北海道馬産地ファイターズ
第11回 馬産地見学ガイドツアーについて
2009.11.01
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ツアーが終わった。こう表記すると,なんだか全国公演を終えたミュージシャンぽいかなと思ったのだが,自分が行ってきたツアーとは,前回のコラムでも書いたとおり,JBBAが企画し,10月9日から11日まで行われた「馬産地見学ガイドツアー」である。
なんと2泊3日で東は浦河から西は安平町まで,2つの個人牧場と3つのオーナーブリーダー,11カ所のスタリオンステーションと,2つの乗馬観光施設。はたまた北海道市場からウインズ静内までという,とても3日間の行程とは思えないようなスケジュール。
しかも宿泊先では生産者を招いてのイベントを開催。北海道市場ではレアグッズのチャリティーオークションを,実際の鑑定人を立てた上で電光掲示板も表示させて行うなど,ツアー主催者の視点からしても,「やり過ぎじゃないか?」と何度も行程表を見直した。
このツアーには打ち合わせから参加させてもらっているのだが,その時に日程案を目にした時には内心,「このツアーを実現させるのは不可能だろう」と思っていた。仮日程だったものがそのまま本日程となった時でさえも「これを全て回るのは無理に決まっている」と思ったほどである。
その上,ツアー初日はこの10年で最大級の勢力を保ったとされる台風18号が日本に上陸。その後は北海道を目指して北上しており,東京からのツアー参加者を乗せた飛行機が着かないのではとも心配していた。
幸いにも飛行機の到着は遅れたものの,定刻より若干の遅れが出ただけでバスを発車することができた。バスの中では行程表通りに事が運ぶかばかりが気になって,時計ばかりを見ていたのだが,時間通り,時には時間よりも早く見学地に到着することができた。後で話を聞くと,ふるさと案内所日高スタッフが全ての行程において実測調査をしてくれていたのだという。
また,行く先々では見学馬の展示が用意されており,中には馬と一緒に記念写真を撮らせてくれるスタッフの方もいた。時間通りにスケジュールが進むだけでも有り難いことだったのに,ここまで至れり尽くせりされてしまうと,次の見学地に到着した時の反動も大きいのではと考えてしまったが,むしろ当初の予定には無かったファンサービスが行く先々の牧場で行われ,自分もツアーの一員側に加わりたいと考えてしまった。
また,このツアーの最大の目玉といえるチャリティーオークションでは,とんでもないお宝競馬グッズが数多く上場され,このときには,本来ならせりに参加できない自分も思わず手を挙げてしまったほどである。立場上,落札できなかったのは悔しいことではあるが,ツアーの方にはせりに参加することの駆け引きや熱気が感じられたはずとは,せりに加わった者の意見でもある。
ここで改めて見学にご協力いただいた牧場の皆さん,そしてオークションに貴重なグッズを提供していただいた皆さん,また,ふるさと案内所スタッフの皆さん,HBAスタッフの皆さん,IBAスタッフの皆さん,そしてJBBAスタッフの皆さんに,素晴らしいツアーを作っていただいたことに対して,心からお礼を言いたい。
結局,ツアーコンダクターなどという肩書きを名乗るには10年早かった自分ではあるが,同行者の一員としてツアー参加者と話をしていく中で,ほとんどの方が満足していた表情を浮かべられていたことが本当に嬉しかった。
こうした熱気が伝わったのだろうか。見学先では帰り際に幾度となく「来年もお待ちしてます」と声をかけられることさえあった。
チャリティーオークションには,また目玉となるグッズを出しますと約束してくれたスタリオン関係者もいれば,連絡先を交換して,ツアー参加者と競馬場や牧場での再会を誓っていた生産者の姿も見られた。
新千歳空港に到着する前に,マイクを持って挨拶をさせてもらったのだが,3日間を振り返ると少しだけ涙が出そうにもなった。帰り際,笑顔で「ありがとうございます」との言葉をかけられた時には,平静を保つのが大変だった。
