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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第115回 「龍王」 2020.10.12

     2020年9月13日、安田隆行調教師(67)が快記録を達成した。達成したのは「同一調教師の1日重賞2勝」だ。中央競馬では史上18度目のことだった。  まず中京競馬場で行われたセントウルSでダノンスマッシュ(牡5歳)が1番人気に応えて快勝すると、その10分後に中山競馬場で行われた京成杯オータムHではトロワゼトワル(牝5歳)がゴール寸前でひと伸びし、ハナ差の接戦を制して昨年に続く2連覇を果たした。 1日重賞2勝を最初に達成したの...

  • 第114回 「直千」 2020.09.11

     「夏の風物詩」アイビスサマーダッシュが2020年7月26日に新潟競馬場の直線芝1000㍍(直千)で行われた。記念すべき20回目のレースを制したのは2番人気の支持を受けたジョーカナチャン(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)だった。手綱を取った菱田裕二騎手はアイビスサマーダッシュ初出場で初優勝、松下調教師は2度目の挑戦で初制覇となった。 創設以来19年間続いていたジンクスは今年も破られることはなく、生き続けた。そのジンクスとは「サンデ...

  • 第113回 「黒船」 2020.08.11

     「芦毛の怪物」と呼ばれたクロフネ(USA)が種牡馬を引退することになった。 1998年3月31日、米国生まれ。22歳である。体調がすぐれず、2019年も種付けをしていなかった。2019年に誕生した38頭が最後の世代になる。今後は功労馬として余生を送るという。 2001年、ダービーが外国産馬に開放された。完全な開放ではなく、出走枠の上限は2頭だった。この年、クロフネは3歳になった。江戸時代末期、日本に開国を迫るため浦賀沖に現れたのがペリー...

  • 第112回 「同時」 2020.07.10

     2020年は競馬界にとって忘れられない年になるかもしれない。 デアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が桜花賞とオークスを制した。コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が皐月賞とダービーで優勝した。3歳の牡牝で同時に春の2冠馬が誕生した。デアリングタクトは4戦4勝。コントレイルは5戦5勝。いずれも無敗での達成となった点も共通している。 ビクトリアカップ→3歳牝馬限定のエリザベス女王杯→秋華賞と牝馬3冠におけ...

  • 第111回 「59キロ」 2020.06.11

     2020年5月2日に京都競馬場で行われた天王山ステークスで17年ぶりの記録が達成された。 4歳以上のオープン馬15頭が出走したダートの1200㍍戦で、サクセスエナジー(牡6歳、栗東・北出成人厩舎)が優勝した。3馬身差の2着で続いたのがシュウジ(牡7歳、栗東・須貝尚介厩舎)である。ともに負担重量59キロを背負っていた。 負担重量59キロの馬が上位を独占したのは、2003年4月27日に京都競馬場で行われた第8回アンタレスステークス(ダー...

  • 第110回 「孫」 2020.05.14

     新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、中央競馬は2月29日から無観客で開催を続けてきた。さらに5月31日のダービーまで、この状態を継続することも発表された。無観客が始まって7週目の2020年4月12日、阪神競馬場で第80回桜花賞が行われた。 栄冠をつかんだのはデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だった。最後の直線で1完歩ごとに先行するレシステンシアとの差を詰め、1馬身1/2抜け出したところがゴールだった。 それ...

  • 第109回 「絆」 2020.04.10

     2020年3月7日に阪神競馬場で行われた第27回チューリップ賞は、田辺裕信騎手が騎乗したキズナ産駒のマルターズディオサ(牝、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝した。優先出走権を手に入れ、4月12日に予定されている第80回桜花賞の有力候補の1頭になった。 種牡馬キズナはマルターズディオサなどの現3歳が初年度産駒になる。にもかかわらずマルターズディオサはキズナにとって早くも4頭目の重賞勝ち馬となった。 最初の重賞勝ち馬となったのはビ...

  • 第108回 「牝馬」 2020.03.11

     2020年2月は特別な2月になった。性別を問わないJRAの重賞レースで牝馬が頑張り、好成績を収めたのだ。 2日に京都競馬場で行われた第25回シルクロードステークスでは、18頭立てで3番人気だったアウィルアウェイ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が優勝。2着にも6番人気のエイティーンガール(牝4歳、栗東・飯田祐史厩舎)が食い込んだ。10頭が出走していた牡馬はナランフレグが3着になったのが最高だった。 芝1200㍍で争われるシルクロ...

  • 第107回 「大差」 2020.02.12

     2020年が明けたばかりの1月18日、中山競馬場で15年ぶりの出来事があった。同じ日の同じ競馬場で2度の「大差勝ち」が見られたのだ。  第2レースは「3歳未勝利戦」。ダートの1800㍍で争われた。優勝したのは単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されていたアイスナイン。2番手から抜け出し、逃げたシラカバに大差をつけた。優勝タイムは1分56秒7。2着シラカバとは2秒0の差があった。 続く第3レースは「3歳新馬戦」。舞台は第2レースと...

  • 第106回 「知命」 2020.01.14

     2019年11月23日、京都競馬場で行われた第8レース「3歳以上2勝クラス」(ダート1400㍍)は、武豊騎手(50)が手綱を取ったスマートアルタイル(牡4歳、栗東・小崎憲厩舎)が優勝した。 15頭立ての1番人気だったスマートアルタイルは1番枠からスタートすると、最後方を進み、4コーナー手前からスパート。直線半ばで先頭に立ち、2着に3馬身差をつける楽勝で人気に応えた。 この勝利は武豊騎手の2019年JRA100勝目だった。通算4,000勝以...

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