪神JFは競馬界にとって健全なレースだったといえる。
2014年12月はディープインパクトのためにあった。JRA平地重賞11レースのうち実に7レースで優勝馬を送り出した。金鯱賞のラストインパクトから有馬記念のジェンティルドンナまで独り舞台だった。だが年が変わると様相も変わった。1月18日現在、JRAの平地重賞6レースでまだディープインパクト産駒は1勝もしていない。しかもスクリーンヒーロー(シンザン記念 グァンチャーレ)、ヴァーミリアン(フェアリーS ノットフォーマル)、アドマイヤドン(日経新春杯 アドマイヤデウス)、ハービンジャー(京成杯 ベルーフ)とこれが重賞初制覇となる種牡馬が続いている。
これはディープインパクトの「1頭独裁」にブレーキをかける多様化の動きが出てきているのだと僕は感じている。その分かれ道になったのが阪神JFだったのではないだろうか。
枠順通りに出走馬と種牡馬を並べてみよう。
①ロカ(ハービンジャー(GB))
②エフェクト(スクワートルスクワート(USA))
③アルマオンディーナ(キンシャサノキセキ(AUS))
④ココロノアイ(ステイゴールド)
⑤スマートプラネット(ファルブラヴ(IRE))
⑥トーセンラーク(アルデバランⅡ(USA))
⑦アカリアイドル(サクラバクシンオー)
⑧オーミアリス(ホワイトマズル(GB))
⑨アローシルバー(スペシャルウィーク)
⑩クールホタルビ(マツリダゴッホ)
⑪レッツゴードンキ(キングカメハメハ)
⑫カボスチャン(タニノギムレット)
⑬コートシャルマン(ハーツクライ)
⑭ダイワプロパー(ダイワメジャー)
⑮レオパルディナ(スニッツェル(AUS))
⑯ショウナンアデラ(ディープインパクト)
⑰ダノングラシアス(マンハッタンカフェ)
⑱ムーンエクスプレス(アドマイヤムーン)
このようにGⅠレースで全出走馬の種牡馬が違った例を探したところ、2009年12月のジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)に行き着いた。この時の出走馬と種牡馬も列記しておきたい。
①エスポワールシチー(ゴールドアリュール)
②サクセスブロッケン(シンボリクリスエス(USA))
③アドマイヤスバル(アドマイヤボス)
④ヴァーミリアン(エルコンドルパサー(USA))
⑤マコトスパルビエロ(ブライアンズタイム(USA))
⑥メイショウトウコン(マヤノトップガン)
⑦ティズウェイ(Tiznow(USA))
⑧ダイショウジェット(クリプティックラスカル(USA))
⑨ゴールデンチケット(キングカメハメハ)
⑩ボンネビルレコード(アサティス(USA))
⑪ラヴェリータ(Unbridled's Song(USA))
⑫シルクメビウス(ステイゴールド)
⑬スーニ(USA)(Soto(USA))
⑭ワンダースピード(キンググローリアス(USA))
⑮マルブツリード(アフリート(CAN))
⑯ワンダーアキュート(カリズマティック(USA))
それぞれのレースの結果も記しておく。阪神JFはショウナンアデラが優勝し、2着はレッツゴードンキ、3着はココロノアイという決着だった。種牡馬で並べるとディープインパクト、キングカメハメハ、ステイゴールドとなる。JCダートはエスポワールシチー、シルクメビウス、ゴールデンチケットの順で入線した。種牡馬でいうと、ゴールドアリュール、ステイゴールド、キングカメハメハとなる。
ディープインパクト、キングカメハメハという首位種牡馬が上位入線馬を送り出す。きわめて順当な結果だった。価値があるのは多様なメンバーの中で勝ち抜いたことだ。均一的な集団は環境の変化に弱いといわれる。逆にさまざまなキャラクターが共存している集団は危機に強い。違う種牡馬の18頭で争われた阪神JFは競馬界にとって健全なレースだったといえる。
2014年12月はディープインパクトのためにあった。JRA平地重賞11レースのうち実に7レースで優勝馬を送り出した。金鯱賞のラストインパクトから有馬記念のジェンティルドンナまで独り舞台だった。だが年が変わると様相も変わった。1月18日現在、JRAの平地重賞6レースでまだディープインパクト産駒は1勝もしていない。しかもスクリーンヒーロー(シンザン記念 グァンチャーレ)、ヴァーミリアン(フェアリーS ノットフォーマル)、アドマイヤドン(日経新春杯 アドマイヤデウス)、ハービンジャー(京成杯 ベルーフ)とこれが重賞初制覇となる種牡馬が続いている。
これはディープインパクトの「1頭独裁」にブレーキをかける多様化の動きが出てきているのだと僕は感じている。その分かれ道になったのが阪神JFだったのではないだろうか。