こうなると来年もツアーを行わないわけにはいかないような気がしてくる。となると,先ほどお礼をさせていただいた関係各位の方々にはまたご迷惑をかけることになるかと思うのだが,その時は,ツアーコンダクター見習いとしても,微力ながらお手伝いをさせていただければと思う。
JBBA NEWS 2009年11月号より転載
なんと2泊3日で東は浦河から西は安平町まで,2つの個人牧場と3つのオーナーブリーダー,11カ所のスタリオンステーションと,2つの乗馬観光施設。はたまた北海道市場からウインズ静内までという,とても3日間の行程とは思えないようなスケジュール。
しかも宿泊先では生産者を招いてのイベントを開催。北海道市場ではレアグッズのチャリティーオークションを,実際の鑑定人を立てた上で電光掲示板も表示させて行うなど,ツアー主催者の視点からしても,「やり過ぎじゃないか?」と何度も行程表を見直した。
このツアーには打ち合わせから参加させてもらっているのだが,その時に日程案を目にした時には内心,「このツアーを実現させるのは不可能だろう」と思っていた。仮日程だったものがそのまま本日程となった時でさえも「これを全て回るのは無理に決まっている」と思ったほどである。
その上,ツアー初日はこの10年で最大級の勢力を保ったとされる台風18号が日本に上陸。その後は北海道を目指して北上しており,東京からのツアー参加者を乗せた飛行機が着かないのではとも心配していた。
幸いにも飛行機の到着は遅れたものの,定刻より若干の遅れが出ただけでバスを発車することができた。バスの中では行程表通りに事が運ぶかばかりが気になって,時計ばかりを見ていたのだが,時間通り,時には時間よりも早く見学地に到着することができた。後で話を聞くと,ふるさと案内所日高スタッフが全ての行程において実測調査をしてくれていたのだという。
また,行く先々では見学馬の展示が用意されており,中には馬と一緒に記念写真を撮らせてくれるスタッフの方もいた。時間通りにスケジュールが進むだけでも有り難いことだったのに,ここまで至れり尽くせりされてしまうと,次の見学地に到着した時の反動も大きいのではと考えてしまったが,むしろ当初の予定には無かったファンサービスが行く先々の牧場で行われ,自分もツアーの一員側に加わりたいと考えてしまった。
また,このツアーの最大の目玉といえるチャリティーオークションでは,とんでもないお宝競馬グッズが数多く上場され,このときには,本来ならせりに参加できない自分も思わず手を挙げてしまったほどである。立場上,落札できなかったのは悔しいことではあるが,ツアーの方にはせりに参加することの駆け引きや熱気が感じられたはずとは,せりに加わった者の意見でもある。
ここで改めて見学にご協力いただいた牧場の皆さん,そしてオークションに貴重なグッズを提供していただいた皆さん,また,ふるさと案内所スタッフの皆さん,HBAスタッフの皆さん,IBAスタッフの皆さん,そしてJBBAスタッフの皆さんに,素晴らしいツアーを作っていただいたことに対して,心からお礼を言いたい。
結局,ツアーコンダクターなどという肩書きを名乗るには10年早かった自分ではあるが,同行者の一員としてツアー参加者と話をしていく中で,ほとんどの方が満足していた表情を浮かべられていたことが本当に嬉しかった。
こうした熱気が伝わったのだろうか。見学先では帰り際に幾度となく「来年もお待ちしてます」と声をかけられることさえあった。
チャリティーオークションには,また目玉となるグッズを出しますと約束してくれたスタリオン関係者もいれば,連絡先を交換して,ツアー参加者と競馬場や牧場での再会を誓っていた生産者の姿も見られた。
新千歳空港に到着する前に,マイクを持って挨拶をさせてもらったのだが,3日間を振り返ると少しだけ涙が出そうにもなった。帰り際,笑顔で「ありがとうございます」との言葉をかけられた時には,平静を保つのが大変だった。
こうなると来年もツアーを行わないわけにはいかないような気がしてくる。となると,先ほどお礼をさせていただいた関係各位の方々にはまたご迷惑をかけることになるかと思うのだが,その時は,ツアーコンダクター見習いとしても,微力ながらお手伝いをさせていただければと思う。
JBBA NEWS 2009年11月号より転載