第5コーナー ~競馬余話~
第34回 キンカメの真価
2014.01.15
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快足ロードカナロアが現役最後のレースを白星で飾った。2013年12月8日、日本を代表するスプリンターが出走したのは香港・シャティン競馬場で行われた香港スプリントだった。芝1200mのGⅠレース。前年もこのレースを制しており、この日は連覇がかかっていた。
好スタートを切ると5、6番手を進んだ。4コーナー手前からスパートを開始し、最後の直線では後続を引き離す一方の独走となった。激しい2着争いを尻目に、アイルランド調教馬ソールパワーに5馬身もの差をつける快勝劇を演じた。
勝ちタイムの1分8秒25は昨年の同レースでマークした1分8秒50を0秒25更新する優秀なものだった。5歳になっても力の衰えがないことを証明した。
GⅠレースに限れば、2012年のスプリンターズS以降、香港スプリント、高松宮記念、安田記念、スプリンターズS、香港スプリントとこれで6戦6勝。海外の同一重賞を2連覇した馬として、エイシンプレストン(USA)(2002、2003年香港・クイーンエリザベス2世S)、オルフェーヴル(2012、2013年仏・フォワ賞)に次ぐ3頭目の栄誉に輝いた。
ロードカナロアは2008年3月11日、北海道新ひだか町のケイアイファームで生まれた。父キングカメハメハ、母レディブラッサム。栗東・安田隆行厩舎からデビューし、香港スプリントまで通算19戦13勝の成績を残した。今やキングカメハメハの代表産駒だ。
2013年の年末、キングカメハメハ産駒はもうひとつのGⅠタイトルを手にした。ジャパンカップダートで優勝したベルシャザールである。オルフェーヴルが優勝した2011年のダービーで3着になったこともあるベルシャザールは故障、ノドの手術などで競走生活に大きなブランクができた。2013年5月に戦列復帰した後はダート路線に進路を変更していた。ジャパンカップダート優勝はダート転向後6戦目というスピード出世の結果だった。
このレースには5頭のキングカメハメハ産駒が出走し、ベルシャザールが優勝。1番人気の支持を受けたホッコータルマエも3着になった。
無敵の短距離馬からパワー抜群のダートホースまで、キングカメハメハ産駒の多彩さには改めて驚かされる。「守備範囲」の広さは相当なものだ。
キングカメハメハ産駒の活躍の場は地方競馬にも広がっている。2013年は地方競馬で自身初のリーディングサイアーの座を狙える位置にいる。12月8日現在、サウスヴィグラス(USA)に6,000万円あまりの差をつけて首位を走る。
代表産駒のホッコータルマエが佐賀記念(佐賀)、名古屋大賞典(名古屋)、かしわ記念(船橋)、帝王賞(大井)、JBCクラシック(金沢)と地方で行われた交流重賞で5勝したのをはじめ、ハタノヴァンクール(川崎記念、門別・ブリーダーズゴールドC)、タイセイレジェンド(大井・東京盃)、ソリタリーキング(盛岡・マーキュリーC)、トーセンアドミラル(川崎・スパーキングサマーC)らが活躍、地方競馬で計216勝を挙げた。
キングカメハメハ産駒は中央競馬でも168勝(2013年12月8日現在)挙げたが、距離は1000mから2600mまで幅広い。芝で91勝、ダートで73勝とバランスもよく、障害レースでも4勝を積み上げた。種牡馬成績でキングカメハメハを抑えて首位をいくディープインパクトは、中央競馬での195勝のうち芝が174勝でダートは16勝(障害5勝)。芝に偏った内容になっている。産駒の多彩さではディープインパクトをはるかにしのぐ。
現役時代、ダービーを含む8戦7勝の成績を残したキングカメハメハは不運の故障により、3歳秋に引退した。2005年に種牡馬生活に入り、産駒は2008年から走り始めた。初年度から牝馬3冠に輝いたアパパネ、ジャパンカップ勝ちのローズキングダムを送り出すなど期待通りの成功を収め、2010、11年には2年連続でJRAのリーディングサイアーに輝いた。
