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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第120回 「17頭」 2021.03.11

     2月14日に阪神競馬場で行われた第114回京都記念でワグネリアン(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)は、勝ったラヴズオンリーユーから0秒7遅れの5着に終わった。 2018年の神戸新聞杯を最後に勝利から遠ざかっている第85代日本ダービー馬はそれでも単勝2番人気の支持を得た。それは、ひとえに武豊騎手との初コンビが理由のすべてだろうと思う。「武豊騎手ならなんとかしてくれるのではないか」。新しい化学反応を期待するファンの思いが込められた...

  • 第119回 「母父」 2021.02.12

     史上初めて牡と牝で同時に「無敗の3冠馬」が誕生し、新型コロナウイルスの影響で無観客が続くなど、2020年は、競馬界にとって忘れられない1年になった。こうした大きなうねりに隠れて、静かに変化したこともあった。 そのひとつがリーディング・ブルードメアサイアーの交代だった。2006年から2019年まで14年間頂点に立ち続けたサンデーサイレンス(USA)が2位に陥落。代わってキングカメハメハが初めて首位に立った。2019年に18歳で生涯を閉じ...

  • 第118回 「40回」 2021.01.08

     「世紀の一戦」と呼ばれた。2020年11月29日に東京競馬場で行われた第40回ジャパンカップだ。1981年に創設された国内初の国際競走は2019年、史上初めて外国招待馬がゼロになり、不要論さえ、ささやかれていた。わずか1年後に評価は急転する。すべての競馬ファンが固唾を飲んで見守るような注目のレースになった。 「3強」がそろい踏み、夢の競演となった。2020年天皇賞・秋で優勝し、史上初めて芝GⅠ8勝という偉業を達成したアーモンドアイ(牝...

  • 第117回 「相棒」 2020.12.10

     11月15日に行われた第45回エリザベス女王杯は1番人気のラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)が優勝し、昨年に続く2連覇を果たした。エリザベス女王杯の2連覇はメジロドーベル(1998、99年)、アドマイヤグルーヴ(2003、04年)、そして英国調教馬スノーフェアリー(2010、11年)に次ぐ史上4頭目の記録だった。 ただし2連覇といっても、今年のエリザベス女王杯は41年ぶりに阪神競馬場で行われており、ラッキーライラックは京都...

  • 第116回 「開国」 2020.11.13

     2020年10月10日、中央競馬で快記録が生まれた。3きょうだいによる同一日勝利だ。 最初に白星を飾ったのは京都競馬第1レースのマルモルーラー(牡2歳、栗東・木原一良厩舎、父ルーラーシップ、母マルモセーラ)だった。ダート1800㍍の2歳未勝利戦。幸英明騎手を背に13頭立ての1番枠からスタートし、道中4番手から最後の競り合いを制した。デビュー2戦目の初ダートで動きが一変した。 これに続いたのがマルモマリア(牝5歳、栗東・木原一...

  • 第115回 「龍王」 2020.10.12

     2020年9月13日、安田隆行調教師(67)が快記録を達成した。達成したのは「同一調教師の1日重賞2勝」だ。中央競馬では史上18度目のことだった。  まず中京競馬場で行われたセントウルSでダノンスマッシュ(牡5歳)が1番人気に応えて快勝すると、その10分後に中山競馬場で行われた京成杯オータムHではトロワゼトワル(牝5歳)がゴール寸前でひと伸びし、ハナ差の接戦を制して昨年に続く2連覇を果たした。 1日重賞2勝を最初に達成したの...

  • 第114回 「直千」 2020.09.11

     「夏の風物詩」アイビスサマーダッシュが2020年7月26日に新潟競馬場の直線芝1000㍍(直千)で行われた。記念すべき20回目のレースを制したのは2番人気の支持を受けたジョーカナチャン(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)だった。手綱を取った菱田裕二騎手はアイビスサマーダッシュ初出場で初優勝、松下調教師は2度目の挑戦で初制覇となった。 創設以来19年間続いていたジンクスは今年も破られることはなく、生き続けた。そのジンクスとは「サンデ...

  • 第113回 「黒船」 2020.08.11

     「芦毛の怪物」と呼ばれたクロフネ(USA)が種牡馬を引退することになった。 1998年3月31日、米国生まれ。22歳である。体調がすぐれず、2019年も種付けをしていなかった。2019年に誕生した38頭が最後の世代になる。今後は功労馬として余生を送るという。 2001年、ダービーが外国産馬に開放された。完全な開放ではなく、出走枠の上限は2頭だった。この年、クロフネは3歳になった。江戸時代末期、日本に開国を迫るため浦賀沖に現れたのがペリー...

  • 第112回 「同時」 2020.07.10

     2020年は競馬界にとって忘れられない年になるかもしれない。 デアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が桜花賞とオークスを制した。コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が皐月賞とダービーで優勝した。3歳の牡牝で同時に春の2冠馬が誕生した。デアリングタクトは4戦4勝。コントレイルは5戦5勝。いずれも無敗での達成となった点も共通している。 ビクトリアカップ→3歳牝馬限定のエリザベス女王杯→秋華賞と牝馬3冠におけ...

  • 第111回 「59キロ」 2020.06.11

     2020年5月2日に京都競馬場で行われた天王山ステークスで17年ぶりの記録が達成された。 4歳以上のオープン馬15頭が出走したダートの1200㍍戦で、サクセスエナジー(牡6歳、栗東・北出成人厩舎)が優勝した。3馬身差の2着で続いたのがシュウジ(牡7歳、栗東・須貝尚介厩舎)である。ともに負担重量59キロを背負っていた。 負担重量59キロの馬が上位を独占したのは、2003年4月27日に京都競馬場で行われた第8回アンタレスステークス(ダー...

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