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プロフィール
有吉正徳競馬ライター

1957年福岡県生まれ。
82年から東京中日スポーツで競馬担当。
92年に朝日新聞社入社。
現在、毎週金曜日の夕刊スポーツ面に「競馬ウイークリー」を連載。
競馬予想の基本は「人気薄からワイド狙い」。
アルコールは飲めないが、競馬が話題ならば何時間でも話すことができる。

最新記事一覧

  • 第135回 「砂娘」 2022.06.10

     2022年5月15日にあった第17回ヴィクトリアマイル(東京競馬場芝1600メートル)は単勝4番人気のソダシ(牝4歳、栗東・須貝尚介厩舎)が1分32秒2のタイムで優勝した。2歳時の阪神ジュベナイルフィリーズ、3歳時の桜花賞に続く3年連続のGⅠ制覇となった。2歳時のアルテミスSを含めると、芝の1600メートル戦では負け知らずの4戦4勝とした。また2着のファインルージュにつけた2馬身差というのは、デビュー戦の2馬身半に次ぐ大きな着差で、...

  • 第134回 「受難」 2022.05.12

     4月17日に第82回皐月賞が終了した時点で、この原稿を書いている。ここまでに2022年のJRAの平地GⅠレースは5戦を終了したが、1番人気は5連敗中だ。 フェブラリーSはレッドルゼルが6着、高松宮記念はレシステンシアが6着、大阪杯のエフフォーリアは9着、桜花賞のナミュールは10着。そして皐月賞のドウデュースは3着だった。本命馬不振のせいで、結果は波乱の連続。3連単の配当は皐月賞の300倍を最低に、最高は高松宮記念の2万7,000倍と跳...

  • 第133回 「外貨」 2022.04.11

     現地時間2月26日に行われた「サウジカップデー」は日本の競馬界にとって驚くべき結果だった。遠征した12頭の日本調教馬が計6レースに出走し、重賞4勝を挙げ、入着賞金を含め約7億円もの賞金を稼いだ。サウジアラビア・リヤドのキングアブドゥルアジーズ競馬場で勝利を挙げたのは次の4頭だった。優勝したレースはいずれもGⅢだ。 ■オーソリティ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)=ネオムターフC、芝2100メートル■ソングライン(牝4歳、美浦・...

  • 第132回 「女優」 2022.03.11

     1985年秋の天皇賞でシンボリルドルフを破る大金星を挙げたギャロップダイナなど数々の名馬を育てた矢野進・元調教師が2022年2月に亡くなった。84歳だった。 1937年に栃木県で生まれた矢野さんは18歳だった1956年7月12日に騎手免許を手にした。同年7月28日の福島競馬第7レースでニユーダイワに乗り、初騎乗初勝利という快記録を残している。1971年2月いっぱい、33歳で引退するまで、16年間の騎手生活での成績は、943戦103勝だった。 1973年...

  • 第131回 「連続」 2022.02.10

     2022年1月15日、中京競馬場で行われた第59回愛知杯で武豊騎手(52)が騎乗したルビーカサブランカ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝し、2つの「連続記録」が樹立された。 1つ目は武豊騎手の36年連続重賞優勝記録だ。武豊騎手はデビューした1987年から昨2021年まで35年連続で重賞勝ちを収めてきた。2番目は岡部幸雄元騎手の28年連続、3番目が蛯名正義元騎手の27年連続だから、この記録は今後も破られそうにない大記録だ。騎手の連続重賞...

  • 第130回 「燻銀」 2022.01.11

     白毛の桜花賞馬ソダシの参戦によって、俄然注目度が高まった第22回チャンピオンズカップは2021年12月5日、中京競馬場で行われ、1番人気のテーオーケインズ(牡4歳、栗東・高柳大輔厩舎)が優勝した。 前年の覇者で2着になったチュウワウィザードにつけた着差は6馬身。チャンピオンズカップが中京競馬場のダート1800mで行われるようになった2014年以降で最大の着差となった。 テーオーケインズは4歳の2021年に大きく飛躍した1頭だ。年明け...

  • 第129回 「BC」 2021.12.13

     いつか、この日が来ることを願ってはいたが、実際に達成されると、信じられないような気持ちもわき上がってきた。ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌによる米ブリーダーズカップ(BC)制覇だ。 持ち回りで行われるBCの今年の舞台はカリフォルニア州デルマー競馬場だった。11月5日と6日の2日間で13のGⅠレースが行われる米国競馬の祭典だ。その第2日、先陣を切ったのはラヴズオンリーユー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。 出走...

  • 第128回「4代」 2021.11.12

     10月3日に中山競馬場で行われた第55回スプリンターズSは単勝3番人気のピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)が優勝し、JRA史上初の記録を達成した。 その記録とは父・息子4代にわたるGⅠ制覇である。 ピクシーナイトの父系をさかのぼると次のようになる。モーリス→スクリーンヒーロー→グラスワンダー(USA)だ。いずれも名競走馬として活躍した。モーリスは国内外で計6つのGⅠレースを制した。香港で3勝。JRAでは2015年の安...

  • 第127回 「繁栄」 2021.10.15

     9月5日に新潟競馬場で行われた第57回新潟記念はステイゴールド産駒のマイネルファンロン(牡6歳、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝し、11度目のチャレンジで重賞初制覇を果たした。 2018年のスプリングSではステルヴィオの3着、2019年の函館記念ではマイスタイルのクビ差2着などタイトルに手の届きそうなこともあったが、惜しくも敗れた。貴重な白星はデビュー30戦目まで待たなければならなかった。3歳年下の半妹ユーバーレーベン(父ゴールド...

  • 第126回 「第11位」 2021.09.10

     8月8日、東京オリンピックの最終日に函館競馬場では第26回エルムSが行われた。優勝したのはハーツクライを父に持つスワーヴアラミス(牡6歳、栗東・須貝尚介厩舎)だった。 この勝利によって、中央競馬におけるハーツクライ産駒の勝利数は1,258となり、歴代11位のヒンドスタン(GB)と並んだ。翌週の8月14日には札幌競馬の第7レースでコーストラインが1番人気に応え、通算勝利数を1,259に伸ばし、父を単独の歴代11位へと押し上げた。産駒...

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