怪物種牡馬ディープインパクトさえ現れなければ、今も首位を守っていたはずだ。2013年は体調を崩し、年間の種付頭数が80頭あまりに終わっている。ぜひ復活を果たし、また多様な産駒を送り出してほしい。
好スタートを切ると5、6番手を進んだ。4コーナー手前からスパートを開始し、最後の直線では後続を引き離す一方の独走となった。激しい2着争いを尻目に、アイルランド調教馬ソールパワーに5馬身もの差をつける快勝劇を演じた。
勝ちタイムの1分8秒25は昨年の同レースでマークした1分8秒50を0秒25更新する優秀なものだった。5歳になっても力の衰えがないことを証明した。
GⅠレースに限れば、2012年のスプリンターズS以降、香港スプリント、高松宮記念、安田記念、スプリンターズS、香港スプリントとこれで6戦6勝。海外の同一重賞を2連覇した馬として、エイシンプレストン(USA)(2002、2003年香港・クイーンエリザベス2世S)、オルフェーヴル(2012、2013年仏・フォワ賞)に次ぐ3頭目の栄誉に輝いた。
ロードカナロアは2008年3月11日、北海道新ひだか町のケイアイファームで生まれた。父キングカメハメハ、母レディブラッサム。栗東・安田隆行厩舎からデビューし、香港スプリントまで通算19戦13勝の成績を残した。今やキングカメハメハの代表産駒だ。
2013年の年末、キングカメハメハ産駒はもうひとつのGⅠタイトルを手にした。ジャパンカップダートで優勝したベルシャザールである。オルフェーヴルが優勝した2011年のダービーで3着になったこともあるベルシャザールは故障、ノドの手術などで競走生活に大きなブランクができた。2013年5月に戦列復帰した後はダート路線に進路を変更していた。ジャパンカップダート優勝はダート転向後6戦目というスピード出世の結果だった。
このレースには5頭のキングカメハメハ産駒が出走し、ベルシャザールが優勝。1番人気の支持を受けたホッコータルマエも3着になった。
無敵の短距離馬からパワー抜群のダートホースまで、キングカメハメハ産駒の多彩さには改めて驚かされる。「守備範囲」の広さは相当なものだ。
キングカメハメハ産駒の活躍の場は地方競馬にも広がっている。2013年は地方競馬で自身初のリーディングサイアーの座を狙える位置にいる。12月8日現在、サウスヴィグラス(USA)に6,000万円あまりの差をつけて首位を走る。
代表産駒のホッコータルマエが佐賀記念(佐賀)、名古屋大賞典(名古屋)、かしわ記念(船橋)、帝王賞(大井)、JBCクラシック(金沢)と地方で行われた交流重賞で5勝したのをはじめ、ハタノヴァンクール(川崎記念、門別・ブリーダーズゴールドC)、タイセイレジェンド(大井・東京盃)、ソリタリーキング(盛岡・マーキュリーC)、トーセンアドミラル(川崎・スパーキングサマーC)らが活躍、地方競馬で計216勝を挙げた。
キングカメハメハ産駒は中央競馬でも168勝(2013年12月8日現在)挙げたが、距離は1000mから2600mまで幅広い。芝で91勝、ダートで73勝とバランスもよく、障害レースでも4勝を積み上げた。種牡馬成績でキングカメハメハを抑えて首位をいくディープインパクトは、中央競馬での195勝のうち芝が174勝でダートは16勝(障害5勝)。芝に偏った内容になっている。産駒の多彩さではディープインパクトをはるかにしのぐ。
現役時代、ダービーを含む8戦7勝の成績を残したキングカメハメハは不運の故障により、3歳秋に引退した。2005年に種牡馬生活に入り、産駒は2008年から走り始めた。初年度から牝馬3冠に輝いたアパパネ、ジャパンカップ勝ちのローズキングダムを送り出すなど期待通りの成功を収め、2010、11年には2年連続でJRAのリーディングサイアーに輝いた。
怪物種牡馬ディープインパクトさえ現れなければ、今も首位を守っていたはずだ。2013年は体調を崩し、年間の種付頭数が80頭あまりに終わっている。ぜひ復活を果たし、また多様な産駒を送り出してほしい。