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プロフィール
村本浩平スポーツライター

1972北海道生まれ。
 札幌市在住。
大学在学中に「第1回Numberスポーツノンフィクション新人賞」を授賞。
大学卒業後は競走馬育成牧場に勤務。
生産・育成の現場への深い理解と知識を生かした執筆活動を行う。
現在は「優駿」「サラブレ」「競馬ブック」などの競馬雑誌に寄稿する他、競走馬のふるさと案内所のニュース記事等も担当。
エッセーのタイトルは造詣の深い「北海道日本ハムファイターズ」から。

最新記事一覧

  • 第187回 『お父さんのこと』 2024.07.18

     田中哲実さんが5月13日に亡くなった。田中さんは岩手競馬史上最強馬とも称された、トウケイニセイの生産者であり、そして、生まれ故郷である浦河に根付きながら、ライターとカメラマンを兼任していた。  哲実さんは亡くなった当日も自宅で朝食と昼食を食べ終え、仕事へと出かけていった妻の綾恵さんを見送ったという。ただ、夕方に体調の悪化を綾恵さんに電話で伝えると、救急車が着いた頃には意識も混濁としており、搬送先の浦河の病院で68...

  • 第186回 『キャッチコピー』 2024.06.18

     馬産地ライターが、コピーライターになってみた。  毎年、ホッカイドウ競馬で開催されているスタリオンシリーズの「スタリオンシリーズ競走種牡馬名鑑」を書かせてもらっている筆者ではあるが、発注先の代理店から、「今年、所属騎手のポスターを制作するのですが、もしよろしければキャッチコピーを考えていただければと思いまして…」と言われた。実はと言うか、名前を出してない仕事の中では、こうしたキャッチコピーや見出しを頼まれるこ...

  • 第185回 『ホースマンの副業』 2024.05.21

     POG(ペーパーオーナーゲーム)の取材で、2歳馬の育成を手掛ける三嶋牧場育成場を訪ねた時の話となる。  撮影が終わり、取材場所となるスタッフルームへと足を運ぶと、テーブルに浦河町内にあるインドカレー店の「マールワール」のショップカードが置いてあるのに気づいた。  興味があって手に取ると、三嶋牧場の藤井健太調教主任が、「このお店、ウチのスタッフが経営している店なんです」と話し出す。一瞬、その事実が理解できずに...

  • 第184回 『聴く競馬』 2024.04.18

     取材で運転する機会が多いこともあるのだが、かなりのラジオリスナーである。  車内ではまさに時報替わりにラジオを流しており、その都度、同じ番組ばかりを聴いているがばかりに今では時計を見なくとも、何時ぐらいかを耳で判別できるようになった。  しかしながら、頻繁に取材で赴く日高地方は、静内から国道235号線を南下していくと、FMもAMもカーステレオでの受信が危うくなっていく。それも野球中継や競馬中継を聴いている時だ...

  • 第183回 『労働讃歌』 2024.03.19

     最近、筆者と同じ50代前半、もしくは40代のホースマンと話す機会が増えてきた。その際に共通のテーマとして盛り上がるのが、この世界に飛び込んだ頃の労働環境である。  筆者も20代の頃に僅かながら育成牧場で働いた時期がある。そこは週休一日の勤務となっていた(その他に夏と冬にまとまった休みを取ることもできた)。  だが、当時にそこまで休みがあった牧場は珍しかったらしく、別の牧場で騎乗スタッフを務めていたあるホースマンか...

  • 第182回 『オフシーズンの利用法』 PARTⅡ 2024.02.16

    開催期間を終えた競馬場は、「パークウインズ」として、場外発売が行われている。  JRA北海道シリーズが行われていた札幌競馬場も例外ではなく、馬券派の筆者は開催終了後にも幾度となく足を運んでいた。  パークウインズ開催中は馬券の購入エリアこそ限定されていたものの、フードコートや売店はオープンしている。また、ファンファーレホール内には、競馬初心者を対象とした「ビギナーズカウンター」も設置されていた。  一応、開...

  • 第181回 『オフシーズンの利用法』 2024.01.18

     北海道日本ハムファイターズが2023年シーズンから、本拠地として使用している「エスコンフィールドHOKKAIDO」の入場者数が、9月末日に300万人を超えたことが、同スタジアムを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントから発表された。  この300万人の数字の中にはスタジアムの周辺エリアを含めた「北海道ボールパークFビレッジ」(以下、Fビレッジ)の入場者も含まれている。それでもプレオープンした3月から約半年間で、300万...

  • 第180回 『うまカルフェス』 2023.12.19

     10月28日(土)、午前9時半の北海道市場。その日、せりの開催が無い駐車場には数十台の車と、大型バス2台が止まっていた。  車から降りると、いつもは上場馬が展示されている屋外パレードリンクの方から、イベント告知のマイクが聞こえてくる。声の方に歩いていくと、そこには朝早くから多くの来場者だけでなく、馬車を引く馬、子供を乗せた乗馬、そして繁殖牝馬となったユーバーレーベンと、様々な馬の姿が目に入ってきた。  10月28日...

  • 第179回 『見学の申し込み』 2023.11.20

     日高軽種馬農業協同組合が北海道市場で開催する定期市場。近年は多数の来場者もある中で荷物を置かせてもらったり、原稿執筆の場所を提供していただいているのが、競走馬のふるさと日高案内所内に作ってもらった、マスコミルーム(仮称)である。  マスコミルームには充分な速度のWi-Fiが飛んでいるだけでなく、多数の報道陣が一斉にパソコンを広げてもへっちゃらなコンセントも完備。しかも、部屋にはエアコンも稼働しており、せりにやって...

  • 第178回 『インバウンドと馬産地観光』 2023.10.18

     とんでもない話を聞いた。  ホッカイドウ競馬の生配信番組である「なまちゃき」に出演すべく、早めに門別競馬場へ行った時の話となる。  出演前に取材陣の控室へ挨拶に行ったとき、帯広から門別へと通っているKカメラマンが、「聞いてくださいよ!」といつもの温厚そうな表情とは正反対の、かなり憤慨した様子で話しかけてきた。「新冠のサラブレッド銀座の近くを通ってきたのですが、ある牧場の放牧地に、どう見ても牧場の人ではない恰...

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