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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第90回 「千六」 2018.09.12

     8月12日に新潟競馬場で行われた第53回関屋記念は1番人気に支持されたプリモシーン(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)が芝1600mを1分31秒6で駆け抜けて優勝した。1月に3歳牝馬限定のフェアリーS(中山、芝1600m)を制して以来、重賞レース2勝目となった。 「夏は牝馬」という格言があるように、暑い季節には牝馬が好成績を残している。関屋記念も例外ではなく、牝馬の活躍が目立つ。今年も含めた過去30回の関屋記念で、牡馬は350戦して22勝の...

  • 第89回 「単勝」 2018.08.10

     7月22日に今夏の福島競馬が終わった。6月30日に始まり、土日の8日間、全96レースの中でもっとも注目を集めたのは7月7日に行われた開成山特別だった。 現役最強の障害馬オジュウチョウサン(牡7歳、美浦・和田正一郎厩舎)が4年8か月ぶりに平地レースに参戦したからだ。この日、福島競馬場の入場者は1万4,247人を記録した。これは2011年3月の東日本大震災で被災した福島競馬場が翌2012年4月に競馬を再開してからの土曜日としては最多の...

  • 第88回 「19回」 2018.07.13

     5月27日に行われた東京優駿(日本ダービー)では、5番人気のワグネリアンが優勝し、第85代ダービー馬になると同時に、手綱を取った福永祐一騎手(41)が68人目の「ダービージョッキー」になった。 1996年にデビューした福永騎手は3年目の1998年にダービー初騎乗を果たした。コンビを組んだのはキングヘイロー。ダンシングブレーヴ(USA)産駒で前年の10月にデビューし、3連勝で東京スポーツ杯3歳S(当時)を制し、年が明けてからも、弥生賞...

  • 第87回 「辛抱」 2018.06.11

     4月29日に京都競馬場の芝3200㍍で行われた第157回天皇賞・春は、2番人気のレインボーライン(牡5歳、栗東・浅見秀一厩舎)が優勝、挑戦10度目で念願のGⅠタイトルを手にした。 挑戦10度目でのGⅠ制覇というのは、カンパニーの13戦目(2009年天皇賞・秋)、キングヘイローの11戦目(2000年高松宮記念)に次ぐ3番目のスロー出世。あきらめずにチャレンジしてきたことが結果的に吉と出た。父親のステイゴールドもJRAのGⅠレースは19戦して勝...

  • 第86回 「早熟」 2018.05.13

     旧聞に属するが、日本時間の4月1日、海の向こうとこちら側で2頭の4歳馬が明暗を分けた。 昨年の日本ダービー優勝馬レイデオロ(牡4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)はアラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で行われたドバイシーマクラシック(GⅠ、芝2410㍍)に出走し、4着に終わった。レースはホークビルが先手を奪って、スローペースの流れとなり、そのままホークビルが先頭でゴールした。展開に恵まれず、レイデオロは本来の力を出せずじまい...

  • 第85回 「継承」 2018.04.13

     名競走馬で名種牡馬だったサウスヴィグラス(USA)が3月4日、この世を去った。22歳だった。 サウスヴィグラス・パートナーシップ事務局の三浦秀樹さんによると、1月26日に腸閉塞による疝痛を起こしたため開腹手術を行ったが、高齢だったこともあり、その後、回復することはなかったという。 2017年はサウスヴィグラスにとって素晴らしい1年だった。産駒のヒガシウィルウィン(牡、船橋・佐藤賢二厩舎)がジャパンダートダービーでJRA所属...

  • 第84回 「隔世」 2018.03.12

     2月11日に東京競馬場で行われた第52回共同通信杯は6番人気のオウケンムーン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝し、父のオウケンブルースリにJRA重賞初勝利をプレゼントした。 2008年の菊花賞馬オウケンブルースリだが、産駒は数少ない。種牡馬1年目の2013年には23頭に種付けし、翌年13頭が誕生した。その後の種付頭数は12頭、9頭、8頭と少しずつ減り続け、昨2017年はついに1頭になった。 産駒が競走年齢の2歳に達した2016年7月にラ...

  • 第83回 「独占」 2018.02.09

     12月28日に阪神競馬場で最終レースのファイナルSが行われ、キンシャサノキセキ(AUS)産駒のスマートカルロスが優勝した。これで中央競馬の2017年の全日程が終了した。 JRAのリーディングサイアーには、産駒が251勝を挙げ、58億3,915万9,000円の賞金を獲得したディープインパクトが輝いた。2012年に初めて首位の座に就いて以来6年連続でトップの地位を守った。6年連続の首位というのは、1995~2007年まで13年連続で首位に立ったサンデーサ...

  • 第82回 「3連覇」 2018.01.04

     2017年12月2日に中山競馬場で行われた第51回ステイヤーズSは単勝オッズ1.3倍という断然の1番人気に支持されたアルバート(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)が優勝し、ステイヤーズS史上初の3年連続制覇を果たした。 中央競馬の平地重賞では、もっとも距離の長い芝3600㍍戦。特徴のある、このレースを得意とする「マラソンランナー」はかつても存在した。ピュアーシンボリ(1981、82年)、スルーオダイナ(1988、89年)、アイルトンシンボリ(1992...

  • 第81回「ミルコ」 2017.12.18

     エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ。京都競馬場で2週続けて、ミルコ・デムーロ騎手(38)の「神騎乗」を目の当たりにした。 スローペースになったエリザベス女王杯では騎乗馬モズカッチャンを先行させ、逃げ込みをはかるクロコスミアをゴール寸前で差し切り、クビ差の勝利を飾った。翌週のマイルチャンピオンシップでは一転して後方待機策。大外18番枠という不利な枠からスタートしたペルシアンナイトを序盤は馬群の後方に置き、最後...

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