第5コーナー ~競馬余話~
第40回 祖母力
2014.07.14
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最近「祖母」を気にしている。できるだけ血統表をチェックするようにしている。
きっかけを作ってくれたのは第74代桜花賞馬ハープスターだ。ハープスターの母はヒストリックスター。ヒストリックスターの母つまりハープスターの祖母は第53代桜花賞馬ベガなのである。1993年の桜花賞とオークスを制するなど競走馬として大活躍したベガは繁殖牝馬としても偉大な実績を残した。
96年にサンデーサイレンス(USA)との間に出産した第1子はアドマイヤベガ。99年のダービー馬だ。99年にティンバーカントリー(USA)との交配で誕生したアドマイヤドンは2002~04年にJBCクラシックを3連覇するなど芝とダート合わせてGⅠレースで7勝を挙げた。5番目に初めて牝馬のヒストリックスターを産んだ。そのヒストリックスターがハープスターの母になった。
前哨戦の青葉賞を制してダービーに出走したショウナンラグーンも祖母はGⅠ馬だった。ショウナンラグーンの母はメジロシャレード。メジロシャレードの母は98、99年のエリザベス女王杯を2連覇するなどGⅠレースで計5勝を挙げたメジロドーベルである。メジロドーベルの系統はこれまで活躍馬を送り出すことができずにいたが、ショウナンラグーンの登場で名門復活の兆しが見えた。
6月15日現在、JRAで今年55頭の平地重賞勝ち馬が誕生した。この55頭の母系を見てみると、祖母に名牝を持つ馬が数頭いることに気づく。ハープスターやショウナンラグーンのほかでは、AJC杯を制したヴェルデグリーン、京都新聞杯勝ちのハギノハイブリッドがそうだ。
ヴェルデグリーンの母の母はウメノファイバー。99年のオークス馬だ。ハギノハイブリッドの母の母はサイレントハピネス。95年に4歳牝馬特別(現フローラS)、ローズSと二つのGⅡレースで優勝した。小倉大賞典で重賞初制覇を果たしたラストインパクトの母の母はパシフィカス(USA)。パシフィカスに日本での競走経験はないが、母として菊花賞などGⅠレース3勝のビワハヤヒデ、そして3冠馬ナリタブライアンを送り出した歴史的な名牝だ。
そうした観点でレースを見ていたら、JRAで6月7日に始まった2歳戦でも名牝の孫たちが勝ち上がった。
6月14日の東京競馬場でデビュー勝ちを飾ったのはクロフネ(USA)を父に持つホワイトエレガンス(牝)だった。ホワイトエレガンスの母はレディベローナで、その母はシンコウラブリイ(IRE)だ。シンコウラブリイは93年のマイルチャンピオンシップで優勝するなど計10勝を挙げた。
ホワイトエレガンスが勝ち上がった翌日、同じく東京競馬場で白星発進したのがディープインパクト産駒のアヴニールマルシェ(牡)である。アヴニールマルシェの母はヴィートマルシェ、そしてその母はキョウエイマーチだ。キョウエイマーチは97年の桜花賞馬。桜花賞ではショウナンラグーンの祖母として前述したメジロドーベルを下して優勝した。繁殖牝馬としても優秀で、産駒のトライアンフマーチやインペリアルマーチが好成績をあげている。ヴィートマルシェはキョウエイマーチにとっての第1子で9戦1勝の成績を残して引退した。
今年忘れてはいけない「祖母」がいる。
90年生まれのアイリッシュダンスだ。95年に新潟大賞典(福島競馬場)と新潟記念を制するなど9勝を挙げた。6番子がオメガアイランドで、オメガアイランドの娘オメガハートロックが今年フェアリーSで優勝した。桜花賞、オークスの有力候補の1頭だったが、故障に泣き、大舞台を踏むことはできなかった。
アイリッシュダンスがオメガアイランドの1年前に産んだのが種牡馬ハーツクライだ。ヌーヴォレコルト(オークス)、ワンアンドオンリー(ダービー)、ジャスタウェイ(安田記念)と産駒が3週連続のGⅠレース制覇と乗りに乗っている。ジャスタウェイにとってアイリッシュダンスは父方の祖母。これからもしばらく「祖母」から目を離さずにいよう。
