第5コーナー ~競馬余話~
第43回 共通点を探す
2014.10.16
Tweet
同じようなことが別々の場所で同時に起きることがある。
9月7日、JRA小倉競馬場では第34回小倉2歳Sが行われた。逃げたリッパーザウィンが粘ろうとするところ、ゴール前で後続が一気に殺到。15番人気の伏兵オーミアリスが1番人気のレオパルディナをハナ差捕らえて優勝。レオパルディナから4分の3馬身遅れた3着にはスノーエンジェルが突っ込んだ。この上位3頭に共通するのは、いずれも「牝馬」であること。17頭立てで行われた今年の小倉2歳Sには9頭の牝馬が出走していたが、見事に上位独占を果たした。
出走資格で性別を問わない平地重賞レースで牝馬が上位3着までを独占したのは今年2度目。2月に京都競馬場であったシルクロードS以来だった。この時は1着がストレイトガール(牝5歳)、2着がレディオブオペラ(牝4歳)、3着がリトルゲルダ(牝5歳)という結果だった。
よく言われるのは「マイル(1600㍍)までなら牝馬も牡馬と互角以上の勝負ができる」だ。小倉2歳S、シルクロードSはともに芝の1200㍍で争われた。格言を証明する内容だった。過去の中央競馬GⅠレースを振り返ってみても、タカラスチール、パッシングショット、シンコウラブリイ(IRE)、ノースフライト、ブルーメンブラットが芝1600㍍のマイルチャンピオンシップを制し、ダイイチルビー、ノースフライト、ウオッカが安田記念(芝1600㍍)で優勝。スプリンターズS(芝1200㍍)ではダイイチルビー、ニシノフラワー、フラワーパーク、ビリーヴ、アストンマーチャン、スリープレスナイト、カレンチャンと実に7頭が栄冠に輝くなど牝馬が素晴らしい実績を残している。
小倉2歳Sの10分後、新潟競馬場では第50回新潟記念がスタートした。最後の直線はハンデ戦らしい横一線の混戦になり、1着マーティンボロ、2着クランモンタナ、3着ラストインパクトという決着になった。この上位3頭に共通するのは「ディープインパクト産駒」ということだった。同じ日に行われた重賞レースは、ともに共通点のある3頭が上位を独占するという結果になった。リーディングサイアーのディープインパクトにとって重賞で産駒が上位3着までを独占するのは今年2度目。マイラーズCで1着ワールドエース、2着フィエロ、3着エキストラエンドが記録して以来で通算6度目の記録だった。しかしディープインパクトはすでに上位4頭独占という記録も2度記録している。2012年の京都新聞杯(トーセンホマレボシ、ベールドインパクト、エキストラエンド、ククイナッツレイ)と同年のローズS(ジェンティルドンナ、ヴィルシーナ、ラスヴェンチュラス、キャトルフィーユ)である。新潟記念にはほかにも4頭のディープインパクト産駒が出走していたが、7、8、9、12着に終わり、自己記録更新とはならなかった。
ディープインパクト産駒の強さには驚かされるが、上には上がいるものだ。怪物種牡馬サンデーサイレンス(USA)は05年のクイーンSでとんでもない記録を残している。上位6頭独占だ。レクレドール、ヘヴンリーロマンス、チアフルスマイル、デアリングハート、エルノヴァ、フィヨルドクルーズが順にゴールしている。桜花賞馬ダンスインザムードも出走していたが惜しくも8着。あと一つ着順が上なら上位7頭独占だった。
小倉2歳Sと新潟記念には、上位3頭が共通点を持つという以外に、別の点でも同じことが起こった。オーミアリスの国分優作騎手(23)、マーティンボロのナッシュ・ローウィラー騎手(39、オーストラリア)がともにJRA重賞初勝利だったことだ。
これだけのことが事前にわかっていれば、かなりの確率で当たり馬券にたどり着けるはずだが、こういうことは後から気づくものらしい。そんなことを考えながら、翌週の重賞レースをながめていたら、セントウルSはリトルゲルダ、京成杯AHはクラレントがそれぞれ優勝した。振り返ってみれば、両馬とも前走に続く重賞2連勝。またまた共通点が見つかった。しばらくはこの共通点探しに明け暮れることになりそうだ。
