第5コーナー ~競馬余話~
第46回 「父超え」
2015.01.06
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11月23日に京都競馬場で行われたマイルチャンピオンシップは、岩田康誠騎手騎乗のダノンシャークが福永祐一騎手のフィエロとの競り合いを制し、GⅠレース初勝利を挙げた。2頭の着差は約5センチという大接戦だった。
このレースには6頭のディープインパクト産駒が出走していた。結果はダノンシャークが優勝、フィエロが2着、トーセンラーが4着、エキストラエンドが5着と4頭が掲示板(5着以内)を確保した。そしてワールドエースが8着。もっとも人気を集めたミッキーアイルが13着に終わったのは皮肉だったが、それでも「京都のマイルはディープインパクト」といわれるだけの結果を残した。
今年、京都競馬場で行われた芝1600メートルの重賞レースは6レースだった。そのうち5レースをディープインパクト産駒が制した。京都金杯がエキストラエンド、シンザン記念がミッキーアイル、京都牝馬Sがウリウリ、マイラーズカップがワールドエース、そしてマイルチャンピオンシップがダノンシャークだ。こんな種牡馬がいただろうか。比べられるとしたら、ディープインパクトの父サンデーサイレンス(USA)だけだろう。
ディープインパクト産駒がデビューした2010年から5年が終わろうとしている。そこで5年目の時点で息子のディープインパクトと父親のサンデーサイレンスの種牡馬としてのJRAでの成績を比べてみた。
ディープインパクトは1年目が41勝、2年目が135勝、3年目216勝、4年目が203勝、5年目は12月15日現在で220勝と自己最多を更新している。通算勝利も815勝を数える。
一方のサンデーサイレンスはどうか。1年目の1994年は30勝、2年目は100勝、3年目は111勝、4年目は127勝、5年目に157勝を挙げ、この時点で通算525勝。当時、向かうところ敵なし、ただただ驚いていたサンデーサイレンスの実績だったが、こうしてみると、息子のディープインパクトの方がはるかに上をいく成績を残している。
GⅠレースの実績でも息子は父親を凌駕する。5年目を終わった時点でサンデーサイレンスは11頭のGⅠ馬を送り出し、勝ち星は14に達していた。ディープインパクトはこれまでに16頭のGⅠ馬が誕生し、国内で5勝を挙げたジェンティルドンナなどが計21勝している。阪神ジュベナイルフィリーズでショウナンアデラが快勝し、ディープ娘9頭目のGⅠ馬になった。16頭のうち過半数の9頭が牝馬なのもディープインパクトの特徴かもしれない。
はじめに「京都のマイルはディープインパクト」と書いたが、実は「阪神のマイルもディープインパクト」だった。この原稿を書いている時点で朝日杯フューチュリティステークスを残しているが、これまでに終了したアーリントンカップはミッキーアイル、チューリップ賞と桜花賞はハープスター、そして阪神JFのショウナンアデラだ。4戦4勝のパーフェクト実績だ。
京都競馬場の芝1600メートルの重賞レースで唯一ディープインパクト産駒が勝てなかったのは、11月にあったデイリー杯2歳Sだ。勝てないのは当たり前で、このレースにはディープインパクトの産駒が出走していなかった。優勝したのはタガノエスプレッソで、その父はブラックタイド。ブラックタイドの血統は父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア(IRE)。そうディープインパクトの1歳上の全兄なのだ。2014年のマイル重賞は京都も阪神も、ある意味、ディープインパクトに制圧されたともいえる。
「父超え」に成功したディープインパクトだが、ここからハードルはグンと上がる。サンデーサイレンスは7年目に238勝、8年目に261勝と、ここから一段ギアを上げ、11年目には328勝という年間最多勝記録を打ち立てた。最初の3年は種付頭数が100頭に満たなかったサンデーサイレンスに比べ、初年度から215頭に種付けしたディープインパクトは環境に恵まれてのスタートだった。期待通りの結果を出しているのは素晴らしいが、日本一の種牡馬を期待されるディープインパクトは、これからが正念場になる。
