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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第100回「小兵」 2019.07.12

     競走馬の飼料添加物から禁止薬物のテオブロミンが見つかった事件で、競馬界に衝撃が走った2019年6月15日、阪神競馬場で快記録が達成された。 第6レースの3歳未勝利戦(芝2400㍍)で13頭立ての5番人気に支持されたメロディーレーン(牝、栗東・森田直行厩舎)は12番手を進んでいた3コーナーからスパートを開始した。その勢いは素晴らしく、ルーキーの岩田望来騎手が外に進路を取ると、前を行くライバルたちを次から次へとかわし、最後の直線...

  • 第99回 「レーン」 2019.06.12

     オーストラリアから初めて来日したダミアン・レーン騎手の活躍は衝撃的だった。 実戦初日となった4月27日の東京競馬場では、6レースに騎乗して、2着が1回、3着が1回とまずまずのスタートを切った。初来日ならこんな感じでしょうかというぐらいの印象だった。重賞レースの青葉賞で12番人気のマコトジュズマルを6着に持ってきたのが少し目立った程度だった。 それが翌日、一変する。この日の最初の騎乗となった東京競馬第5レースの3歳未...

  • 第98回 「平成」 2019.05.13

     4月7日、平成最後の桜花賞が行われ、グランアレグリア(牝3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝した。勝ちタイムは阪神競馬場の芝1600㍍で1分32秒7。昨年、アーモンドアイが出した1分33秒1を0秒4更新する桜花賞レコードとなった。平成の締めくくりにふさわしい快勝だった。 4月いっぱいで平成が終わり、5月から新元号の令和がスタートする。中央競馬のカレンダーでは、平成最後のダービーは昨年すでに終わっている。桜花賞と皐月賞、天皇...

  • 第97回 「同着」 2019.04.10

     3月10日に阪神競馬場で行われた桜花賞トライアルの第53回フィリーズレビューは1着同着となった。 優勝を分け合ったのは12番人気のノーワンと3番人気のプールヴィルだ。2頭のうちノーワンの手綱を取っていたのは坂井瑠星騎手(21)。デビュー4年目での重賞レース初優勝となった。地方・大井競馬に所属する坂井英光騎手を父に持つ坂井騎手は2017年から単身オーストラリアに渡り、およそ1年の間、現地に滞在。騎乗機会を手にして勝ち星も重ね...

  • 第96回 「里帰り」 2019.03.12

     アウォーディー(USA)やジャンダルム(USA)など「帰国子女」の活躍はこれまでも目にしたことはある。だが、こんな例に接したのは初めてだった。コパノキッキング(USA)(せん4歳、栗東・村山明厩舎)のケースである。 その生い立ちは実にユニークだ。牝馬のシャルナ(IRE)がアイルランドで誕生したのは1995年だった。父はフランス・ダービー馬のダルシャーンDarshaan(GB)。3歳時に1勝を挙げたシャルナは引退後の1998年、日本に輸入され...

  • 第95回 「豊作」 2019.02.14

     2018年12月23日に行われた第63回有馬記念は3歳のブラストワンピース(牡、美浦・大竹正博厩舎)が優勝した。 16頭の出走馬の中でブラストワンピースは唯一の3歳馬だった。1頭だけ出走した3歳馬が有馬記念を制したのは、1975年のイシノアラシ、2016年のサトノダイヤモンドに続く3度目のケースになった。 2018年は2015年に生まれた「3歳馬の年」になった。11月のマイルチャンピオンシップでステルヴィオ(牡、美浦・木村哲也厩舎)が優勝し...

  • 第94回 「CM」 2019.01.07

     2018年のジャパンカップに向けて、テレビで流されたJRAのCMは、なかなか面白かった。 スタート直前の輪乗りが行われているスターティングゲートの目の前で土屋太鳳が突然叫び出す。「私、すごいことに気づきました。この1番と3番、あと6と7。お父さんがおんなじなんです」。すると高畑充希が「ほんとだ。兄弟だ」と返す。続いて松坂桃李が「さらにすごいことに気づいたんだけど......。ここにもそのお父さんの名前、書いてある」。「母...

  • 第93回 「悲願」 2018.12.11

     11月11日に京都競馬場で行われた第43回エリザベス女王杯はリスグラシュー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝し、ついにGⅠタイトルを手にした。チャレンジすること8戦目での悲願達成となった。 リスグラシューは2014年1月18日、北海道ノーザンファームで父ハーツクライ、母リリサイド(FR)との間に生まれた。2歳時の2016年8月の新潟競馬場でデビューして2着。中1週で迎えた阪神競馬場の未勝利戦で初勝利を挙げた。デビュー3戦目は10月...

  • 第92回 「アイ」 2018.11.12

     10月14日に京都競馬場であった第23回秋華賞は断然の1番人気に支持されたアーモンドアイ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝した。桜花賞、オークスに続く優勝で史上5頭目の牝馬3冠に輝いた。 かつて牝馬3冠の最終戦はビクトリアカップだった。1970年に創設され、京都競馬場の芝2400㍍を舞台とした。1975年にエリザベス女王が来日したのを記念して、翌1976年からレース名がエリザベス女王杯へと変わった。条件は同じく京都競馬場の芝2400㍍だ...

  • 第91回 「ヨシダ」 2018.10.15

     日本で生まれたヨシダ(JPN)(牡4歳)が米国で活躍中だ。 5月5日にチャーチルダウンズ競馬場で行われた第32回ターフクラシックS(芝約1800㍍)では、9頭立ての4番手から徐々にポジションを上げ、残り200㍍付近で先頭に立つと、そのまま押し切り、デビュー8戦目で初めてのGⅠ勝利を飾った。 欧州遠征などを挟み、9月1日にはサラトガ競馬場で行われた第65回ウッドウォードS(ダート約1800㍍)に出走し、ダート初挑戦だったにもかかわら...

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