9月7日、JRA小倉競馬場では第34回小倉2歳Sが行われた。逃げたリッパーザウィンが粘ろうとするところ、ゴール前で後続が一気に殺到。15番人気の伏兵オーミアリスが1番人気のレオパルディナをハナ差捕らえて優勝。レオパルディナから4分の3馬身遅れた3着にはスノーエンジェルが突っ込んだ。この上位3頭に共通するのは、いずれも「牝馬」であること。17頭立てで行われた今年の小倉2歳Sには9頭の牝馬が出走していたが、見事に上位独占を果たした。
出走資格で性別を問わない平地重賞レースで牝馬が上位3着までを独占したのは今年2度目。2月に京都競馬場であったシルクロードS以来だった。この時は1着がストレイトガール(牝5歳)、2着がレディオブオペラ(牝4歳)、3着がリトルゲルダ(牝5歳)という結果だった。
よく言われるのは「マイル(1600㍍)までなら牝馬も牡馬と互角以上の勝負ができる」だ。小倉2歳S、シルクロードSはともに芝の1200㍍で争われた。格言を証明する内容だった。過去の中央競馬GⅠレースを振り返ってみても、タカラスチール、パッシングショット、シンコウラブリイ(IRE)、ノースフライト、ブルーメンブラットが芝1600㍍のマイルチャンピオンシップを制し、ダイイチルビー、ノースフライト、ウオッカが安田記念(芝1600㍍)で優勝。スプリンターズS(芝1200㍍)ではダイイチルビー、ニシノフラワー、フラワーパーク、ビリーヴ、アストンマーチャン、スリープレスナイト、カレンチャンと実に7頭が栄冠に輝くなど牝馬が素晴らしい実績を残している。
小倉2歳Sの10分後、新潟競馬場では第50回新潟記念がスタートした。最後の直線はハンデ戦らしい横一線の混戦になり、1着マーティンボロ、2着クランモンタナ、3着ラストインパクトという決着になった。この上位3頭に共通するのは「ディープインパクト産駒」ということだった。同じ日に行われた重賞レースは、ともに共通点のある3頭が上位を独占するという結果になった。リーディングサイアーのディープインパクトにとって重賞で産駒が上位3着までを独占するのは今年2度目。マイラーズCで1着ワールドエース、2着フィエロ、3着エキストラエンドが記録して以来で通算6度目の記録だった。しかしディープインパクトはすでに上位4頭独占という記録も2度記録している。2012年の京都新聞杯(トーセンホマレボシ、ベールドインパクト、エキストラエンド、ククイナッツレイ)と同年のローズS(ジェンティルドンナ、ヴィルシーナ、ラスヴェンチュラス、キャトルフィーユ)である。新潟記念にはほかにも4頭のディープインパクト産駒が出走していたが、7、8、9、12着に終わり、自己記録更新とはならなかった。
ディープインパクト産駒の強さには驚かされるが、上には上がいるものだ。怪物種牡馬サンデーサイレンス(USA)は05年のクイーンSでとんでもない記録を残している。上位6頭独占だ。レクレドール、ヘヴンリーロマンス、チアフルスマイル、デアリングハート、エルノヴァ、フィヨルドクルーズが順にゴールしている。桜花賞馬ダンスインザムードも出走していたが惜しくも8着。あと一つ着順が上なら上位7頭独占だった。
小倉2歳Sと新潟記念には、上位3頭が共通点を持つという以外に、別の点でも同じことが起こった。オーミアリスの国分優作騎手(23)、マーティンボロのナッシュ・ローウィラー騎手(39、オーストラリア)がともにJRA重賞初勝利だったことだ。
これだけのことが事前にわかっていれば、かなりの確率で当たり馬券にたどり着けるはずだが、こういうことは後から気づくものらしい。そんなことを考えながら、翌週の重賞レースをながめていたら、セントウルSはリトルゲルダ、京成杯AHはクラレントがそれぞれ優勝した。振り返ってみれば、両馬とも前走に続く重賞2連勝。またまた共通点が見つかった。しばらくはこの共通点探しに明け暮れることになりそうだ。