このレースには6頭のディープインパクト産駒が出走していた。結果はダノンシャークが優勝、フィエロが2着、トーセンラーが4着、エキストラエンドが5着と4頭が掲示板(5着以内)を確保した。そしてワールドエースが8着。もっとも人気を集めたミッキーアイルが13着に終わったのは皮肉だったが、それでも「京都のマイルはディープインパクト」といわれるだけの結果を残した。
今年、京都競馬場で行われた芝1600メートルの重賞レースは6レースだった。そのうち5レースをディープインパクト産駒が制した。京都金杯がエキストラエンド、シンザン記念がミッキーアイル、京都牝馬Sがウリウリ、マイラーズカップがワールドエース、そしてマイルチャンピオンシップがダノンシャークだ。こんな種牡馬がいただろうか。比べられるとしたら、ディープインパクトの父サンデーサイレンス(USA)だけだろう。
ディープインパクト産駒がデビューした2010年から5年が終わろうとしている。そこで5年目の時点で息子のディープインパクトと父親のサンデーサイレンスの種牡馬としてのJRAでの成績を比べてみた。
ディープインパクトは1年目が41勝、2年目が135勝、3年目216勝、4年目が203勝、5年目は12月15日現在で220勝と自己最多を更新している。通算勝利も815勝を数える。
一方のサンデーサイレンスはどうか。1年目の1994年は30勝、2年目は100勝、3年目は111勝、4年目は127勝、5年目に157勝を挙げ、この時点で通算525勝。当時、向かうところ敵なし、ただただ驚いていたサンデーサイレンスの実績だったが、こうしてみると、息子のディープインパクトの方がはるかに上をいく成績を残している。
GⅠレースの実績でも息子は父親を凌駕する。5年目を終わった時点でサンデーサイレンスは11頭のGⅠ馬を送り出し、勝ち星は14に達していた。ディープインパクトはこれまでに16頭のGⅠ馬が誕生し、国内で5勝を挙げたジェンティルドンナなどが計21勝している。阪神ジュベナイルフィリーズでショウナンアデラが快勝し、ディープ娘9頭目のGⅠ馬になった。16頭のうち過半数の9頭が牝馬なのもディープインパクトの特徴かもしれない。
はじめに「京都のマイルはディープインパクト」と書いたが、実は「阪神のマイルもディープインパクト」だった。この原稿を書いている時点で朝日杯フューチュリティステークスを残しているが、これまでに終了したアーリントンカップはミッキーアイル、チューリップ賞と桜花賞はハープスター、そして阪神JFのショウナンアデラだ。4戦4勝のパーフェクト実績だ。
京都競馬場の芝1600メートルの重賞レースで唯一ディープインパクト産駒が勝てなかったのは、11月にあったデイリー杯2歳Sだ。勝てないのは当たり前で、このレースにはディープインパクトの産駒が出走していなかった。優勝したのはタガノエスプレッソで、その父はブラックタイド。ブラックタイドの血統は父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア(IRE)。そうディープインパクトの1歳上の全兄なのだ。2014年のマイル重賞は京都も阪神も、ある意味、ディープインパクトに制圧されたともいえる。
「父超え」に成功したディープインパクトだが、ここからハードルはグンと上がる。サンデーサイレンスは7年目に238勝、8年目に261勝と、ここから一段ギアを上げ、11年目には328勝という年間最多勝記録を打ち立てた。最初の3年は種付頭数が100頭に満たなかったサンデーサイレンスに比べ、初年度から215頭に種付けしたディープインパクトは環境に恵まれてのスタートだった。期待通りの結果を出しているのは素晴らしいが、日本一の種牡馬を期待されるディープインパクトは、これからが正念場になる。