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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第110回 「孫」 2020.05.14

     新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、中央競馬は2月29日から無観客で開催を続けてきた。さらに5月31日のダービーまで、この状態を継続することも発表された。無観客が始まって7週目の2020年4月12日、阪神競馬場で第80回桜花賞が行われた。 栄冠をつかんだのはデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だった。最後の直線で1完歩ごとに先行するレシステンシアとの差を詰め、1馬身1/2抜け出したところがゴールだった。 それ...

  • 第109回 「絆」 2020.04.10

     2020年3月7日に阪神競馬場で行われた第27回チューリップ賞は、田辺裕信騎手が騎乗したキズナ産駒のマルターズディオサ(牝、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝した。優先出走権を手に入れ、4月12日に予定されている第80回桜花賞の有力候補の1頭になった。 種牡馬キズナはマルターズディオサなどの現3歳が初年度産駒になる。にもかかわらずマルターズディオサはキズナにとって早くも4頭目の重賞勝ち馬となった。 最初の重賞勝ち馬となったのはビ...

  • 第108回 「牝馬」 2020.03.11

     2020年2月は特別な2月になった。性別を問わないJRAの重賞レースで牝馬が頑張り、好成績を収めたのだ。 2日に京都競馬場で行われた第25回シルクロードステークスでは、18頭立てで3番人気だったアウィルアウェイ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が優勝。2着にも6番人気のエイティーンガール(牝4歳、栗東・飯田祐史厩舎)が食い込んだ。10頭が出走していた牡馬はナランフレグが3着になったのが最高だった。 芝1200㍍で争われるシルクロ...

  • 第107回 「大差」 2020.02.12

     2020年が明けたばかりの1月18日、中山競馬場で15年ぶりの出来事があった。同じ日の同じ競馬場で2度の「大差勝ち」が見られたのだ。  第2レースは「3歳未勝利戦」。ダートの1800㍍で争われた。優勝したのは単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されていたアイスナイン。2番手から抜け出し、逃げたシラカバに大差をつけた。優勝タイムは1分56秒7。2着シラカバとは2秒0の差があった。 続く第3レースは「3歳新馬戦」。舞台は第2レースと...

  • 第106回 「知命」 2020.01.14

     2019年11月23日、京都競馬場で行われた第8レース「3歳以上2勝クラス」(ダート1400㍍)は、武豊騎手(50)が手綱を取ったスマートアルタイル(牡4歳、栗東・小崎憲厩舎)が優勝した。 15頭立ての1番人気だったスマートアルタイルは1番枠からスタートすると、最後方を進み、4コーナー手前からスパート。直線半ばで先頭に立ち、2着に3馬身差をつける楽勝で人気に応えた。 この勝利は武豊騎手の2019年JRA100勝目だった。通算4,000勝以...

  • 第105回 「父娘」 2019.12.10

     2019年11月10日に行われた第44回エリザベス女王杯はクリストフ・スミヨン騎手(38)=ベルギー=が騎乗した3番人気のラッキーライラック(牝4歳、栗東・松永幹夫厩舎)が優勝した。 スミヨン騎手の中央競馬でのGⅠ勝利は5年ぶり3度目だった。初勝利は2010年の天皇賞・秋、ブエナビスタとのコンビで2着のペルーサに2馬身差の快勝だった。2勝目は2014年のジャパンカップ。エピファネイアに騎乗してジャスタウェイに4馬身差をつける完勝劇を...

  • 第104回 「偶然」 2019.11.13

     記録ずくめのレースになった。 2019年10月20日に京都競馬場で行われた第80回菊花賞だ。 皐月賞、ダービーに続く3冠レースの最終関門。しかし、そこに皐月賞馬の姿も、ダービー馬の姿もなかった。皐月賞を制したサートゥルナーリアは前哨戦の神戸新聞杯で快勝劇を演じると、矛先を天皇賞へと向けた。ダービー馬ロジャーバローズは8月になって右前脚の浅屈腱炎が見つかり、現役引退が決まった。もっとも、けがをしていなくても凱旋門賞を目指し...

  • 第103回 「軌跡」 2019.10.10

     2019年9月21日に中山競馬場であった清秋ジャンプステークス(3210㍍)は、白浜雄造騎手が手綱を取った1番人気のディライトフル(セン8歳、栗東・大久保龍志厩舎)がスタートから先頭を奪い、そのまま逃げ切って優勝した。 この勝利はフジキセキ産駒のJRA通算1,526勝目であり、2019年の初白星となった。産駒がデビューした1998年以来続いていた連続勝利記録も22年に伸びた。 ディライトフルはこれで通算6勝目。2018年1月に障害に転向して...

  • 第102回 「合作」 2019.09.12

     2019年7月30日、ディープインパクトが17歳の生涯を閉じた。原因は頸椎骨折という。まだまだ働き盛りの若すぎる死だった。 理想のサラブレッドであった。現役時代は皐月賞、ダービー、菊花賞の3冠を含む14戦12勝の成績を残し、天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念も制し、GⅠは7勝。種牡馬としても、2012年から昨年まで7年連続のリーディングサイアーに輝いた。産駒が残っているため、今年以降も首位を守ったとしてもおかしくは...

  • 第101回 「引退」 2019.08.09

     中央競馬で2度首位種牡馬に輝き、ドゥラメンテとレイデオロという2頭のダービー馬を送り出したキングカメハメハが種牡馬を引退することになった。免疫機能が低下し、ここ数年は体調不良に苦しんでいた。今年は種付けを中止していたが、回復の兆しはなく、このまま種牡馬を引退して、功労馬として余生を送ることになった。 キングカメハメハは2001年3月20日北海道のノーザンファームで生まれた。父キングマンボKingmambo(USA)、母マンファス...

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