きっかけを作ってくれたのは第74代桜花賞馬ハープスターだ。ハープスターの母はヒストリックスター。ヒストリックスターの母つまりハープスターの祖母は第53代桜花賞馬ベガなのである。1993年の桜花賞とオークスを制するなど競走馬として大活躍したベガは繁殖牝馬としても偉大な実績を残した。
96年にサンデーサイレンス(USA)との間に出産した第1子はアドマイヤベガ。99年のダービー馬だ。99年にティンバーカントリー(USA)との交配で誕生したアドマイヤドンは2002~04年にJBCクラシックを3連覇するなど芝とダート合わせてGⅠレースで7勝を挙げた。5番目に初めて牝馬のヒストリックスターを産んだ。そのヒストリックスターがハープスターの母になった。
前哨戦の青葉賞を制してダービーに出走したショウナンラグーンも祖母はGⅠ馬だった。ショウナンラグーンの母はメジロシャレード。メジロシャレードの母は98、99年のエリザベス女王杯を2連覇するなどGⅠレースで計5勝を挙げたメジロドーベルである。メジロドーベルの系統はこれまで活躍馬を送り出すことができずにいたが、ショウナンラグーンの登場で名門復活の兆しが見えた。
6月15日現在、JRAで今年55頭の平地重賞勝ち馬が誕生した。この55頭の母系を見てみると、祖母に名牝を持つ馬が数頭いることに気づく。ハープスターやショウナンラグーンのほかでは、AJC杯を制したヴェルデグリーン、京都新聞杯勝ちのハギノハイブリッドがそうだ。
ヴェルデグリーンの母の母はウメノファイバー。99年のオークス馬だ。ハギノハイブリッドの母の母はサイレントハピネス。95年に4歳牝馬特別(現フローラS)、ローズSと二つのGⅡレースで優勝した。小倉大賞典で重賞初制覇を果たしたラストインパクトの母の母はパシフィカス(USA)。パシフィカスに日本での競走経験はないが、母として菊花賞などGⅠレース3勝のビワハヤヒデ、そして3冠馬ナリタブライアンを送り出した歴史的な名牝だ。
そうした観点でレースを見ていたら、JRAで6月7日に始まった2歳戦でも名牝の孫たちが勝ち上がった。
6月14日の東京競馬場でデビュー勝ちを飾ったのはクロフネ(USA)を父に持つホワイトエレガンス(牝)だった。ホワイトエレガンスの母はレディベローナで、その母はシンコウラブリイ(IRE)だ。シンコウラブリイは93年のマイルチャンピオンシップで優勝するなど計10勝を挙げた。
ホワイトエレガンスが勝ち上がった翌日、同じく東京競馬場で白星発進したのがディープインパクト産駒のアヴニールマルシェ(牡)である。アヴニールマルシェの母はヴィートマルシェ、そしてその母はキョウエイマーチだ。キョウエイマーチは97年の桜花賞馬。桜花賞ではショウナンラグーンの祖母として前述したメジロドーベルを下して優勝した。繁殖牝馬としても優秀で、産駒のトライアンフマーチやインペリアルマーチが好成績をあげている。ヴィートマルシェはキョウエイマーチにとっての第1子で9戦1勝の成績を残して引退した。
今年忘れてはいけない「祖母」がいる。
90年生まれのアイリッシュダンスだ。95年に新潟大賞典(福島競馬場)と新潟記念を制するなど9勝を挙げた。6番子がオメガアイランドで、オメガアイランドの娘オメガハートロックが今年フェアリーSで優勝した。桜花賞、オークスの有力候補の1頭だったが、故障に泣き、大舞台を踏むことはできなかった。
アイリッシュダンスがオメガアイランドの1年前に産んだのが種牡馬ハーツクライだ。ヌーヴォレコルト(オークス)、ワンアンドオンリー(ダービー)、ジャスタウェイ(安田記念)と産駒が3週連続のGⅠレース制覇と乗りに乗っている。ジャスタウェイにとってアイリッシュダンスは父方の祖母。これからもしばらく「祖母」から目を離さずにいよう。